浦和フットボール通信

MENU

河合貴子のレッズ魂ここにあり!「考えて走る!ミーシャサッカー」(1/24)

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

チーム始動に先駆けて、1月17日ミハイロ・ペトロビッチ新監督の就任記者会見が行われた。一見するとマフィア映画に出て来そうな風貌の監督であるが「ミーシャと呼んでくれ」と人懐っこい笑顔で言われると親近感が湧いて来た。記者会見で山道強化部長から「もう一度輝くために、変えないといけない。必ず変えたいと思っていた。実績と経験が在り、クラブを安定出来る方にお任せしたいと思っていた。チームを変えるための監督はミーシャ監督です」と力強く監督を紹介されると、ミーシャ監督が頼もしく感じた。まるでミーシャ監督がマフィア映画に登場する正義の味方に思えて来た。

浦和を変えるためにやって来たミーシャ監督は、まず2つの目標を掲げた。1つは「ポジティブな雰囲気を作っていく」2つ目は「しっかりとしたチーム作り」を掲げた。そして、自らが志向するサッカーを「運動量が多く、走る。ただ走るのではなく、考えながら走る。攻撃的で魅力あるサッカーを魅せたい。これが、浦和のサッカーだとすぐにイメージ出来るものを作り上げていきたい。サッカーで大事なことはどの様に走るのか・・・。考えないで走り回る選手も良くない。考えるけど走らない選手も良くない。インテリジェンスにプレーが出来ることが大切だ」と話した。サッカーでは「人もボールも動く」と良く耳にするが、これは当たり前の事である。人もボールも動かなければサッカーとして成り立たない。ミーシャ監督が求めるものはクリエイティブで逞しいサッカーなのだ。

以前、浦和で活躍した元ドイツ代表のMFウーベ・バイン選手は「味方がインターセプトした時には、頭の中にパスコースが無数にある。自分がパスを受ける前にはそれが、3種類になり、受ける直前には1種類になっている」とまるでスーパーコンピューターのように話してくれた事があった。その試合時の、ピッチコンディションや風の向きや風の強さ、味方の動き、相手DFの動きと特徴、ありとあらゆる事を瞬時に考えて判断して、ゲームを組み立て、パスを出していた。ウーベ・バイン選手はそれほど走らなかったが、そこにはただ単にボールを追いかけ直向きに走るFW岡野雅行選手がいた。当時、二人のコンビネーションは確立されたものだったし、ウーベ・バイン選手に走る事を要求されていた訳では無く、役割が明確であった。

ミーシャ監督が志向するサッカーは、ポジションに拘らず全選手に、ウーベ・バイン選手のスーパーコンピューターと岡野選手の野人、この二人の両面を持つ事である。走ると言っても、岡野選手のように快速野人になる事ではない。考えながら直向きに走る姿勢が大事なのだ。ミーシャ監督は「浦和には個人能力が高い選手が揃っている。ただ、名前ではサッカーが出来ない。求める事はチームプレーに徹する事で、1人の選手が試合を決定づける事はない。チームで闘い。チームで勝ち、チームで負ける。あとは、ピッチの上でインテリジェンスを求める。アイディアを3つぐらい持ってプレーして欲しい」と話した。「考えながら走る」と言うのは、本当に難しい。相手DFをつる走りをして、味方にスペースを空けたり、空いたスペースを埋める走りをしたり、ボールを奪うためにプレスをかけたり、相手のパスコースを消す走りをしたり、机上で考えるだけでも沢山の走りが思いつく。ボールを持っていない時の選手の走りが重要で、チーム全体が、イメージを共有しながら考えて走る事が求められる。

ミーシャ監督は「非公開練習はしない」と断言した。チームがどのように変わって行くのか・・・選手がどのように変わって行くのか・・・日々の変化を見て欲しいそうだ。自分自身の目でこの1年を見て欲しいと思う。「PRIDE OF URAWA」がある限り、浦和が「考えて走る」クリエイティブで逞しいチームに変わる。変わらなければ、それは浦和ではない。

パートナーサイト

ページ先頭へ