河合貴子のレッズ魂ここにあり!「4年後を見据えて~原口元気選手」
J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。
「日本一のフットボールプレーヤー」を目指し、W杯を夢の舞台で終わらせない。
フットボールプレーヤーであれば、誰しもW杯出場を夢見る。母国の代表としてプライドと期待を背負い、憧れの舞台で勝利を目指すことを許されるのは、たったの23人。そして、緊急事態に備えた呼び登録メンバーは、7人だ。
その中で日本は、トレーニングパートナーとして将来性を重視して2人の高校生が帯同することになった。代表メンバーを選ぶ側も選ばれる側も様々な思いが交錯する。
ブラジルW杯日本代表メンバーの中にも、呼び登録メンバーの中にも原口元気選手の名前は無かった。
代表メンバーが発表になる1カ月前、代表候補合宿が4月7日から9日まで千葉県内で行なわれた。代表候補合宿に呼ばれた原口選手は「代表へのラストチャンス。あの中から何人選ばれるのだろう?良くて3人?!その3人に入らないと・・・。まるでオーディションだね」と苦笑いしながら、「合宿でやる、やらないよりもJでのパフォーマンスだよ。合宿も大切だけど、チームでどれだけ高いパフォーマンスが出来るかだ。チームのために良いパフォーマンスして、それが結果に繋がって行くと思う。最後の1枠、2枠は勢いのある選手が選ばれる。調子の良さをアピール出来るかだと思う。1カ月後の発表よりも1試合々だ」と身を引き締めて話していた。
そして、候補合宿後は「向こうは向こう(代表は代表)こっちはこっち(浦和は浦和)遣っているサッカーが違う。だが、こっちで結果を残さないとあっちが無くなる」と話していた。
原口選手は、候補合宿を終えて4月12日に行なわれた名古屋戦からメンバー発表前の5月10日の大宮戦までの間、チームの勝利はもちろんであるが、勝利に貢献するための結果としてゴールに拘っていた。過密日程のためにコンディション調整で欠場したナビスコカップの徳島戦を除き、7試合で2ゴールであった。チームはリーグ戦5勝1敗1分けと好成績であったが、原口選手が思い描いていたゴール数では無かった。
2対0で快勝した大宮戦後、ゴールを決めるチャンスを生かしきれなかった原口選手は「得点は獲りたかった。結果はでなかったけど、得点を獲るためにやることはやった。悔いは無いけど、(ブラジルW杯日本代表を)もう少し意識しないで出来たらよかった。メンタル的に意識したところがあった」と悔しさを滲ませながらも「でも、最後まで走りきれたし、選ばれなかったら自分の実力が足りないだけ。嘉人さん(大久保選手)が選ばれなかったら、同じポジポジションとしてどうしたら良いかわからない。代表は難しい。得点だけが全てではないと思うが・・・。全て自分の持っている力を出し切ったか分からないが、まぁ・・・出し切って無いけど、やり切った感はある。チームの結果も良かったし、その中の一つの役割は出来た充実感がある」と清々しい表情に変わって行った。
今シーズンの原口選手を見ていると、ゴールを狙うのはもちろんであるが、献身的に前線から嵌めこむ守備をしたり、スペースを空ける動きやチームが勝利するためにドリブルで仕掛けるのか、パスを選択するのか瞬時の判断力も上がって来た。だが、ほんの僅かなところでブラジルには手が届かなかったのだ。代表メンバーの発表の翌日、フィジカルトレーニングの1つ1つを丁寧にこなして真剣に取り組んでいる原口選手の姿があった。だが、報道陣を前にすると気持ちの整理が出来ていないのか「今日は・・・」と言葉少なげにロッカールームへと引き上げて行った。原口選手の胸中を思うと、答えたくない気持も理解出来た。
そして一夜明け原口選手は「(気持ちの)切り替えと言うか・・・。なんて言うんだろう・・・。まぁ~、もう言葉で話すことでも無い」と胸中を絞り出すかのように話し始めた。「自分のためにもレッズのためにも成長して行かないといけない。それを口で言うよりも、練習や試合でやって来たつもりだし、後悔は無いし、これからもそれを続けて行くだけ。それが、必ず4年後とか、次の試合とかその先に繋がって来る。その先に4年後がある。今まで通りにやって来たことを止めない。ここで止めてしまう選手は代表にはいけない。そもそも、代表に行ったとしてもこの成長を止めたいとは思わないし、もっと伸びて行かないといけないと思っていたからね。選ばれる、選ばれないにしても、もっと上手くなりたい。もっと良い選手になりたい。ピッチであったり、毎日の練習であったり、試合だけ頑張っている訳じゃない。毎日考えながらやって来た。それで、結果がでなかったのは悔しいけど、まだまだ足りない。それを毎日自分に言い聞かせて頑張って行く」と全ての面において、自分が成長することが未来へと繋がっていることを確信していた。
「大久保選手が選ばれたね」と話しかけると原口選手は少し嬉しそうに「うん。選ばれるべきだと思う。今、一番得点の匂いがする選手だと思う。そういう選手が入るのは、良いことだ」と話し、「どれだけ良い選手になれるか?その1歩としてセレッソ戦。チームにどれだけ貢献出来るか見せていきたい。1試合1試合を積み重ねて、その先には良いものが待っている。日本一の選手になりたい!」と目を輝かせた。
日々の積み重ねがロシアへの道に繋がる。「日本一のフットボールプレーヤー」を目指し、W杯を夢の舞台で終わらせない。原口選手は、どんな時でも全力でピッチを走り、ゴールを追い求めて行く。チャンスを自分で掴み獲るために・・・。
Q.オスグット病を予防するにはどうすれば良いでしょうか?
A.うつ伏せになり、踵がお尻に着くかどうか検査すると分かりやすいです。大腿四頭筋が硬いとお尻に踵が着かなくなります。踵がお尻に着かない子供は、オスグット病になりやすいです。毎日ストレッチをしっかり行ない、痛みがある時は負荷を掛けずにアイシングをします。子供をオスグット病にならない様に、スポーツの指導者が気を付けてあげる事が大切です。
川久保整形外科クリニック 第4回 スポーツ医科学講習会「知っておきたい!スポーツ外傷・障害の予防と処置・対応」を開催のお知らせ
川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
川久保整形外科クリニック 整形外科・スポーツ整形・リュウマチ科・リハビリテーション
http://www.kawakubo-clinic.jp/