浦和フットボール通信

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【This Week】週刊フットボールトーク Vol.106(9/19)

レッズにあるべきプレー基盤が見えてきた。

椛沢佑一(浦和フットボール通信編集長)× 豊田充穂 (コピーライター)

椛沢:先週、二人で提言した駒場開催についてですが、横浜のスタジアムで橋本代表と立ち話をする機会があったので、軽く提案をした所、クラブライセンスの導入も影響をしてくる問題でもあるとのことでした。この基準に駒場が合っていない部分が多々あることから、この辺りの問題もクリアにしないといけないのかもしれません。駒場開催による雰囲気は橋本代表も感じていたようですので、この問題は積極的に取り組んで欲しいと思います。

豊田:代表に軽く提案ができる立ち話も立派な第一歩ですが(笑)こういうポイントは継続して本誌が記事やイベントで追跡して行くべきものと思います。クラブライセンスの導入を視野に入れた回答を口にされるのであれば、私たち支持者としては改めて橋本代表にお伺いしたい件もある。シーズン終了まではサポートあるのみですが、またタウンミーティングにもお招きしたいですね。

椛沢:シーズンを締めくくる上で橋本代表にご登場を願いましょう。さて、VIPインタビューでは町田監督、吉野監督による対談を2週に分けてお送りをしました。地元浦和から多くのJリーガーも育て上げてきたお二人からのメッセージとレッズジュニア創設は、新たな才能育成の環境を創るための可能性を感じました。

豊田:さっそく幾つかの少年団関係の知り合いからは読後のコメントや意見ももらいました。特集記事をお楽しみいただければと思います。椛沢:このテーマを次回10月開催予定の浦和タウンミーティングにて、クラブ関係者を交えてお話をしていきたいと思っております。またイベント開催に向けて具体的に決まりましたら皆様にアナウンスをさせて頂ければと思います。地元の才能育成についてご興味ある方は是非ご参加頂ければと思います。

先週末は敵地・日産スタジアムでの横浜Fマリノス戦でした。レッズにとっては非常に相性の良いスタジアムで、相性通りに見事逆転勝ちを果たしました。この試合も多くのレッズサポーターが敵地に乗り込んで、ホームを圧倒するサポーティングで選手たちを後押ししました。序盤はマリノスのレッズ対策により試合を支配され、早い段階に先制点も奪われる苦しい展開でしたが、23分に初めての決定機をモノにします。柏木が槙野のスルーパスを受けて左足のダイレクトでゴール右隅にシュートを決めて同点に追いつきました。そのまま前半を折り返し、後半の64分に原口が裏に抜け出してGKとの1対1のチャンスでGKにシュートを弾かれますが、そのこぼれ玉を槙野が詰めて逆転しました。その後も押し込まれる展開が続きましたが、1点を守り切って勝ち点を45に乗せました。前述の通り、相性の良いスタジアムということもあってか、苦しい展開でも負ける気がしない雰囲気があり、落ち着いて自分たちの形を創りだしての逆転勝利でした。残り9試合で首位広島との勝ち点差は2。十分頂点も狙える位置につけました。

豊田:残りゲーム数が一桁で首位戦線に残っている情況なんて何年ぶりでしょうか? こういうことを言うとまた仲間内からもネガティブだと叱られそうなのですが……相性が良いとはいえ昨季アウェーのこのカードに参戦した時は、新横浜の横断エスカレーターを昇るヒザが震えていたのですから。それにしても、柏木の同点ゴールまでの流れは本当に美しかったですね。連携の醍醐味からフィニッシュに至ったゴールとしては、個人的にレッズ観戦歴中でも屈指のものだったと思います。観戦仲間からは「小野とチキ(アイトール・べギリスタイン 元バルサのテクニカル・ディレクター)のホットライン以来」という声がありましたが、「攻撃の駒が所定の攻撃態勢に位置し、かつ追い越して来るプレーヤーに仕上げをさせる」という意図の明確さにおいては今回のゴールもベストランキングに入れたいと思います。ミシャのチームの積み上げに対する自信が徐々にピッチ上の選手にも影響を与えていればこそ、あのようなプレーや逆転劇を演ずるハートも生まれて来ているのでしょう。

椛沢:それまでに全く攻めこむ形を作れない中で、あの素晴らしい形で得点を奪えたのは、日頃の練習の成果なのでしょうね。河合貴子さんも練習で狙った形が試合によく表れていると言っていました。

豊田:NHKの解説などでおなじみの山本昌邦さんにお話を聞いたことがあるのですが、ワールドユース準優勝当時の日本代表の中盤にしろ、ジュビロのNボックス(名波浩を中心とし、藤田俊哉や奥大介が形成した全盛期のジュビロ磐田の攻撃陣容)にしろ、観客の予想も超える連携というのは「一定の基盤ができたチーム」において「自然発生的に生まれて来るもの」とのこと。指導者が教える範囲を超えた分野だそうです。少なくともトップチームにおいては、レッズにあるべきプレー基盤が見えてきたと考えたいです。

椛沢:試合後は、天皇杯告知の映像をわざわざ大音量で紹介する中、声高々に「We are Diamonds」が歌われて、05の天皇杯優勝の映像が紹介されるとレッズスタンドがマリッチコールが起きるなど盛り上がりを見せていました(笑)。最後には「赤き血のイレブン」が久々にコールされました。その意味は、残り9試合、アジアそして頂点を目指そうというゴール裏からの強いメッセージです。まだ優勝するに相応しい強さは備わっていないという冷静な見方もあるかもしれませんが、目の前にあるチャンスを活かすも殺すも自分たち次第ということで、残り9試合を闘いぬいていきましょう!

豊田:ホーム浦和の同志には以後のスタジアム客席で欠席なくお会いしたいです。こんな情況のレッズ終盤戦には、きっと立ち会うに値するドラマが起こると思うので。

椛沢:そして今週末はガンバ大阪とホーム埼玉スタジアムでの対戦です。下位に沈むガンバですが、レッズを相手に必死に立ち向かってくることが予想されます。残り9試合多くのサポーターで後押しして、立ち向かってくるガンバを叩き落としましょう。

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