浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「若獅子のごとく~関根貴大選手」

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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今は、勇猛果敢に若獅子のごとくピッチを駆け抜けろ!

相手DFを物ともせずサイドを果敢に攻め込む関根貴大選手の姿は、若獅子のごとく恐れを知らず勇敢でスピード感が溢れる。

新入団会見の時にガチガチに緊張して、か細い蚊の鳴くような声で「みんなさんに、スピードからのドリブルを一番見てもらいたい」と話した関根選手からは想像出来なかった。新入団会見では、新人の選手は関根選手ただ一人。大勢の報道陣に囲まれて、眩いばかりのフラッシュを浴びて戸惑いを隠せないでいた。

後日、新入団会見を振り返り関根選手は「何であの時、あんなに緊張したか分からない。デビュー戦よりも緊張しましたよ」と苦笑いして見せた顔は、幼さをのぞかせた。

プロデビュー戦となった3月19日ナビスコカップ予選B組初戦の柏戦では、1点追いかける緊迫した展開の中で86分、宇賀神友弥選手に代わってピッチに入ると、すぐにゴールに向かう姿勢を見せ、アディショナルタイムを含めてたった7分間であったが強烈なプロデビューを飾った。

試合後「自分の持ち味である縦への突破を見せられた。守備はまだまだですが・・・」と敗戦はしたが安堵の表情を浮かべた。リーグ戦とホーム埼スタデビューとなった23日、無観客試合の異様な雰囲気の中、1点のビハインドを背負って後半からピッチにたった関根選手は「やってやろうという強い気持ちがあった。良い雰囲気でチームメイトが送り出してくれて、ピッチの中でも『仕掛けろ!』と言う言葉を一番多くかけてもらった」と周りから勇気を貰ってどんどん前へと突進して行ったのだ。

そして76分、相手DFと競り合いながらも果敢に右サイドをドリブル突破して、ゴール前へと折り返し、同点ゴールとなった原口選手のゴールへの起点を作った。続く神戸戦でも途中出場ながらもピッチに立ち、デビュー戦から3試合連続出場を果たした。

そして、ついに4月2日ナビスコカップ予選B組第2節大宮戦でスターティングイレブンに名を連ねたのだ。リーグ戦のスタメンとは違うが、中3日の連戦となる日程の中で、対戦相手がダービーとなる大宮で浦和のプライドがあり、またナビスコ杯の初戦を落とした浦和にとっては、予選突破に生き残るためにも負けられない重要な試合で、デビューして僅か2週間で掴んだスタメンであった。

大宮戦の前日練習後、関根選手は「スタメンで出れたら嬉しいが、やることは変わらない。ゴールにどんどん向かって行きたい。100%の力を出してやり切りたい」と蚊の鳴くような声ではなく、希望に満ち溢れる力強い声で話してくれた。その言葉通り、大宮戦でも宇賀神選手と交代するまでの70分間、我武者羅に突き進んで行った。交代を告げられ深々と頭を下げてピッチを後にした関根選手は、ミシャ監督に優しく抱きしめられ少し恥ずかしそうに笑っていた。「元気君から、行けるところは全部行け!と言われ、元気君が1対1の状況を作りだしてくれたので積極的に行けた。元気君が合わせてくれた。みんなが支えてくれた」と関根選手は感謝の言葉を口にした。

幼稚園の時に近所の友達から誘われて、関根選手は何気なく始めたフットボールだった。レッズに入るなんて思っていなかった。遠い存在だったそうだ。そして、周りに支えられながらも遠い存在だったピッチに立った関根選手にとって「失う物は何も無い」だから恐れるものは何も無かった。

解き放たれた魂は、ただただ我武者羅に前へと勇敢に突き進む若獅子の魂を感じさせたのだ。関根選手は「中も外も出来る器用な選手になりたい。ドリブルもゴールもパスも出せる器用な選手に・・・」と未来を見つめた。今はまだ、若さにまかせた荒削りの関根選手であるが、それで良いと思う。これから、良いことも悪いことも様々な経験を積んで行くだろう。その中で、経験を糧に器用な選手へと変貌を遂げて行くだろう。だから今は、勇猛果敢に若獅子のごとくピッチを駆け抜けろ!

Q. 腸脛靱帯炎(ちょうけいじんたいえん)はどうなのでしょうか?

A. 鵞足炎(がいぞくえん)は膝の内側で起きる炎症ですが、腸脛靱帯炎は膝の外側の炎症です。腸脛靱帯炎は、膝の外側の筋肉(大腿筋膜張筋が腸脛靭帯になる部分)が骨の付け根で擦れて、摩擦で炎症を起こします。走ると外側に痛みが走ります。早期に診断して治療すれば、早く治ります。腸脛靭帯炎や鵞足炎はO脚やX脚の極端な人に起こりやすいです。運動後のストレッチ、アイシングで予防しましょう。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科クリニック 整形外科・スポーツ整形・リュウマチ科・リハビリテーション http://www.kawakubo-clinic.jp/

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