浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「この先を見つめて~山郷のぞみ選手」(10/26)

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

レッズレディースのGK争い。

レッズレディースの『守護女神』と言えば、GK山郷のぞみ選手だ。レッズレディースの前身であるレイナース時代からゴールマウスを守り続けて来た。10月7日なでしこリーグ第13節アルビレックス新潟戦で、アディショナルタイムに上尾野辺選手に決められて、3対4と敗戦を喫した。山郷選手にとって、本当に久しぶりの4失点であった。試合後に「4失点は、かなり自分の中でも痛い。今までは、点を取ったらガッチリと守れるスタイルだったが・・・。」と戸惑いを隠せなかった。

その翌週、第14節湯郷ベル戦からチームの流れを変えるために村松浩監督は、GKを山郷選手から池田咲紀子選手へと思い切って起用した。村松監督は「後ろからのビルドアップの判断で、勿体無い失点があった。失点はGKだけの責任ではないが、やろうとしているスタイルをより得意な力を出せる池田にして、チームの流れを変える。山郷のスタイルが必要であれば起用する。今は、違うタイプのGKでチームに勢いを付ける」と話した。上位のINACや日テレに対抗するために、3トップがワイドに開きDFラインを高くしてコンパクトにしてより攻撃的なフットボールを目指し、新しい取り組みを始めて約2カ月であった。確かに、U-20のW杯で活躍した池田選手は、守備範囲は広く、足技には定評がある。また、なでしこリーグで優勝の可能性が無い中で(第15節終了時 首位INAC勝ち点43 4位浦和勝ち点25)若手に経験を積ませるのも大切な事である。置かれた現状を山郷選手は「外されたからって、自分がダメだとは思っていないし、劣っているとも思わない」と冷静な口調で話し始めた。そして「チームの変化を起こすために、選んだ所がそこ?!悔しいって言う思いを通り越した感情がある」と正直な胸の内を明かしてくれた。

山郷選手と池田選手は、本当に違うタイプのGKである。山郷選手が、フットボールを始めたのは、高校生になってからだった。生まれ持った身体能力の高さと中学生まで遣って来たバレーボールによってボールに対する恐怖心も無く、GKとして花が開いた。シュートストップはもちろん、常に後方から的確なコーチングをし、チームメイトを鼓舞し続けて来た。出場試合数は、200試合を既に超えている。様々な修羅場を掻い潜ってきた経験は何物にも代えられない物がある。山郷選手は「自分のプレースタイル+アルファーさせていこうと思うとプレーの幅やリズムが狂う。自分らしくいたいし、ゴールマウスは自分らしく立てる所だからね」と自分のプレーに自信を持っている。自信が無い様ではゴールを守れないし、ゴールマウスに立てない事を山郷選手は知っている。だからこそ「自分らしく」なのだ。

そして、山郷選手は「外れた意味を自分で、この先、何かを追求したい」と笑ったが、その笑顔の中の瞳は、決して笑って居なかった。真っ直ぐと未来を見据えたその瞳は、このままでは譲れない物がある事を物語っていた。その瞳を見た時に、外れた意味を追求する姿を見守りたいと思った。外れた意味を追求出来れば、山郷選手自信の更なる飛躍に繋がる筈だと確信した。

山郷選手は、どんな時でもチームの根底から支える『守護女神』であり、『ミスレッズ』と言っても過言でない存在である。その力が必要な時は必ずやってくる。

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