河合貴子のレッズ魂ここにあり!「輝くための明日を見つめて」
J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。
ホーム開幕戦に悔しい敗戦
ポカポカと春の訪れを感じさせる日中とは裏腹に、日が傾き始めると刻々と気温が下がりすっかり暗闇に包まれた埼玉スタジアムには、遠き春を痛感させられることとなった。
アウェイで行なわれた今シーズンの開幕G大阪戦に1-0と勝利を収め、ホーム開幕となる鳥栖戦に期待がかかったが、0-1と敗戦。そう簡単には、浦和に春は来なかった。
鳥栖のキーマンである豊田陽平選手に対して試合前から誰もが警戒をしていたが、前半9分ボールの失い方が悪く、左サイドバックの安田理大選手のクロスをあっさりと豊田選手に頭で合わされてしまった。鳥栖は、しっかりと統率がとれたディフェンスでゴール前を固めて、この虎の子の1点を守り逃げ切ったのだ。
試合を通して鳥栖が放ったシュートはたったの3本に対し、浦和は17本。いかに浦和がボールを保持して攻め続けていたのかが分かる。槙野智章選手のループシュートがクロスバーに直撃するなど、惜しいシーンはあった。しかし、鳥栖ゴールを脅かしながらも堅い鳥栖の守備を切り崩すことは出来ずホーム開幕を白星で飾れずに終わった。
試合後、濱田水輝選手は「シュート3本でこの内容で負けてしまったのは残念。周作君からボールが来た時にちょっと厳しいなぁと思ったんですが、相手が来ているのは感じていたんで上手くトラップで相手と入れ代われればと思った。そこで失ったのもそうだけど、その後に森脇君との連携が悪く相手に簡単にセンタリングを上げさせてしまった。他には崩されたシーンは無かった。あれだけしか無かったのに、あれだけでやられてしまった。立ち上がりだったからこそ簡単に蹴り出す判断も出来たと思う。本当に結果が欲しかったんで凄く悔しい。もっと出来る自信は有ります!」と悔しさを噛みしめながらも前を見つめて話した。
宇賀神友弥選手は「悪い形でボールを取られて、そのリアクションに対して少しバタついてしまった。もっと耐えられるようにならないといけない。決定的なチャンスは何度か有りましたけど、決め切れなかった。同点に追い付いていたら、試合の流れは変わったと思う。個人で言えば、ラストパスをもう決めるだけというようなボールを上げられるようにならないといけない。ラストの精度次第だと思うので、拘って行きたいし、点が取れれば守備はもっと良くなると思う。槙野のミドルシュートだったり、こぼれが僕の所に来たんですけど、思いっきり撃つたりして打開していかないといけない。勝てなかったのは良く無かったけど、収穫はあった。それを次に繋いで行ければ良い。数字で結果を出せるように頑張る」と次に繋がるものを自覚した。
攻め続けてもゴールネットを揺さぶることが出来ない展開に、ゴール裏から試合の流れを変える待望の関口訓充選手のコールが巻き起こり、赤い期待に応えるためにピッチに送り込まれた関口選手だったが、「シュート撃てるシーンもあったので、止めた後に躊躇しないで振り抜けば相手に触られずに撃てたと思うので、反省して次のゲームで頑張る。人がペナの中にうじゃうじゃいたので、相手を広げた状態でプレーをさせたらもっと違った展開になった。(サポーターからのコールに)最初はびっくりしたと言うのが正直な感想。期待されるのは嬉しい。その期待に応えられる様に、一日の練習を大事にしっかりやっていきたい」と期待に応えられなかった不甲斐なさを練習にぶつける構えをみせた。
たった1つの相手のチャンスでゴールを決められて敗戦を喫した自分達の不甲斐なさは、心身共に闘った者達だけが胸に刻んだのだ。だから、次にピッチで輝くために明日があるのだと思えた。
『冬来たりなば、春遠からじ』とつぶやいて冷え込んで来た埼玉スタジアムをあとにした。
Q.前十字靱帯が損傷の場合は手術が必要なのでしょうか?
A.前十字靱帯は、切れたら固定ギブスなどで固定してもほとんどは治りません。したがって前十字靭帯損傷は手術が必要となります。前十字靭帯は治る能力が非常に乏しく靱帯を縫合しても癒合しても以前の靭帯のように強い靭帯に戻ることがなく、通常靭帯の移植手術が行われます。
半月板同様に内視鏡で手術を行います。移植法にはいろんな方法がありますが、基本的には自分のハムストリングの腱を1~2本取って移植します。取ったハムストリングの腱はまた再生されます。手術と同様に術後のリハビリも非常に重要になってきます。適切なリハビリを行うと8か月ほどでスポーツに復帰できます(もっと早く復帰できることもあります)。
前十字靱帯損傷は、スポーツ選手にとって致命傷となる損傷ですので必ず専門医に診てもらいましょう。
川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
川久保整形外科クリニック 整形外科・スポーツ整形・リュウマチ科・リハビリテーション http://www.kawakubo-clinic.jp/