浦和フットボール通信

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【河合貴子の試合レビュー】<ハイライト動画付>明治安田生命Jリーグ2ndステージ第14節vsガンバ大阪<高木、武藤、槙野、遠藤、宇賀神、阿部コメントあり>

G大阪に圧勝!2nd首位と年間首位を確保!!

小雨混じりの肌寒い10月1日、心は熱い日となった。何度となく煮え湯を飲まされた宿敵G大阪をホーム埼玉スタジアムに迎えた。2ndステージ、勝ち点31ポイントで首位に立つ浦和は、勝ち点27ポイント3位のG大阪の追撃を阻みたい。

累積カードで関根貴大選手が出場停止だが、槙野智章選手が怪我から復帰し、遠藤航選手も公式戦6試合ぶりにスターティングイレブンに名を連ねた。一方のG大阪は、累積カードによりセンターバック金正也選手が出場停止、今シーズンリーグ戦初先発となる西野貴治選手を起用してきた。

立ち上がりから前プレスを掛けて主導権を握ったのは、浦和であった。6分、駒井善成選手の仕掛けから柏木陽介選手のスルーパスに抜けた出した武藤雄樹選手のグランダーのクロスに高木俊幸選手が合わせて浦和が先制!

高木選手は「ゴール前の良い位置に入れている。恐いところに飛び込めるようになった。ゴール前に入っていくことでチャンスが出来る。ペナルティーエリアの中に入って行こうという意識だった」と話し「自分は、最後に触っただけだった。綺麗なボール回しに一瞬見入ってしまったけど、何となくこの感じだと来そうだなと武藤君が抜け出したときに思った。慎三君もニアでしっかり潰れてくれて、そのあとも自分のところに入って来る予測と準備が出来ていた。冷静に収めることが出来た」と嬉しそうに先制点のシーンを振り返った。

アシストした武藤選手は「狙い通り!」と満足そうに笑い「今までやって来た成果が出た。みんなのイメージが全員一致していた。練習でやって来た形が、あれだけ綺麗に決まると気持ちが良いですね」と嬉しそうであった。

33分には、駒井選手が切れのあるドリブルからゴールも狙っていった。「モリ君が良い位置でサポートしてくれていた。無理せず、武藤君に繋いだり、陽介君に繋いだりして空いた時に藤春さんとの1対1に持っていけた。身体の切れも良い感じだった」と話しながらも「自分の間合いだった。シュートは相変わらずだった。あそこ決めないと・・・。決めていたら楽な展開になったのに・・・。決め切る選手にならないといけない」と反省していた。

その後も浦和は追加点を狙い、前線からプレスを掛け攻守の切り替えも早く攻め続けた。長谷川監督は「レッズが前線からプレッシャーを掛けて、特にダブルボランチが2枚とも、柏木と阿部が来ていた。それは、想定外だった。あそこに来ると言うことは、前線が空くのだが、前線で長沢にしてもアデミウソンにしても、なかなか起点にならなかった。レッズの出足に対して、だいぶ後手に回ってしまった」と悔しそうに話した。

前半の良い流れの中で追加点が奪えなかったものの、G大阪に決定的なチャンスも作らさなかった。浦和が放ったシュートは7本に対し、G大阪が放ったシュートは1本のみであった。

ミシャ監督は「とても良いゲームが出来ている。走ること。集中力、規律を持ってプレーすること」と話し選手をピッチに送り込んだ。追いかける展開の長谷川監督は「カウンターの対応をしっかり。チャンスは必ず来る。そこを逃がさない。ボールをしっかり動かす」と話し、大森選手に代えて藤本選手を投入。遠藤選手をトップ下のポジションにして中盤のシステムをボックス型からダイヤモンド型へと変えて来た。

遠藤選手が前目のポジションから攻撃のリズムを作りかけた矢先、50分に武藤選手の強烈なシュートが西野選手のヘッドを掠めてゴールへと突き刺さった。

武藤選手は「相手の寄せも甘かった。時間もあったので、思いっ切りシュートも狙った。相手に当たって良いコースに飛んでくれたこともあるが、シュート撃ったからこそのゴールだった」と笑った。

2点を追う苦しい展開となったG大阪だが、さらに数的不利な状況へと追い込まれていった。59分に、槙野選手に倒されたアデミウソン選手が、右手パンチで報復して一発レッドカードで退場。

槙野選手は「殴られました。レフリーがちゃんと目の前で見ていたしね」と話し「彼がマリノスにいたときも、ノーマルな状態にさせないことが彼の良さを引き出させない作戦だった。ラモスさんも言っていたが、日本人に足りないのは狡賢さだ」とアデミウソン選手の冷静さを前半から奪う守備をしていた。

遠藤航選手は「相手が1人少なくなっても、やることは変わらず。後ろは失点せずに同じことをやり続けることを心掛けていた。そこから、もう1点、2点獲りに行こうとチームとして意思統一して目指してやっていた。結果的には理想的なゲーム展開となった。前の切り替えでプレッシングが嵌まっていて、チームとしても良い攻撃が出来た。ラインコントロールを意識して、槙野君も森脇君も自分の声に対してしっかり着いて上げて来てくれた。コンパクトに出来たから距離感も良くなった。中盤で奪うシーンも多かった」と話した。

数的優位な状態になった浦和は、冷静にゲームを支配しつつ攻撃を仕掛けていった。そして、83分には、駒井選手とのワンツーから抜け出した森脇選手のクロスをファーサイドで宇賀神選手が左足のインサイドキックでしっかりと合わして3点目。

宇賀神選手は「監督から2-0で終わりではなく、3点、4点獲ってしっかり叩きのめせと言われている。全員が厳しく言われていることを実行出来た」と話し「際どいところに行き過ぎたけど、狙いとしてはあそこだった。入って良かった」と安堵の表情を浮かべた。

そして「陽介が、自分のポジションを確認して、スペースを空けるように業と動き出してくれたので、あとは森脇君のボールも完璧だった。完璧過ぎて緊張した。普段、僕が褒められることがないので、点を獲ったときぐらい褒めてくれよってサポーターのところへ行きました」と振り返りながら耳に手を当てたゴールパフォーマンスでは「みんなには、悲鳴が聞こえたらしい(笑)サポーターの喜ぶ声やスタジアムが盛り上がる雰囲気を味わえた。1つでも多く、そういう瞬間を味わいたいので、そのためにはハードワークが必要だ。年間チャンピオンだけを追い求めている内容のゲームだった」と話した。

さらに浦和は、87分に駒井選手が右サイドから相手DF陣を翻弄してゴール前へとグランダーのクロスを送ると、途中出場した李忠成選手が粘り、同じく途中出場のズラタン選手へ、ズラタン選手が身体を半身にしながらゴールへと押し込み4-0とG大阪を突き放した。

最後まで容赦なく攻め続ける浦和は、アディショナルタイムに槙野選手の強烈なFKのこぼれ球を李選手がフリーで狙うも5点目を奪うことが出来なかったが、4-0とG大阪に大差で完封勝利を収めた。

そして、2ndステージ首位の座を守り追撃するG大阪を叩きのめした歓喜の「WE ARE REDS」の大合唱がスタジアムに響き渡っていた。

また、J1通算500試合を達成した阿部勇樹選手にミシャ監督から花束と祝福のキスが贈られた。阿部選手は「勝たないと意味がない。良いゲームをしていても勝ち点3が奪いきれない相手だった。チームが勝ち点3を獲れたことの方が嬉しかった。負けられない試合だった。チューは良くしてくれるんでね(笑)。一緒に闘ってくれているというのが分かるし、一緒になって喜んで高ぶった気持ちがキスだ。勝つと言うことで、まだまだホッペにチューされるんじゃないかなぁ?一杯チューされるように、結果をださないとね。ルヴァンカップもあるし、決勝が埼スタなんで埼玉のチームが出ないといけない」と嬉しそうに話しながらもルヴァンカップ決勝進出に向けて身を引き締めていた。

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