浦和フットボール通信

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<ハイライト動画付>【横浜戦試合レビュー】最終戦を勝利で飾ることは出来なかったが、年間1位を獲得!<柏木、森脇、関根、駒井コメントあり>

(Report by 河合貴子)

明治安田生命Jリーグ2ndステージ第17節 vs横浜F・マリノス

年間1位を獲得するのには、一点の曇りも無い秋空が広がり最高の舞台が整った。最終戦のチケットは早々と完売し、今シーズン最多となる5万6841人が試合の行方に固唾を飲んだ。
威風堂々の歌声と共に赤・白・黒の“デカ旗“が出現して選手たちを鼓舞し、浦和の年間1位に向けて横浜FMのキックオフで試合が始まった。

横浜FMは、ワントップに富樫啓真選手し4-3-3のシステムで挑んで来た。立ち上がりから主導権を握ったのは浦和であった。

しっかりとブロックを作りゴール前を固める守備の横浜FMに対して、攻守の切り替え早く奪われても直ぐに奪い返す攻撃を見せていった。

柏木陽介選手は「まさかあそこまで固めて来るとは思わなかった。でも、獲られた後の切り替えがみんな出来ていた。今年は、切り替えて相手コートで奪うのは、ダントツ1番で来ていると思う」と自信たっぷりに話すほどで、ワンサイドゲームのように相手陣内へと押し込んでいった。

8分には、森脇良太選手のクロスに興梠慎三選手がヘディングシュート!10分には柏木選手がDFの裏を狙いロングパスを送るも、飛び込んだ高木俊幸選手にはわずかに合わず・・・。更に、13分には駒井善成選手が華麗なドリブルでエリア内に持ち込むも横浜FMの厚いDF陣に阻まれてしまった。

ミシャ監督は「相手にプレッシャーを掛けて奪うところまではいったが、ショートカウンターの精度が良くなかった。奪ってから失うのが少し早かったし、そこの精度が前半は足りなかった。ゴール前の崩しのアイディアだったり、奪ってからの質の足りなかった前半だった。プレッシャーが掛かった試合で、緊張感が精度の低さに繋がってしまった」と選手たちのメンタル面をあげていた。

30分には、森脇選手のGKとDFの間を狙ったアーリークロスをGK榎本哲也選手が飛び出して弾いたこぼれ球を高木俊幸選手がシュートを放つもパク・ジョンス選手がしっかりとカバーしてクリアー。浦和は、セカンドボールを拾い厚い攻撃を見せるも崩し切れずにいた。

一方の横浜FMは、斉藤選手がスピードを生かしたドリブルを仕掛けるが、対峙した森脇選手がしっかりと押さえ込み齋藤選手にシュートを撃たさなかった。

森脇選手は「学に(齋藤選手)やらせたく無かった。調子が良いし、乗っていたのは知っていた。彼を止めてなんぼだった。前半から、ガツガツ行った。学が「前半からやり辛い」と言った。本音だと思う。「学が切れているから大変だよ」と僕は言い返したけど、(試合中に)何を話しているか?!てことですよね」と笑っていた。

43分には、高木選手が直接FKを狙うも榎本選手の反応も良くゴールネットを揺らすことが出来なかった。

主導権を握りながらも、決定的なチャンスも作れずに前半を0-0で折り返して勝負の行方は後半に託された。

ハーフタイムのロッカーでは、ミシャ監督から選手たちに「川崎が2-0で勝っている」状況が伝えられていた。関根貴大選手は「確実に勝たないといけない」と気合いを入れ、槙野智章選手は「落ち着いて行こう。チャンスはある」と平常心を心掛けていた。

カウンターから一発を狙う横浜FMは、後半の頭から富樫選手に代えてパワーのある伊藤翔選手を投入して前線で溜めを作るために攻撃を活性化してきた。

後半の立ち上がりから、横浜FMがしっかりとボールを繋いで攻勢を仕掛けて来た。51分には、齋藤選手がエリア内へ切れ込みシュート!しかし、ここは西川周作選手が身体を張って阻止すると徐々に流れは浦和のペースとなっていった。

だが、決定機を作れず58分には、高木選手に代えて李忠成選手を投入。すると、森脇選手から縦パスを受けた李選手のクロスをファーサイドで関根選手がカットインからシュート!こぼれをフリーで駒井選手が狙うも決めきれず決定的なチャンスを生かせなかった。

駒井選手は「いやぁ~外しちゃいましたね」と苦笑いしながら「ビックチャンスが後半に来ると分かっていた。兵藤選手のところが空き出したから、そこで決めていれば1-0だったし、あのようなところで決めないといけない」と悔しがった。

そして、浦和に待望のゴールが生まれたのは66分、柏木選手から横パスを受けた関根選手が李選手とワンツーで抜け出しシュート!榎本選手の好セーブに阻まれるも、柏木選手が素早くこぼれ球を拾ってニアーへ叩き込んだ!!

関根選手は「我慢する時間が多く、自分もなかなか良い形で崩せなかった。クロスの精度とゴールに向かうプレーをやれば良いと思った。上手く3人が連動しながら綺麗に崩せた。結果、ゴールに繋がって良かった」と安堵の表情を浮かべた。

柏木選手は「武藤が落ちていて(退き気味なポジション)自分が武藤が退いた分、前に出て行くどこかでリスクを冒さないとゴール出来ないと思った。関根とスイッチして、そこからチュン君(李選手)と関根がワンツーで、ファーストタッチが決まったので、関根がコースを狙うシュートはないと思った。(こぼれ球を)狙っていた分、出足が1歩早かった。自分の中で決めたい気持ちがあったから、あそこまで行けた」と少し照れくさそうに話しながらも嬉しそうであった。

先制点で試合展開を楽にした浦和は、70分に武藤選手に代えて青木拓矢選手を投入。一方の横浜FMは、天野純選手に代えてスピード力のあるマルティネス選手を投入。

そのマルティネス選手が、85分に伊藤選手のスルーパスに抜け出してカウンターでスピードに乗って冷静にゴールを決めた。これで、1-1。

対応した関根選手は「自分が止められなくって、入ってしまった。頭が真っ白になった」と下を向いた。「自分が獲られて、スルーパス出されてしまった」と駒井選手は責任を感じていた。西川選手は「自分たちのボールを奪われてスルーパスを出された。マルティネスのスピード、シュートの上手さで個人技でやられた」と悔しさを滲ませた。

同点にされてしまい選手たちに動揺が走るが、ベンチから川崎が負けていることを知らされると、アディショナルタイム4分を時間を使いながらゲームコントロールしていった。

そして、1-1の引き分けの試合終了の笛が鳴り、浦和が23勝5分け6敗。勝ち点74ポイントで年間1位の座に輝いた。

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