浦和フットボール通信

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椛沢佑一(浦和フットボール通信編集長)×島崎英純(浦和レッズマガジン編集長) 居酒屋レッズトーク対談第6回『関根が原口の後継者となる』(2014/6/24)

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本誌編集長、椛沢佑一と、レッズマガジン編集長の島崎英純さんがホームタウンの呑み屋で、呑みながらざっくばらんにレッズの話を転記する「居酒屋レッズトーク対談」第7回は、ドイツに移籍した原口元気の後継者となる存在について。

原口の後継者は関根

椛沢:これから、原口元気を引き継げる選手は誰でしょうね。

島崎:関根じゃないかな。元気自身も関根に最初から目をかけていて、「あいつが後を引き継いでくれる」と言っているから。関根も浦和のサポーターをワクワクさせる選手ですからね。

椛沢:ボールを持った瞬間に、盛り上がる選手は、久しぶりですよね。

島崎:それは、元気から繋がったんじゃないですかね。直輝も素晴らしい選手だけども、プレースタイルが、少し違うんでしょうね。関根は、最初からそうでしたよ。最初のワンプレーは、君らがいなかった、無観客試合の清水戦でしたけども、テレビでみんな見ていて分かったんでしょうね。次の試合でもワンアクションで相手を二人くらい交わしたんですよね。あれでみんなの心に火がついたんじゃないですかね。あのような選手は久しくいなかったですからね。

椛沢:だから、ボールを持った瞬間に仕掛けろ!という声がかかる。

島崎:それを実際にやってしまって抜いちゃう。セレッソ戦にいたっては、ダブルタッチから左足のゴールでしたからね。あれはすごかったですね。

椛沢:しかも、あの大観衆の中でやってのけるのは、もっているんですかね。しかもあのようなシュートは初めて打ったと行っていましたからね。

島崎:練習ではあのようなシュートは打ってなかったかもしれないですね。ダブルタッチは良くやっていて、あの応用だと言っていましたね。相手に二人に囲まれた時に、判断よく陽介に渡して、相手に無謀に突っ込まない所も、頭が良いなと思いますね。

椛沢:ボールを持った瞬間、仕掛ける!というのが分かる選手は久しぶりな気がします。

島崎:昔から色々いましたけど、福田正博もそうですし、田中達也、岡野、大柴、永井雄一郎もそうでしたけども、ボールを持った瞬間にサポーターが沸くというのは、なかなかないんですが、それが出来る選手は、元気や関根です。それがユース上がりの選手という初めてのケースですからね。

椛沢;島崎さんは合宿の段階から関根は来るよと言っていて、正直、本当かと思っていたサポーターも多いと思います。

島崎:清尾さんはユースから見ているので、僕よりもずっと長く見ていますから、すごく期待をしていたんですけど、私も普通に見ていても分かりますからね。

椛沢:矢島とも何か違うものを感じるのでしょうか

島崎:光るものが違うんですよね。ボールタッチとか、反転とか、ゴールに向かう力とかは、見た瞬間に分かるんですよね。矢島君はうまいし、テクニックからしたら矢島君の方が上なんだけども、何かが違うんですよね。昔から見ていて、鈴木啓太、細貝、田中達也、坪井はみんな光るものを感じました。それが関根にもあったということですね。彼は自己主張をしないけども、プレーでは自己主張ができますからね。すぐに試合に出ると思った

椛沢:取材者の勘ですね。

島崎:取材者冥利につきますね。書いておいて良かったと思います(笑)

椛沢:多くの人が、みんな半信半疑ではあったと思いますからね。

島崎:皆もぼくと同じで、プレーを見たらピンっときたんだと思います。関根がすごいのは、サイドアタッカーが本職ではなくてトップ下なんですよね。合宿ではトップ下でのプレーをしていて、その時は、ほとんどボールを持たないで、ワンタッチで叩たいたりしていて、あるシーンで、相手を背負いながら、胸にトラップをしたんですけども、ただトラップをするのではなくて、トラップした瞬間に、右に反転をして、そのままの勢いで左足でシュートを打ってゴールを決めていて、一緒に取材をしていた水内猛さんもそれには唸っていましたね。ドリブルも好きなんだけども、あのポジションだからやっているんですね。

椛沢:彼は小学生時代からも怪物と言われていたみたいですね。

島崎:本人はそんな思いもなくて、俺の世代はユースはみんなダメで、落ちてしまってし、広瀬と二人で頑張ったけども、本来的には引っかかるか分からなかったと。大槻監督も上げるかどうかを悩んだみたいですけど、3年の夏から急に伸びたようです。急に何か目覚めたんでしょうね。

椛沢:彼みたいな選手が活躍をしてくれると、ユース出身でもトップで活躍できるという可能性を感じさせてくれます。

島崎:もう一方で才能ある選手をしっかりと評価できるのかというスカウティング、育成者の目も問われますね。今回、関根もギリギリ上げたわけですから、上げなければ普通に大学に行っていて埋もれた可能性もある。たまたま上げたわけですから、ヒヤヒヤですね。
そうは言っても18歳の若者ですから、あまり期待をかけてもいけない。これから相手の研究にも合うだろうし、元気もそうだったように、壁に絶対に当たるでしょうから、そこでみんな暖かい目を持って、本来的に力をもっているということを信じて応援をしてもらいたいですね。期待をして良い逸材だと思います。

椛沢:レッズの新人としても久しぶりですね。キャラクターとしては、どんな選手なんでしょうか。

島崎:レッズマガジンの「ぼくの履歴書」というコンテンツがあって、合宿でキラっときたので、彼にクローズアップをして長く話をすることが出来て、気心を知れたんですけど、思ったよりもズバズバと物事をいうタイプの人間だということが分かりました(笑)。

椛沢:これからが非常に楽しみな選手が登場してくれました。

島崎:元気がいなくなって寂しいけども、新たなスターが現れる瞬間に立ち会えると思えればいいんじゃないですかね。

椛沢:元気もユースからそのような選手が必ず出てくると言っていましたからね。

島崎:近年は、達也がいなくなったり、元気がいなくなったり寂しいことばかりだったけども、関根が出てきて寂しさを解消してくれそうな選手が出てきた。過去を振返るばかりではなくて、必ず新しい選手がレッズを支えてくれるということを、関根を見ていると希望が持てます。

椛沢:サッカーはそういうものですからね。ずっと同じ選手がイレブンを組むことはないですからね。選手が移り変わる中で、愛するクラブを応援していかなければなりません。

島崎:皆も死ぬまでレッズサポーターだったら、選手は移り変わるのは必然なわけで、感傷的なことばかりではなくて、新しい選手がきて、その期待感に胸をときめかせるという経験をこの20年間でしてきているわけでしょうからね。

椛沢:理想は海外に行った選手が、最後浦和に帰ってきて、その経験を還元してくれるような流れがあると嬉しいですね。

島崎:その意味では、伸二がそのような還元をしてくれましたよね。元気に関してはみんな寂しい思いをしているけれども、そういう楽しみもありますから、快く送り出して、ゆくゆくは浦和に帰ってきてくれると嬉しいですね。ぼくも好きな選手でしたから、感傷的な思いはありますよ。あのキャラクターはなかなかないですよね。後輩ぶん殴ったりしたのは、なかなかないですよ(笑)監督に文句を言うのも今に始まった話ではないですからね。

椛沢:あのようなタイプの選手が海外ではどうなるのかという楽しみはあります。海外では個性的なキャラクターが、当たり前な部分もあるでしょうし。

島崎:当たり前だけど、それを表に出さないというのも海外の選手はありますけどね。それを実力で証明するということもありますから、元気にそれだけの覚悟があるのか、これから見て、面白いんじゃないですかね。

椛沢:個人的にも、広島でのあのゴールで、ありがとう、という気持ちが強いです。

島崎:かばちゃんにとっては、それだけ思い出のゴールなんだ。あの時はサポーターの方々も打ちひしがれていた頃でしたかね。

椛沢:その中でのゴールで、彼もそれを感じてアウェイのゴール裏スタンドに向かって走ってきてくれたんじゃないかなと思います。あの時は、森脇も一緒に喜んで退場になってしましたけど(笑)

島崎:あのようにちゃんと喜んでくれる選手は素晴らしいよね。あのようなネガティブなことがあってもチームのために一生懸命やってくれるのは、愛すべき選手になってきたと思いますね。

頂点を目指すために必要なこと

椛沢:さあ、中断後は、頂点を狙う可能性は高くなってきていますでしょうか。

島崎:あれだけハードワークを求められるサッカーですから、夏場の疲労に気をつけて欲しいですね。ミシャさんも今季明らかに違うのは、24人を戦力として考えて、メンバーを固定をしていないので、去年の戦いを反省していると思いますね。優勝するための準備は整っている感じがしますね。

椛沢:サッカーの成熟度、戦力の充実と、3年間をやってきた積み上げが確実に成果として表れていると思います。

島崎:ミシャさんとしても広島から、足掛け9年以上タイトルを獲っていないから、自分のサッカーを曲げてでも結果を追い求めるという決意を感じるので、非常に期待をして良いと思うし、気持ちが悪いくらい順調なんじゃないですかね。3月の問題が起きてから、立ち直れないくらいのことがあったけれども、信じられない好調さを維持しています。

椛沢:チームにとっては良かったのかなと思っちゃいますよね。失点をする気が起きないですからね。

島崎:実際にサポートの統率はなんとなくまとまってきた気はしますけど、どうですか?あのサポートスタイルが様になってきて、迫力もそんなに落ちていない気がするし、むしろ太鼓がないけども声でまとまるのはかっこいい感じもする。最初は声がずれていても、徐々にまとまっていくのは気持ち良い感じがします。
セレッソ戦の最後の『WE ARE REDS!』コールは、すごい雰囲気で、あれがレッズの求める所じゃないですかね。普段、ゴール裏のサポーターが一生懸命応援することも大事なんですけど、何かの瞬間にスタジアムが一体となって、窮地を乗り切るんだという気持ちになると声が揃うんですよね。それが本来的に求めている所なんでしょうね。それはピッチとのシンクロも起きないといけないですからね。そういう意味では、起きていますからね。

椛沢:人間ってすごいなと思うのは適応能力があるんですよね。
島崎:なんとかやっている感じですね。

椛沢:試合をしっかり見てサポートをするという当たり前のことが出来るようになったりはしているのかもしれないです。今後、より良いものを作るということでは、良いきっけかになるのではないでしょうか。太鼓については、将来的には使うと思うんですけども、今回の経験を得て、叩き続けないというやり方とかもあるのかもしれないですね。

島崎:レッズサポーターは色々なことがありましたけども、今行っているサポートスタイルは、変わらずチームを支えているんですから、尊敬をしています。何のためにサポートをしているのかと言ったら、それがしっかりと分かれば良いと思います。

椛沢:原口も言っていましたけども、厳しくも暖かくレッズを応援してもらいたいと。その厳しさが変な方向に行ってしまってはいけないですね。

島崎:叱咤激励を良い意味でのサポートに繋げて欲しいですね。色々な教訓を得て、浦和レッズサポーターが成長するきっかけになれば良いんじゃないでしょうか。

椛沢:ありがとうございました。

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取材場所:武蔵浦和ワイン居酒屋BURCAK

埼玉県さいたま市南区別所6-5-2 JR埼京線・武蔵野線 「武蔵浦和駅」下車 徒歩5分

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