浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「スパイクに日本とブラジルの愛を込めて~マルシオリシャルデス選手」(2/24)

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

スパイクの刺繍に込めた想い。

生まれ故郷ブラジルのサンパウロ州北西部アンドラジーナから遠く離れた日本の「浦和」という異国の地で、昨年は、幼馴染の2人が時の流れと共に巡り会い、1シーズンだけであったが共に闘った。その喜びは、2人にとっては何物にも変えられない大切な物であった。昨シーズン、マルシオ・リシャルデス選手とポポ選手は、お互いを気遣い、ピッチの中で外でもいつも2人はいつも寄り添っていた。本当に、幼馴染の絆の深さを感じた。そのポポ選手が、今シーズンから神戸でプレーする事になり、マルシオ・リシャルデス選手は何処となく淋しげであった。

それを払拭するように、マルシオ・リシャルデス選手は「淋しいです。ポポは物凄く良い人で、自分に取ってはかけがえの無い存在です。でも、切り替えてやっていかないと・・・。プロである以上、前を向いてキャリアを積んで行く事が大事です。彼の事を応援しながら、自分も頑張る!」と話していた。

その言葉を実行するように、マルシオ・リシャルデス選手は淋しさを押し殺して、黙々とトレーニングに励んでいた。指宿キャンプのFCソウルとの練習試合で打撲をしたものの、ACL初戦となる広州恒大戦に合わせて調整を行い、ほんの少し痛みが残っているもののプレーには全く問題のない状態である。

「ACLは簡単な試合ではない。非常にアグレッシブな試合だが、ミスを恐れずにチャレンジしてチームが上に行くんだ」と力強くマルシオ・リシャルデス選手は話した。マルシオ・リシャルデス選手の瞳には、日本の代表としてアジアで闘い抜き、世界へ行くんだという強い意志のようなものを感じた。ふと足元を見ると、マルシオ・リシャルデス選手のスパイクには、正面とアウトサイドに左右対称になるようにブラジル国旗と日本国旗の刺しゅうが縫い付けられていたのだ。それは、両国への愛の証であった。

マルシオ・リシャルデス選手は「言葉では、凄く説明しにくいんだけど・・・」と前置きをして「母国ブラジルを離れて、日本で生活して7年。自分なりに努力もしてきたが、色んな人々に協力してもらい、仕事として結果が付いてきて、今の自分がある。この国の人々に支えて来てもらった。日本は僕にとっては第二の故郷なんだ。その感謝の気持ちを強くもって、アジアの舞台で見せ付けたいんだ!!日本を代表して、強い気持ちで闘う」と話し、少し照れながら「ブラジルと日本。両国への愛だよ!愛以外の言葉は見つからない」と両国の国旗を縫い付けた気持ちを教えてくれた。

生まれ故郷であるブラジルで自分を支えて来てくれた人々、そして現在過ごしている日本でお世話になっている人々、そこには勿論、ポポ選手も含まれている。国境を越えてマルシオ・リシャルデス選手に関わった全ての人々に感謝の気持ちを「愛」とマルシオ・リシャルデス選手は言葉にしたが、すべてはピッチの中の一蹴りに思いを込める。

スポーツには怪我は付き物!河合もボールを蹴りながら、様々な怪我を実体験してきました。そんな河合が、スポーツを楽しむために、身体のしくみ、怪我の予防、怪我した時の対処方法などを川久保整形外科クリニックの川久保先生に質問していきます。

Q.怪我をしないための予防方法は?

A.スポーツ外傷は、いわゆる不慮の出来事で、予防出来ない場合もありますが、スポーツ障害、いわゆる使い過ぎ症候群は早く気がつけば予防することが出来ます。プロ選手は、トレーナーがいて毎日必ず選手の身体状態をチェックしています。アマチュアの選手や部活の選手ではなかなかチェックは行われず、また選手は試合に出たいがために、怪我を隠しがちです。軽い肉離れで2週間で治る怪我が治癒に3カ月もかかってしまうという症例も経験します。選手は休む勇気も大切です。

また、指導者の怪我に対する認識が低いと予防は決して出来ません。そしてもう一つ子供の怪我では、親御さんが「大切な試合があるので、何とかして下さい」、「この試合だけは出してあげたい」と言ってクリニックに来院される患者さんが稀ならずみられます。怪我のときはスポーツを中止して、きちんと治療する勇気も大切です。スポーツ外傷・障害の予防プログラムとしてサッカーでは国際的にはFIFAが実施している「The 11+」、日本でも日本臨床スポーツ医学会のプログラムがあります。障害の発生率を軽減するためのいろいろなプログラムを利用しましょう。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
川久保整形外科クリニック
整形外科・スポーツ整形・リュウマチ科・リハビリテーション
http://www.kawakubo-clinic.jp/

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