浦和フットボール通信

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【This Week】フットボールトーク Vol.174 (2/26)

いよいよリーグ開幕。レッズはガンバとの開幕戦で「クラブ力」を比較される

椛沢佑一(浦和フットボール通信編集長)× 豊田充穂 (コピーライター)

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椛沢:いよいよ、今週末に2014シーズンのリーグが開幕します。浦和は敵地でガンバ大阪との対戦になります。リーグ開幕に先がけてJリーグのキックオフカンファレンスに参加し、開幕の熱気を感じてきました。新チェアマンに就任した村井満チェアマンは、全クラブに対して、全力プレー、リスタートを早くする、時間稼ぎをするような交代はやめるように、という3つの約束をしたというお話をしていました。国内での注目度が下がっているという数字を受けて、Jリーグをさらに魅力的なものにしていく必要がある、との主旨です。メディアでも報道をされていますが、村井チェアマンはレッズサポーターとしてゴール裏でも応援をしていた経験のある方ですから、サポーター視点の感覚も持ちながら、リーグの活性化に務めていただければと思います。

豊田:村井さんは埼玉県川越市出身で浦和高校サッカー部のゴールキーパーとしてのプレー経験もあります。Jリーグ史上初、スポンサー関連の企業ベースからではなく、レッズ・ホームタウンのゴール裏からチェアマンへの道を歩まれたことになります。これに関して『Jの理念を実現する市民の会』事務局を率いる五十嵐弘さんからは「URAWAの誇りを感じる」とのコメントが届いています。

椛沢:本誌3月号<3月7日発行>から、この『Jの理念を実現する市民の会』の活動を紹介していきます。このような市民発信でサッカー、スポーツを通じてホームタウンのコミュニティを活性化していくのは、今後のJリーグの在り方ではないかと思います。

豊田:私たちもさまざまな期待を抱いている次第なのですが、それに対して「レッズゴール裏の動き」自体はどうなのでしょう。編集長にはそこをお聞きしたい(笑)。ネット情報の交換に鮮度がありクラブ自体も上り坂のボルテージがあった頃とは比較しにくいでしょうが、2000年代に比べると「今年の開幕戦は客席で何が起こるのだろう」「自分は○○の部分からサポートに参加しよう」という期待値が、なかなか地元にまで燃え広がらない状況と見えるのですが……。

椛沢:ゴール裏の現場にいて、スタンドで簡潔してしまっているサポーターが多いかなという印象は受けますね。スタジアムに来て、その試合を応援して、そこで活動は終了をしてしまっている。その前後でのサポートの活動なのか、クラブをサポートする活動なのかということまでの濃さを持っているサポーターは減っているのかもしれません。連敗により尻つぼみで終わってしまった、昨シーズンを受けて、開幕からサポーターから何かを仕掛けていくというよりは、チームからピッチ上でのパフォーマンスを見せて、今年はやるんだという期待感を伝える必要があるのかなと思っています。さて、クラブサイドも開幕に向けて『Talk on Together』を南浦和の文化センターにて開催。淵田新代表、山道強化本部長、ミシャ監督がそれぞれサポーターの質問などに対して応えていました。チームビジョンについては、クラブが主導しているというよりも、ミシャの意向が強いのかなという印象をこの会の受け答えを見ていても感じるところはありました。

豊田:レッズにとっては初年度敗退の因縁も思い起こさせる「開幕戦・敵地のガンバ」です。相手はDFに新加入の米倉恒貴選手を先発させる可能性がある。J2でガンバと競い合ったジェフからの移籍。レッズの焦点であるサイドでの対決は見ものと思います。欧州から帰ってJ1復帰に貢献した宇佐美君は怪我で離脱ですが、かわりにジュニアユース時代までをガンバで過ごしたGK東口順昭選手が帰還し、ユースからの若手も複数が昇格を果たしています。

椛沢:レッズも代表GKの西川、大宮からボランチの青木、サウサンプトンから李忠成を獲得しました。背骨となるセンターラインの新戦力が活躍すれば、チームのベースアップが期待できるでしょう。またユースからトップ昇格した関根貴大選手も積極的に自分のストロングポイントであるスピードある突破力をキャンプでも披露をしていたようです。そしてその背景には、新潟からレンタルで帰ってきた、ユースの先輩でもある濱田水輝選手の存在があるようです。浦和から外に出たことで様々なことを感じて帰ってきて、浦和の選手としてプレーすることの責任感を感じているようです。入団会見でも明らかに彼の表情は変わっており、覚悟をして戻ってきたという様子でした。

豊田:さらに海外からの補強に関しては、ガンバ大阪のクラブビジョンをしっかり見極めたい部分もありますね。相手強化部は自らの肝いりで大型DFのエブソン、攻撃を取り仕切るFWリンスという二人のブラジル人を獲得し、すでに先発レベルにまで仕上げてきているそうです。関西在住のライター氏の言葉を借りれば、「パウリスタやクリシューマという地場カラーの強いクラブからの補強は、良し悪しは別にして昨今のレッズとは対極にあるピックアップ」とのこと。このプロセスへの賛否はさまざまにあると思いますが、負けられない勝負であることに変わりはありません。

椛沢:淵田代表とは、キックオフカンファレンスでお話をさせて頂きました。非常に気さくな印象を受けました。タウンミーティングについても、そのような場所は好きなので、ぜひ呼んでくださいというお返事を頂きました。三菱自動車でも人事などを経験してきており、社内の活性化についての経営哲学などはしっかりお持ちのようでしたので、まずはそのような人柄からご紹介する会に出来ればと思います。

豊田:そうとなれば総務セクションを経験された末に就任し、代表としての人事にも独自の手腕を発揮された塚本高志・元代表の功績なども思い起こされます。編集長以下、本誌もそのリーディングを細やかに追う使命を追うことになると思います。

椛沢:またタウンミーティングで橋本前代表が約束をしていた、クラブの2013シーズンの総括と2014シーズンに向けた方針についてもオフィシャルサイトにて発表がありました。「2014シーズンに向けて」(浦和レッズ公式)

2013シーズンは不満足なシーズンではありながらも、継続した3年目として攻撃的なサッカーを高めながら、守備意識を高めていくというトップチームの方針が伝えられていました。クラブ運営についても淵田新代表となっても現在路線の踏襲、継続を掲げて進んでいくという内容となっていました。

豊田:J2から復帰したばかりのガンバ大阪と、「クラブ力」を比較する開幕戦になると思います。現地参戦組もテレビ観戦組も、今季もさまざまな面からのサポートでレッズをバックアップして行きましょう。

椛沢:レッズとしては開幕からの試合が非常に大事になってくると思います。ミシャ3年目となるチームが今季への姿勢を見せてくれる試合を期待します。既にチケットは完売状態とのことで、最高の雰囲気での開幕が期待されます。我々サポーターもその力を最大限引き出すサポートをしていきましょう。

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