浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「異文化をリスペクトして~ミシャ監督」

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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独特の浦和フットボール文化の下で、頂点を目指す。

中山道の宿場町として栄えた浦和には、独特な文化がある。そして、その文化を土台として浦和は、文教都市となっていった。レッズのエンブレムに描かれている埼玉師範学校の鳳翔閣が物語っているように、埼玉のフットボール発祥の地であるプライドがある。今なら、浦和が醸し出している独特な文化を理解することが出来るが、20数年前にJリーグ発足と共に浦和へ通うようになった私は、なかなか浦和に馴染めなかった。浦和の独特な文化の下で、どこか他所者を受け付けない閉鎖的な物を感じがしていた。しかし、その独特な文化を理解して、打ち解けることが出来れば、とても素敵な所である。

私の住んでいる所から浦和までおよそ30キロしか離れていない。同じ日本人であり、関東圏であるのにも拘らず文化の違いを感じる。当然、浦和にやって来てまだ3年目のミシャ監督にしたら、浦和の独特な文化に驚きを隠せないでいた。

ずいぶん前の話であるが、今シーズン17節終了した段階で浦和の勝ち点が36ポイントだった時に、ミシャ監督は「2011年シーズンは、36ポイントだった。2年半後には、34節分の36ポイントを獲っている。この状況をノーマルに取られるのも浦和なのかも知れない」と話したことがあった。

確かに、J2降格の危機にさらされた浦和を2年半で立て直したことは、凄いことである。しかし、浦和の独特な文化の下では、2011年シーズンがアブノーマルだったのだ。浦和と言うところは、さいたまダービーで大宮に4対0で快勝しても、残り15分の闘い方にこだわるのである。大宮に勝ったから良いではなく、必死に食らい付いて来る大宮に残り15分間でクロスバーに助けられたりしてしまったことに憤りを感じてしまうのだ。

ときどき、ミシャ監督は「首位のチームの選手たちにリスペクトを持って欲しい」「首位に長くいるが、いつもストレスが無い状況が無い。何でかなぁ~?日本で長く仕事をしているが、何でか分からない。ノーマルじゃない。ノーマルじゃないのは、私ではないのか?」と苦笑いしながらぼやくことがある。

2006年、オシム監督が千葉時代に「浦和の敵は浦和」と名言を残したことがあった。「素晴らしい監督、選手、環境を持っている浦和に対しては、どのチームもモチベーション高く臨んで来ます。全試合がダービーのようになるのです。そういう試合では、全力を出し切らないとならないでしょう」と浦和に2対0で勝利した時に、浦和を慰めるように話したことを思い出した。

浦和は、オシム監督が言ったようにずっとそのような状況下の中で闘って来たのだ。それは、「サッカー王国埼玉」と称された浦和のフットボール文化そのものであった。だからこそ、浦和を愛する人々は、最後の笛が鳴るまで全力で闘う。全ての試合に於いて、勝利を目指す。もちろん、勝負の世界であるから、勝つこともあれば負けることもある。全力で闘って負けたのであれば、自分達に力がなかったことを悔しいが、素直に認め、相手を称賛することが出来る。だが、納得のいかない試合展開であれば、いくら勝利しても浦和のプライドが許さない。

監督として浦和を率いると言うことは、名誉あることだが、本当に大変なことだと思う。

ミシャ監督が、ぼやきたくなる気持ちも理解できる。約7年間過ごした広島とは、全くフットボール文化が違うのだ。もちろんミシャ監督が育ったセルビアとも違う。浦和にとってノーマルなことが、ミシャ監督にしたらアブノーマルなのだ。異文化にストレスを感じながらもミシャ監督は、浦和のために優勝を目指して闘っている。

そして、リーグ優勝争いで首位に立っているミシャ監督の手腕を評価して、来シーズンも浦和を指揮することが決定した。浦和にとって、4シーズンを同じ監督が務めるのは、クラブ史上初である。ひょっとしたら、ミシャ監督の中でこの異文化をリスペクトしているのかも知れない。ミシャ監督が、7年かけて広島で成し得なかった栄光を浦和の地でたった3年で、手に入れようとしている。浦和であれば出来るはずである。何故なら、「サッカー王国」だからだ。「PRIDE OF URAWA」を胸に刻み、ミシャ監督率いる浦和が、栄光に輝く時がやって来る。

Q. 読者からの質問です。「フットサルをしていて、膝がゴリゴリしている感じがするのですが、ひょっとしたらタナ障害でしょうか?タナ障害について詳しく教えて下さい」

A. タナ障害のある人は、運動している時や階段を下りている時など、膝のお皿の内側に痛みを感じたり、ゴリゴリするような感じがあったりします。また人によっては膝の引っかかり感を感じます。運動していてなんとなくお皿の周りに違和感のあるような人はタナ障害を疑います。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
川久保整形外科クリニック 整形外科・スポーツ整形・リュウマチ科・リハビリテーション http://www.kawakubo-clinic.jp/

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