浦和フットボール通信

MENU

河合貴子のレッズ魂ここにあり!「大人の階段昇る~原口元気選手」(5/12)

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

★「レッズ魂ここにあり!」のTwitterハッシュタグが出来ました!#redstadashi
ご意見、ご感想は、Twitterに#redstadashi を入れてつぶやいてください。河合貴子さんも登場予定です。

ジュビロ磐田戦で、今季初ゴールを決めた原口元気選手。21歳になった若きエースの素顔とは?

まだ、少年のあどけなさの笑顔を見せる原口元気選手が、5月9日に誕生日を迎え、21歳になった。自転車に乗って学生服姿で、練習場に通っていたのが、ついこの間の事のように思いだされる。高校2年生の時に、ユースからトップチームに登録され、ナビスコ杯の名古屋戦で公式戦デビューを飾り、翌年にはプロ契約となった。2009年Jリーグ開幕の3月7日、鹿島戦ではスタメン入りして臆する事なく堂々とプレーした。得意のドリブルで相手を翻弄する姿は見ていても痛快だった。傍から見ると気が強くて、自信家で生意気に見られがちな原口選手だったが、実はさびしがり屋で練習場から独りで帰る事はなく、必ず誰かと一緒に練習場を後にしていた。(当時、山田直輝選手や高橋峻希選手と自転車で帰る事が多かった)チームメイトから「生意気小僧」などとからかわれる事もあったが、「生意気」に見えたのは、周りから「なめられたくない」と言う一番年下の強勢を張った気持ちの表れでもあったと思う。当時から、報道陣に対しても、礼儀正しく、質問に対してもしっかりとした受け答えをし、自分の考えを述べる事が出来ていた。甘えん坊のところはあったが、「生意気小僧」は、実は人一倍周りに気を遣い、思いやりのある優しい選手なのである。月日が経つのは早いもので、17歳だった少年が、今やチームを支える大黒柱になりつつある。

20歳最後の試合となった5月6日の磐田戦では、DF4人に囲まれながらも豪快なシュートを放ち、ゴールネットを揺らした。試合後、原口選手は「上手く左足でコースを狙えた。まだ、1点なんで満足出来ない。勝利に導けなかったし・・・」と悔しがったが、「1点決めて気持ち的に楽になった。これで、21歳になって気持ち切り替えてやって行ける。大きな1点と言うか・・・。大きな1歩!ここから、2歩、3歩と進んで行かないといけない。正直、しんどかったですが、遣るべき事を続けて行く」と20歳最後の節目の記念試合にゴールを決める事が出来て安堵の表情を浮かべた。

そして誕生日の当日、練習場で抱えきれないほどの誕生日プレゼントを手にした原口選手は「こんなに貰えて嬉しかった。沢山の方が応援してくれる。その気持ちに応えたい」と話し、「20歳・・・。色んな経験が出来た1年だった。人としてもサッカー選手としても成長出来たと思う。20歳の時の方が活躍出来たと思いたくないし、21歳になったのでより一層の努力をしていく。大人として、サッカー選手として成長したら、結果はついて来ると思う。今の事を続ける事!続ける事を止めない!たくさん動いて、闘っていく。景気づけに1発行きたいですね」と20歳を振り返りながら21歳の抱負を話し、21歳として最初の試合となる新潟戦でのゴール宣言をした。

浦和担当の報道陣から、バースデーケーキのプレゼントが贈られると、ファン・サポーターからは「happy birthday to you」と歌声が流れ、原口選手は「俺って、愛されてるなぁ」と嬉しそうに喜びを実感した。その周囲からの愛に応えるには、ピッチの中だと言う事を原口選手は感じている。だから、自らプレッシャーを懸けてまで、敢えてゴール宣言をしたのだ。

17歳でデビューして、4年。長い様で、あっと言う間の4年であった。紆余曲折しながらも、確実に大人の階段を昇っている。10年後の原口選手はどうなっているのだろうか?と想像している私に、記者仲間が「おっさんになっているでしょう!」と笑った。確かに31歳になった原口選手は、あどけない少年の笑顔は無いだろう。色んな経験をして、選手としてチームの大黒柱になり、素敵な大人の男になっているだろう。良い意味での「おっさん」になっていて欲しい。頭の中で、1983年のヒット曲「想い出がいっぱい」のメロディーが流れ出し、「手に届く宇宙は限りなく澄んで、君を包んでいた。大人の階段昇る。君はシンデレラボーイさぁ。少年だったといつの日か思う時が来るのさぁ。少年だったと懐かしく振り向く日があるのさぁ。」と思わず替え歌にして口ずさんでいた。

原口選手はまだ、21歳である。21歳の若者が背負って闘うには、余りにも大きな物だと思う。そのプレッシャーに潰されそうになる事もあるだろう。それでも、原口選手は、輝かしい未来に向かって、大人の階段を昇り続ける。

パートナーサイト

ページ先頭へ