浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「綺麗な花を咲かす1歩~浦和レッズレディース」(12/28)

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

村松監督がまいた種が来季以降に花が咲くことを祈って。

レッズレディースで5年間指揮を執っていた村松浩監督が、今シーズン限りで退任することとなった。村松監督は、今シーズンの中断期間を利用して、なでしこリーグの逆転優勝を狙うためにチームを超攻撃的にシステムを変更した。(詳細は9/8掲載コラム 新生浦和レッズレディースに注目)変更後、最初は違和感があったが、少しづつであるが手応えを感じられる終盤戦であった。無敗でリーグ優勝を飾ったINAC神戸に対しても、11月4日に行われた試合では、2―3で敗戦したが「手応えの掴めた内容であったが、勝負に対しての差を実感した内容だった」と試合後に村松監督が話すほど、女王のINAC神戸を苦しめることが出来ていたのだ。そして、誰もが皇后杯に繋がる物を見出していた。村松監督が、描いたフットボールがようやく形となるところでの退任は勿体無い気がするが、ここ数年の成績をみると致し方ないと思える。

村松監督のラストゲームとなった皇后杯準決勝の相手は、INAC神戸であった。試合前日「相手にとって不足無し!互角に闘えるイメージはある。相手のスピードある攻撃に落ち着いて対応して、ゲームコントロールして、自分達のリズムが出来る。(INACに対して)攻める事は出来ている。最後仕留められれば、勝機はある」と力強く村松監督は話してくれた。試合は、前半7分、GK池田咲紀子選手が後ろから攻撃の組み立てをしようとしている所をINAC神戸のFWゴーベル・ヤネズ選手にプレスをかけれてしまい、クリアーしたボールがヤネズ選手が伸ばした足に当たり、ゴールに吸い込まれそうになった所を、必死に池田選手はセーブするも、その、こぼれ球をヤネズ選手に拾われて、今度は冷静にゴールに流し込まれてしまった。実にもったいない形での失点であった。その後、お互いにチャンスは作るが決められず、後半のアディショナルタイムに訪れた,ビックチャンスに放ったFW安田有希選手のシュートがゴール右に逸れると、場内は赤いため息に包まれ0-1と敗戦を喫した。

試合後、池田選手は「自分の性で・・・。1点で負けてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいです。今度はゲームで同じミスが起きない様にしっかり練習します」と泣きじゃくりながらも悔しくて、情けなく、自分の責任を感じて話した。池田選手は失点を、安田選手は決定機を生かせなかった事を悔やみ、自分自身を責めた。女王の座を奪えるチャンスはあっただけに、悔しさは募る。村松監督は「あと1歩力が出ず、残念ながら敗退した。今日で4試合目(INACとの対戦)1度も勝てずに終わった。また、これからもライバルとして遣っていけたら良いと思う。5年間、レッズレディースを見て、良い未来に繋がるベースが出来た。描いていた物が、ある程度出来た。新しい監督の下で、綺麗な花が咲けば良い」と心残りはあるものの、次なる監督にバトンを渡した。

INACに勝利する事は1度も出来なかったが、チームとして良い経験が出来たと思う。敗戦から学び、それを生かして行く事が必ず出来る選手達だ。その選手達を村松監督から引き継いだのは、今季U-20日本代表コーチを務めた手塚貴子氏だ。INACがなでしこジャパンの主力を抱えている様に、レッズレディースにはU-20のキャプテンを務めた藤田のぞみ選手をはじめ多くのヤングなでしこ達がいる。選手の個性や特徴もある程度だが、熟知している筈である。レッズレディース初の女性監督となる手塚新監督は、2011年にAFC年間最優秀コーチを受賞している。

村松監督が今シーズンの途中から試みた種が、手塚新監督のもとでどんな花が咲くのか楽しみである。大輪の花なのか・・・、小さくても負けない雑草の様に強い花なのか・・・。綺麗な花を咲かすための1歩を踏み出した。

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