浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「影の立役者~加賀健一選手」

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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年間1位の座に輝くことが出来たのは、ピッチの中で闘う選手だけでない

日本が誇る富士山は、広大な裾野に支えられて雄大な姿を魅せ、その頂上は神々しく輝く。浦和が、富士山の頂上のようにJリーグの頂点で輝きを放てたのは多くの支えがあったからだ。

浦和が年間1位の座を獲得したその日、柏木陽介選手は「今年は、どの選手が試合に出ても安定した活躍をして、途中から出て来た選手がゴールを決めてくれた。いつも試合に出ているメンバーがどうこうと言うよりも、スタメンだったりスタメンじゃなかったりする選手や途中から入ってくる選手がいたからだ。あと、メンバーに入らなくても頑張ってくれている選手のお陰だと思っている。日々みんなが良いプレーをするから、良い練習が出来て、良い試合になって来た。メンバーに入れないベテランとか、そういう人たちの姿勢が勝ち点1位に繋がったと思う。感謝の気持ちを持って『ありがとう』」と話した。

サッカーは、ピッチに立つ11人が全てではない。スタメン入りを目指して鎬を削り、ベンチ入り7人に入るために日々努力を重ねる。選手全員が、試合出場を果たし、勝つためにトレーニングをしている。

ミシャ監督の練習は、ハーフコートでのミニゲームが中心である。試合が近づくと対戦相手を想定してのミニゲームが行われる。主力組VSサブ組のバトルが始まる。対戦相手を想定したサブ組は、主力組脅かすように躍動する。

柏木選手が話した「日々みんなが良いプレーをするから、良い練習が出来て、良い試合になって来た」の言葉通りであった。本番の試合のように激しくボールを奪い、攻守の切り替え早く走り続けて主力組の選手を苦しめる選手がいる。加賀健一選手である。

ミニゲームで加賀選手のスキルの高さを感じると、「浦和でなければ、もっと試合に出場して活躍していただろう。もったいない」とつい思ってしまう。

加賀選手は「結局2年間通して試合に出られていない。貢献したかと言えばしていない」と悔しそうな表情を浮かべた。だが、年間1位の座に輝いた浦和を「これが最強!それを証明したと思う。何が足りないかを突き詰めて行った結果が実った。自分の中で、その中の一員になれた。やってきたサッカーの質の高いものを感じる」と笑顔を見せた。

そして「ここに来て気づくことがあった。考え方がすごく変わったと思う。質の高いサッカーを監督が『世界のサッカーの主流は、こうなっている』と僕らに映像で見せたり、常に同じことを何回も言ってくれることによって影響を受けた。一番影響を受けた指導者だ。運動量だったり、常にボールに関わり、ボールが無いところでも動いてないといけない。みんなサッカーの判断も早い。ボールが出る前に、動き出すスピードや連動性は間違いなくJリーグ一番だ。そう言った中で練習をして、感覚を頭の中で覚えることによって他のチームと対戦すると自分たちが早く感じる。奪った瞬間に「切り替えろ!」と今までも言われていたが、その前の予測の準備も早い。監督が言っていることが実践できている」とミシャ監督の下でチーム全体がクオリティーの高いサッカーを身についていることを誇らしげに話した。

しかし、加賀選手は試合に出場出来ないもどかしい現実がある。

「試合に出ていない期間が長いから、何をしないといけないか・・・。ある程度年齢もいっているし、コンディションは落としたくないというのがあった。いつチャンスが来ても良いように準備をしとかないと、この世界では結果を残せない。当たり前のことを当たり前にやったという感じだ。他のチームでは、同じような状況でもっとやっている選手もいるし、今まで自分が見てきた先輩も徹底していた。普通でしょう?!」と加賀選手は平然と言っていた。

しかし、なかなかそれは出来るものでは無い。ミニゲームでの奮闘ぶりやコンディションを落とさないために身体に負荷を掛ける居残り練習。日々の大原で見せる加賀選手の姿には、頭が下がる。

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リーグ戦において加賀選手に巡って来たチャンスは、連戦が続く中での1stステージG大阪戦だけであった。加賀選手は「チャンスは少ないかも知れないが、年間通して1回まわって来たチャンスを俺は生かせなかった。運とか巡り合わせとかあるけど、結果そこで使ってもらったときに勝てなかった」と0-1で敗戦したG大阪戦を振り返りながら話し「世の中、チャンスの数は、平等だと思っていない。多い人もいれば、少ない人もいる。でも、そのチャンスを生かせるか生かせないかは、自分次第だ。結果を残していかないと次は無い世界だ。それが、自分の実力だと認めた」と話した。厳しいプロの世界であることは分かっていても、加賀選手の言葉はずっしりと胸に突き刺さった。

やっと巡って来た、たった1回のチャンスを生かせなかった加賀選手は、そこで諦めた訳では無かった。クオリティーの高い浦和の中で加賀選手は「ここで試合に出ることが全てだ。だって、今いるチームが浦和で、ここよりもレベルが高い所はない。ここで試合に出られ無いからと言って他に行っても、必ず試合に出れる保証は無い。与えられた場所で、試合に出ることだ。ここは、能力がある選手が試合に出るチームだ。その争いに勝ち獲った選手が、浦和で試合に出られる」と目を輝かせた。

そして「チームを支えているつもりはない」加賀選手はきっぱりと言った。「試合に出るためには、ピッチの中で魅せることも重要だけど、運も必要。運を勝ち取るための準備は絶対に必要だから・・・。心の中で思っていた」。そういう加賀選手の姿勢が浦和のクオリティーを上げて行ったと断言できる。

試合に出場したいから、試合に出場するために練習をする。プロ選手として当たり前のことだが、そのプロ根性を貫き通した加賀選手。その存在があったからこそ切磋琢磨して浦和は強くなった。

年間1位の座に輝くことが出来たのは、ピッチの中で闘う選手だけでない。まさしく、加賀選手のような影の立役者がいたからである。その存在を決して忘れてはならない。

Q. 通所リハビリは、介護保険者以外の方も利用出来るのでしょうか

A. 今、検討しているところです。自費になりますが、フィットネスクラブのような感覚で地域にお住まいの方が利用出来たり、2階でリハビリを行っている方がトレーニングで利用出来ることを考えています。また、お年寄りの方が少しでも歩行に自信が持てるように認知症など要支援になりそうな方々を地域で支えるためにも、予防として利用出来ることも考えています。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。http://www.kawakubo-clinic.jp/

川久保整形外科がリニューアル開院しました。平成28年5月6日(金)より新クリニックにて診療を開始しています。MRIなど最新施設を備えて、より良い環境の下での医療とサービスをご提供していきます。http://www.kawakubo-clinic.jp/

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