浦和フットボール通信

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【This Week】週刊フットボールトーク Vol.132 (3/28)

ヨルダン戦で、ワールドカップ出場を決めれず。レッズは新潟戦から6連戦へ

椛沢佑一(浦和フットボール通信編集長)× 豊田充穂 (コピーライター)

椛沢:昨日は、ワールドカップ最終予選・ヨルダン戦が敵地・ヨルダンで行われました。先に試合を行っていたオーストラリアが引き分けたために、引き分け以上で5大会連続のワールドカップが決まるという絶好機が訪れたわけですが、ホームで圧倒的な強さを見せるヨルダンに対して、1-2と敗戦を喫してしまい、6月4日にホーム埼スタで行われるオーストラリア戦まで持ち越されることになりました。

豊田:「絶対に勝つ」という意気込み。シンプルだけど、そこが出場権を賭けた瀬戸際でホーム戦を迎えたヨルダンと食い違っていた。スタンド全体に溢れる敵地のパワーがテレビ画面から伝わってきて、ここまで堅実に勝点を積み上げてきた日本がキックオフから常に受身に立つイメージのゲームでした。ただ逆にいえば、あのアウェーのビハインドの中でもテクニックと戦術を打ち出せる日本サッカーの底上げも感じました。特に長谷部の縦パスに始まって清武、香川と繋がった得点シーンは秀逸。ジーコ監督や岡田ジャパン当時に比べても、育成年代からの技術熟成は進歩を続けていると思います。

椛沢:中東アウェーは独特な雰囲気と環境、そして暑さの中での試合となるので、簡単な試合になりません。ピッチコンディションにより、パスを慎重に回すことで、若干消極的になる日本に対して、ヨルダンはパワフルなドリブル突破で、局面を打開するという、まさに“ヨルダンの形”に持っていかれてしまったと思います。

豊田:失点シーンはポゼッションサッカーを定着させつつあるレッズにとって、示唆に富んだ場面だったと思います。たとえサイドでのボールロストでも、最初のアプローチにミスが出れば一気に後手後手に追い込まれて単独突破を完遂されてしまう。9番オダイ、10番ハイルあたりのスピードとフィジカルは確かに危険でしたが、中東であのクラスの駒は珍しくないでしょう。やり口としては異質ですが、同等のカウンターのスキルは中国も韓国も持っている。アジア決戦が近づくさなか、ぜひとも教訓にして欲しいです。

椛沢:5大会連続ワールドカップ出場で、出場が当たり前の空気は、ここにきて危険な傾向だとも思います。次節は強敵のオーストラリア、アウェーのイラク戦と続くので、日本代表としては全く気が抜けない展開になってきました。次のホーム埼スタでの試合は問答無用で最重要な試合になりました。ここまで本気の空気を作ってこれかった代表のスタンドがこの大一番で、本気の後押しをすることができるのか、日本サポーターが問われる場面でもあると思います。

豊田:テレビ画面からもブルーに身を固めた日本人サポーターを多数見ることができました。でもコールは届いて来なかったな。アクションも昔のウルトラスに比べるとずいぶんと硬直している気がする。サポーティングは「サッカーの華」ではありますが、決して演出されるものではない。心から沸き立つものが発露されると思うんです。過剰な実況と12番を着たタレントに独占されるスタジオはひとまず脇に置きます。それでもワールドカップ最終予選に臨む日本の空気がこれだとしたら、ちょっと残念な気持ちはありますね。ACL転戦中のホーム浦和は、代表のサポートに向けても刺激を与える存在でありたいと改めて思いました。

椛沢:レッズは1週間のインターバルを置いて、今週末は敵地に乗り込んでのアルビレックス新潟戦になります。新潟といえば、田中達也、濱田瑞輝が所属するチームということで、彼らに活躍をさせないよう注意しなければいけません。勝負とは別の部分で、今まではOB選手は、ブーイングで迎えることがほとんどでしたが、田中達也は拍手で迎えられても良い選手だと思います。

豊田:野人・岡野には活力を与えるイメージで存分にブーイングできる自信がありますが。なるほど、達也にブーイングする心境にはちょっとなれないかも。当人は岡野選手と同じ心境で望んでいるかも知れませんけど。私たちにとっては、彼のゴールシーンを再現した埼スタのコレオがいまだに眼に焼きついたままですから。

椛沢:新潟戦に始まり、4月は、韓国アウェーも含む、過密の7試合を戦わないといけませんから、勢いをつけるためにも、新潟では勝ち点3を奪い取って、浦和に持ち帰れる試合にしましょう。

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