【This Week】週刊フットボールトーク Vol.103(8/30)
浦和近県招待、イングランドのダービー
椛沢佑一(浦和フットボール通信編集長)× 豊田充穂 (コピーライター)
椛沢:先週は、浦和近県招待少年サッカーフェスティバルがレッズランドで開催されました。今年で36回目を迎える浦和サッカー少年団の歴史を感じる大会のひとつですね。浦和少年団選抜チームのFC浦和と東西南北の浦和選抜チーム、柏レイソルジュニア、大宮アルディージャジュニアのJ下部チームに新潟、甲府、船橋など近県の選抜チームが集まり、ハイレベルな試合を繰り広げていました。そして今大会では我々が間に入り、浦和レッズの矢作典史アカデミーセンター長からも挨拶を頂くことになりました。
豊田:矢作センター長はホーム浦和の少年団とレッズの経緯を詳細に把握していて……地元と近県の指導者が顔をそろえた場で、的確な言葉でこの大会の意義と歴史に対するクラブサイドのリスペクトを語ってくださいました。猛暑の中で精力的に少年たちの世話も焼いていた町田章司大会委員長やFC浦和の町田隆治監督からも「良い契機になったのでは」とのコメントをもらっています。微力ながら地元とレッズの橋渡しを担うメディアを目ざして来た本誌としては、ひと区切りの役割を果たせたのではないでしょうか。
椛沢:今回の機会を頂いた町田会長を始めとする、浦和サッカー少年団指導者協議会の皆様と快く提案に応じてくれた浦和レッズのクラブサイドの皆様に御礼を申し上げます。大会もFC浦和を始めとする浦和少年団選抜チームと近県のJ下部チーム、街クラブの選抜チームが集まり、大いに盛り上がり、柏レイソルジュニアが優勝しました。
そして先週の土曜日には清水エスパルスとの一戦も敵地・静岡スタジアムエコパで開催されました。夏休み最後の週末ということで東名高速道路が大渋滞しており、スタジアムの到着が遅れたサポーターも多かったのではないでしょうか。“サッカー王国”対決ということで、エスパルスには負けたくないと思うサポーターが互いに多くいる一戦です。試合は前半からレッズが主導権を握り、11分には右の平川のクロスを梅崎が決め、20分にも梅崎の突破からPKを得て阿部が決めて2点を早々に決めて楽な展開となりました。毎度のごとく後半になると押し込まれる時間が続き、防戦一方となりましたが失点を0に抑えて2-0と勝利しました。エコパでは2007年以来の勝利となり、久しぶりに「We are Diamonds」がエコパスタジアムに木霊しました。
豊田:TV観戦でしたが、梅崎と平川のパス交換だけでこじ開けた先制点の展開は個人スキルの醍醐味がありました。鹿島戦の原口のゴールも然りですが、ああいうゴールが決まり始めるということは、逆に「レッズの組織攻撃」を警戒させるミシャの戦術徹底があるのでしょう。夏場の疲労がピークに達しているいま、ベテランが要所を占めるレッズは苦しい局面も見えますが、この期待が膨らむようサポートを続けたいと思います。
椛沢:今週末は、さいたまダービーの大宮戦です。鹿島、清水と続く負けたくない相手3連戦の最後はダービーで締めくくりです。アウェイでは大宮の気迫に押されて惨敗をしているだけにホームではリベンジを絶対に果たさなければいけない試合です。さいたまダービーは同一市内のダービーということで、日本唯一の本来の“ダービー”ですから、もっとこの文化を盛り上げていきたいですね。マーク・ラッセルが欧州通信で伝えてくれたフットボールの盛り上がり方を考えてもこのような文化を大事にしていくことがフットボール文化を底上げしていく要素だと思いますから、となり町の奴らには負けたくないというダービーの雰囲気がもっと出来て行くと良いと思います。
豊田:ラッセルさんにはアンフィールド名物のコップの取材を頼んでいたのですが、そのためには“マージーサイド”の位置関係を体験して欲しいとの意向をもらいました。ロンドンやマンチェスターにも独特のダービー史を感じることができますが、先週の対マンチェスターvsリヴァプールとは一味ちがうリヴァプールvsエバートンの構図。そして“ダービー”の意味合いを語ってくれているのでご一読ください。さいたまダービーもエスパルス戦歴と同じく、価値ある1ページを書き加えてくれることを希望します。