浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「レジェンド集結!~山田暢久氏引退試合」

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

集結したレジェンドたちが、浦和で何を語り、ピッチで何を見せてくれるのか?

いともあっけなく、日本のワールドカップブラジル大会での戦いが終わってしまった。

日本の終焉を告げる悲しいホイッスルが、ブラジル中西部の都市クイアバのアレナ・パンタナールスタジアムに鳴り響いた。決勝トーナメント進出に僅かな望みを掛けて挑んだコロンビア戦は、1対4と大敗。

ピッチの中で、呆然と立ち尽くす本田圭佑選手の姿が、8年前のドイツ大会の中田英寿選手の姿とダブって見えた。突きつけられた現実は、追い求めていた理想とはかけ離れたものであった。

南アフリカ大会で予選突破をして、決勝トーナメント初戦のパラグアイ戦にPK戦で敗れて、流した悔し涙を忘れてしまったのか?この4年間はいったい何であったのか?これが、今の日本代表なのか?!と思うと腹ただしくなったが、怒りを通り越して、悲しくなってしまった。ピッチに立つことが許されなかった選手たち、ブラジルの地に行けなかった選手たちを思うと悔しくて涙が零れた。

ボールをポゼッションしながらパスを繋ぎ相手を切り崩してゴールを奪うフットボールが出来れば・・・。こんな楽しいことはない。運動量、スピード、フィジカルコンタクト、コンビネーション、シュートやパスの精度など全てが相手よりも上回っていれば出来る話である。

どこかで、現実と理想のバランスを見失い、自信が過信になって勝つための策を失くしていたように思えた。Jリーグで空中戦に強いと定評のある鳥栖の豊田陽平選手でさえも代表メンバーから外れた。まことしやかのように「豊田にロングボールを合わせると中盤が省略されて、求めている自分達のパスサッカーと違うから」などと囁かれていたのだ。囁かれること自体が悲しい話である。昨年のコンフェデレーションカップや東欧遠征で、日本代表の方向性に疑念の声が上がったが、理想を追い求めることを選択したのだ。それほど世界と闘える自信があったのだ。自信が過信になってしまったのは、選手たちが勘違いをしてしまうようなメディアの責任もあるのではないかと自分自身を責めた。

以前、オジェック元監督がメディアによって潰された選手の話をしてくれたことがあった。「もちろん、選手本人の問題もあるが、メディアに取り上げられて勘違いして褒め殺しになる選手がいる。選手の成長の一端をメディアが関わっていることを忘れないで欲しい」とオジェック元監督から言われたことを思い出していた。

日本代表の選手たちは、必死に闘った。だが、理想と現実のギャップを埋めることが出来なかった。前回優勝国のスペインもフットボールの母国と称されるイングランドも世界年間最優秀選手賞「FIFAバロンドール」を昨シーズン受賞したクリスティアーノ・ロナウド率いるポルトガルも決勝トーナメントに駒を進めることが、出来なかった。

ワールドカップを闘い抜く厳しさを、改めて思い知った予選であった。アジアの中では、日本は理想のフットボールが出来るが、世界を相手にすると難しい。今大会では、アジア勢は全て予選で敗退したことを考えるとフットボール後進国であることは否めない。アジアで闘えても世界では通用しないのだ。

ならば、どうすれば世界と対等に渡り合えるようになるのだろうか?と考えると・・・世界と闘った経験ある選手の体験談は、貴重である。そのレジェンドたちが山田暢久氏引退試合に集結するのだ。

もちろん浦和にも世界と闘った阿部勇樹選手や坪井慶介選手も鈴木啓太選手もいるが、名古屋から田中闘莉王選手、新潟から田中達也選手、札幌から小野伸二選手たちがやって来る。現役引退をしているが、岡野雅行氏、福田正博氏も参加する。そして、ブラジルからロブソン・ポンテ氏、ワシントン氏、ネネ氏、ワールドカップ優勝の経験があるギド・ブッフバルト氏もやって来る。

名前をあげれば切りが無いが、そうそうたるレジェンドメンバーが一同に会する。引退試合は勝敗に関係ないが、いざピッチに立つと現役の選手はもちろんだが、現役を退いた元選手たちもプレーに対する拘りやプライドに火が点くはずである。山田暢久氏引退試合の名の下では、なおさら迂闊なプレーも出来ないだろう。もちろん、長年に渡り浦和に貢献した山田暢久氏の功績を讃えて行なう特別な試合であることは忘れていない。

集結したレジェンドたちが、浦和で何を語り、ピッチで何を見せてくれるのか?
興味津々で楽しみでしょうがない。

7月5日、埼玉スタジアム、17時キックオフで現役の浦和対浦和歴代選抜戦が行われる。レジェンドたちは、持てる力を全て出して山田暢久氏引退の花道を飾ってくれる。そして、山田暢久氏が、最後のピッチで浦和のレジェンドとして勇姿を魅せる。そこには、レジェンドとして伝えていかないといけないものがあるはずである。それをこの引退試合で選手はもちろんファン・サポーターも感じて、浦和で生かし、更には日本の未来への底上げに繋げて行きたいと願う。

Q.神経促通運動について教えて下さい。

A.人間は神経の反射によって、身体を安定させようとします。不安定なビジョークボードなどに乗ったり、少し高い所で柔らかいクッションの上で片足で立ったりすることにより、筋肉と一緒に神経の反射が鍛えられます。神経促通運動によって、例えば転びそうになった時に、身体を支えることが出来て、怪我の予防に繋がります。ビジョークボードはプロの選手も使って反射神経を鍛えています。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科クリニック 整形外科・スポーツ整形・リュウマチ科・リハビリテーション
http://www.kawakubo-clinic.jp/

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