浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「成長の証をピッチで~濱田水輝選手」

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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「ここでやらねば、いつやるのだ!」という強い気持ちを持ちで、浦和に帰って来た意味を示す

プロフットボーラーは、様々な事情によりチームを離れレンタル移籍をすることがある。そのほとんどが、ポジション争いの壁が厚く、その壁をなかなか打破出来ずに、試合の出場機会を求めてレンタル移籍するケースである。

もちろん、そこには需要と供給の問題もあり、金銭面や選手層など各クラブの台所事情も影響してくる。レンタル移籍する時に「レンタルだからと言って、戻る場所があるとは思わない。戻る場所があると思うと、そこには甘えが生じる。完全移籍のつもりで、チームに貢献出来るように頑張る」と話す選手と「レンタル移籍先で活躍して、成長して必ずクラブに戻って来られる様に頑張る」と話す選手に分かれる。

それぞれの思いはあるが、いずれにしても「試合に出場する」という強い意志が感じられる。昨年、新潟へレンタル移籍していた濱田水輝選手は、後者であった。

浦和ユース出身の濱田選手にとって「必ず浦和に帰って来るんだ!」と言う浦和に対する思いは強かった。

濱田選手は、新潟でリーグ戦6試合、ナビスコ杯6試合、天皇杯1試合と計13試合出場をした。レンタル移籍前の20試合出場と比べて出場数は減少したものの、出場時間は約157時間増えていた。濱田選手が思い描いていた出場数や納得いく試合結果では無かったが、1年のレンタル移籍を終えて浦和に復帰して来たのだ。

濱田選手は「向こうで頑張って結果を残して、浦和に帰って来ると思っていた。新潟で結果を残していないが、行って良かったと思う。自分には、環境の変化が必要だった。トレーニングの量も違ったし、新潟はマンツーマンの守備で、攻撃も相手DFの裏に放り込むやり方だった。昨年、浦和の守備は緩いと言うイメージがあった。ボールサイドに寄る守備をしているので、人だけを見るのは難しい。クロスが上がると分かった時に、最終的にシュートを撃つのは人なので、人についていればやられない」と浦和とは全く違う環境に身を置くことで、色々なことを学び、また外から浦和を客観的に見ることも出来た。

新潟で結果という形は残してないが、マンツーマンの守備練習により本来の持ち味である1対1の強さに磨きがかかり、フィジカル面も強くなった。だからこそ浦和に帰って来られたのだと思えた。

今シーズンは、開幕ベンチ入りは逃したが、ナビスコカップ大宮戦から中3日で迎えた仙台戦以外リーグ戦はベンチ入りを果たしている。それは、ミシャ監督も濱田選手の成長を認めているからではないだろうか。

4月16日のナビスコカップ徳島戦では、試合終了間際に濱田選手のヘディングシュートが決まり、チームは勝利。濱田選手は「絶対に勝ってやろう!と強い気持ちで最後まで闘った。それが結果に繋がって良かった」と笑った。

濱田選手にとってプロ初ゴールは新潟であったが、浦和での初ゴールが、値千金のゴールとなった。そして、ナビスコカップの徳島戦で試合後の濱田選手は、輝いて見えたが、中2日で行なわれたリーグ川崎戦では、その姿は頼もしさに変わっていた。前半、終了間際に槙野智章選手がヒールパスを出した後の動きを、濱田選手は見逃していなかった。槙野選手の動きがおかしいと感じた濱田選手は、前半終了してロッカーに引き上げる槙野選手に声を掛けて状態を確認したのであった。ベンチ入りのメンバーを考えると、ボランチの阿部勇樹選手を槙野選手のポジションに下げる選択肢も考えられる中、濱田選手は監督に言われる前に準備を始めていたのだ。

そして、ミシャ監督は後半から濱田選手を起用したのだ。前半とは全く試合展開が変わり、後半は川崎にボールを保持されて耐える展開となったが、何とか無失点で勝利を収めることが出来た。試合後、濱田選手は「一昨年だったら、阿部さんをバックラインに落として、対応していたと思うが、ファーストチョイスに自分が選ばれたことが嬉しい」と笑みを浮かべ「もう少しDFラインを上げられるシーンはあった。危ないシーンはあったが、隣の那須さんがマークとスライドの声を掛けてくれて、縦の宇賀君も声で助けてくれた。メンバーに入って試合に出られて充実している。選手である以上スタメンで出たい」と周りに助けられながらも無失点で押さえられたことに自信が溢れ、スタメン出場に意欲を燃やした。

負傷交代した槙野選手は右太腿裏軽い肉離れで、4月26日に行なわれる柏戦は欠場の可能性が高い。状況を見て早ければ、来週あたりチーム合流出来るようにリハビリ中である。

濱田選手は「チャンスだと思っている。結果が必要。勝って、濱田でも行けると思わせたい。マキさんとは、持ち味が違うことを宇賀君も周りも分かっている。自分が攻撃参加をしない分、スペースもあげられるし、ロングの縦パスも入れられる」と話した。

槙野選手の怪我の状況もあるが、柏戦から過酷な5連戦が始まる。レンタル移籍の1年間が決して無駄ではなかったと自分自身の成長した証を、濱田選手はピッチで魅せる。そして、「ここでやらねば、いつやるのだ!」という強い気持ちで、浦和に帰って来た意味を示す。

Q.オスグット病はどうして子供に起きるのでしょうか?

A.大腿四頭筋が硬くなると起きます。10歳から12歳ぐらいは、二次成長の時期に当たります。この時期、骨がどんどん伸びますが、筋肉が骨の伸びに追いつかなくなります。そうすると、筋肉が硬くなります。筋肉が硬くなったまま運動を続けると、更に筋肉が硬くなります。筋肉が硬くなると最後に負担が掛かるのは、筋肉の付け根です。柔らかいゴムを木に付着させて引っ張ると、木は動かずにゴムは伸びます。しかし、固いゴムを木に付着させて引っ張ると、ゴムは伸びずに木が動きます。木が骨で、ゴムが筋肉と考えると分かりやすいと思います。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科クリニック 整形外科・スポーツ整形・リュウマチ科・リハビリテーション http://www.kawakubo-clinic.jp/

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