浦和フットボール通信

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【This Week】週刊フットボールトーク Vol.91拡大版(6/8)

レッズが、浦和であるべき姿を考え、ワールドカップ最終予選、ナビスコ鳥栖戦を振り返る。

椛沢佑一(浦和フットボール通信編集長)× 豊田充穂 (コピーライター)

豊田:ワールドカップ予選・ヨルダン戦、テレビ観戦ですが日本の2勝目を見とどけました。ハットトリックを記録した本田圭佑や香川真司ら代表主力組の決定力はさすがと思います。点差も開いたのでレッズ現状に重ね合わせて観たのですが、ザック・ジャパン中盤の柔軟なポゼッションや個々の駒から出てくるパススピードは印象に残りました。

椛沢:予想とは裏腹に完勝でしたね。相手が早い時間で退場となり数的優位な中での試合ともなり、危なげない試合でした。狭いエリアでも中央突破のパスでこじ開ける強さは、アジアのバルサですね(笑)レッズでもあんな展開が見たいとおもったシーンでした。欧州で活躍する選手が増えて、本当に今までの代表にはないくらいの自信をもってプレーしているのが逞しさを感じますね。

豊田:私たちの見どころは自然とキャプテンの長谷部誠選手や川島永嗣選手のプレーに行くのですが、いかにも“余裕”のゲーム展開。最終予選らしい緊迫した場面での彼らの活躍ぶりは、次の宿敵オーストラリア戦以降の楽しみに取っておきましょう。

椛沢:初戦となったオマーン戦も埼玉スタジアムでの開催でした。試合は本田が長友のクロスを綺麗に合わせて早い時間の先制点を奪えたことで、余裕が持てる試合展開で3-0の快勝。終わってみればオマーンにシュートを一本も打たせない快勝劇でした。オマーン代表のGKアル・ハブシはプレミアリーグ・ヴィガンの正GKを務めているプレイヤーということだけあって、決定的なシーンを何度も防いでいましたが、それ以外の部分では日本代表と力の差がはっきり出た試合と言って良いのではないでしょうか。で、注目すべきは入場者数。埼玉スタジアム開業以来最多の63,551人です。最終予選ということもあって、注目の高さを示す人数でした。

豊田:さっそくサポーター仲間のあいだでも話題になりました。更新されてしまったことは悔しい。ただ動員数だけでは測れない場の雰囲気やコールの威圧感、そしてゴール裏メンバーの平均年齢とかではね(笑)、いまだ我々が作った埼玉スタジアムは塗り替えられてはいないと。

椛沢:最多人数ではありましたが、雰囲気は、我々が作る埼スタの雰囲気には及ばないものですね。

豊田:浦和フットボール通信も浦和レッズというクラブとホームタウンを深く結びつける活動を始めたばかりです。J2から這い上がり、ひたすら皆でいつの日にか……と念じ続けた“あの頃”のハングリー精神を甦らせるということだと思う。

椛沢:代表戦のスタンドは、近年はイベント化しているのが実情だと思います。W杯最終予選という舞台でこそ、いつもよりは緊張感があるかとは思いますが、先程話した通り、浦和の空気とは全く違うものですね。レッズ戦においては、緩衝帯の問題もあるので、数字更新は難しいですが、浦和の雰囲気というものは代表にはないフットボールの空気感があると思います。それだけに代表ではあれだけ埼スタが埋まる光景は、羨ましくも感じてしまいますね。

豊田:思い起こせば、浦和レッズ隆盛期を担った犬飼基昭社長が、客席緩衝帯のせいで動員数が削られることを悔しがりました。「アウェイ席との間に高いアクリル板を立てて仕切って、どんどん動員数を更新できるシステムを考えようじゃないか」と……(笑)。TOTでの発言ですからね。あのようなクラブサイドとホームタウンが熱を帯びて意見を交換する場は、やはり欠かせないものと考えます。

椛沢:そのような場を目指している浦和タウンミーティングなのですが(笑)。先週のレポートについて、数多くのご感想を頂いております。一部紹介させて頂きます。

◎『珈琲屋の息子がレッズに入った。頑張れ頑張れ』と非常に盛り上がってくださいました。この街の子どもたちにすれば、浦和レッズのユニフォームを着ることにはそれだけのプレッシャー、重圧がある。息子などは「もう着たくない」とこぼすほどに責任を感じるわけです。浦和レッズはそういうチームであるということを選手の皆さんに深く理解してもらい、プライドと責任をもってあるべき進路を目指していただきたいと考えます。」越智田さんのこの言葉とても重いです。選手達は心して試合に臨んで欲しいです。サポーターである私にも胸に刺さりました。責任をも感じました。
これからの応援頑張ります。」

◎ 「白鷺宝と彩花の宝石の赤いのが欲しいです。真っ赤な白鷺宝、真っ赤な彩花の宝石。特に彩花は生菓子ではないので「相手チームの色を一個だけ入れた」パッケージは試合ごとに売れると思います。山口屋さんのレディケットは誰にも喜ばれるお土産でした、質の高いお菓子でしたから、浦和らしかったと思います。おしゃれなものはもっと大掛かりに、たとえば伊勢丹でクーカイが家具からはじまる「ライフスタイル提案」を売っていて、賑わっていますが、あの「色が赤い版」をやるだけで売れると思います。赤い家具を効果的に使ったおしゃれなコーディネーション。家買って移住する人が自分の知る限りでも何人もいるのだから、浦和マダムに売れること間違いないです。」

越智田さんの言葉は、浦和の街、商店街のリアルな声だったと思います。浦和レッズのこの街での注目の高さと反面、誰もが手放しで応援をしているわけではない状況。この部分は重く受け止めてさらなる密着活動が必要と考えます。具体的なご意見についても頂きました。これについても街の中でクラブが浸透していかないと実現しないことが多いのが現状かと思います。浦和の街の要素をつかって“浦和ならではのコラボレーション”をすることでの“密着”も考えていく必要はあるかと思います。

豊田:おやじサポーターやレッズ後援会の幹部に収まっている古い友人たちと意見を交換する機会は常にキープしているのですが、その部分への指摘はそれぞれの「自戒」の意味も含めて盛り上がっています。特に今シーズン開幕前にサッカージャーナリストの大住良之さんが指摘された「クラブライセンス制度」に対するレッズの取り組みあたりは、長い時間帯で私たちが追っていかなくてはならない視点と思います。(編集部注:「レッズと浦和。絆は崩壊したのか」https://www.urawa-football.com/post/5631/参照)

椛沢:そして今週水曜日は、ナビスコカップ・サガン鳥栖戦でした。予選突破には勝利しかない試合でしたが、結果は1-2の敗戦となってしまいました。他力での突破の可能性は残しましたが厳しい状況です。私も今回はテレビ観戦でしたが、前評判通りの鳥栖の運動量に対して、レッズはやりたいサッカーが展開出来ない時間が続いたかと思います。それでも完全に崩されるまでの形はなかったわけですが、敗戦となったポイントは今季ずっと課題にしている所だったと思います。先制点を許したシーンは、リスタートのロングスローからで、逆転ゴールを決められたのは、同点にした後の時間帯と、これは今季ずっと課題になっているポイントです。今までも、これによって勝ち点を落としてきましたが、大事な試合で課題が露わになってしまい、重要な試合を落とすことになってしまいました。この部分の改善がなされないと、これからも同じようなケースが生まれてくるでしょう。この敗戦の悔しさを忘れずに、課題修正についても徹底させていってもらいたいと思います。

 

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