浦和フットボール通信

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【河合貴子の大原なう番外編】アジアを制したレジェンドが集結。山田暢久氏引退試合<阿部、興梠、ブッフバルト、闘莉王、伸二、長谷部コメントあり>

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歴史を共に歩んだレジェンドたちが集結をして、引退の花道を飾った

浦和で歩んで来た軌跡を物語るように、センターサークルに赤く「725」が描かれた。

「忘れられない試合が増えた。引退試合を無事に終えたことに感謝しています」と山田暢久氏はスパイクを脱いだ。浦和の現役の選手はもちろんであるが、他のチームで活躍する田中達也選手、闘莉王選手、小野伸二選手をはじめ、ギド・ブッフバルト氏やワシントン氏、岡野雅行氏など浦和を支えて来た選手たちが集結して、山田暢久氏の引退の花道を飾った。

現役の浦和の選手たちは、少し遠慮しがちな雰囲気で、いつも味方のサポーターからブーイングを受けながらも、歴代選抜との対戦を楽しんだ。

阿部「暢久の能力の高さを感じていた」

試合後、阿部勇樹選手は「引退試合をやったことがないんで、どういった感じでやれば良いか?戸惑いがあった。相手も楽しんでもらえて、そういったメンバーのゴールは、観に来た方も良かったと思う。もっと点数が入る前半だったら良かった。楽しんで出来た」と試合を振り返り「(山田氏)対戦もしてきたし、一緒にやって来た。相手が嫌がることを平気な顔してやってのけるプレーヤー。本当に何でも出来ちゃう。能力の高さは感じていた。今日も観て、まだまだ出来るんじゃないか?!って思った」と山田氏について話した。

興梠「レッズサポーターは敵に回したら厄介なサポーター」

キャプテンマークを着けて対戦した興梠慎三選手は「やりずらかったぁ~」と苦笑い。キャプテンマークは「『俺が巻こうか~?』と冗談で言ったら本当になっちゃった」とまた苦笑い。「自分が若い時に、対戦相手としてやっていた選手がいて、その時の浦和は強かった。同じピッチでやれたのは楽しかった。山さんも点を獲ってくれて良かった」と嬉しそうに話し、現役選手たちへのブーイングについて「改めて、敵にしたら厄介なサポーターだと思った。味方で大助かりです」と胸を撫で下ろした。そして「引退という形であるが、共にこれからも闘って行くつもりだし、優勝して山さんにプレゼントしたい。ピッチに一緒に立てないが、目指しているところは一緒だ」とこれからも山田氏と共に優勝を目指していく。

ブッフバルト「次世代に経験を繋げて欲しい」

歴代選抜の監督を務めたギド・ブッフバルト氏は「今日は素晴らしい一日。多くの得点シーンが生まれ、引退試合としては最高だ!自分は、怪我をしていてプレーが出来なかったけど、スパイクがあればやりたかった。ヤマはレッズでいろんな経験をした。コーチ、スカウト、どんな形でも良いからしっかりと次世代に繋げて欲しい。そして、第二の人生を歩んで欲しい」とエールを送った。

闘莉王「レッズサポーターが味方でいてくれて良かった」

名古屋の闘莉王選手は「良かったんじゃない?久しぶりの強いタイトルを沢山獲れたレッズ、多少引退した人もいたが、その中でやっていても強いなぁって感じた。ワシは存在感がありオーラがあった。今の若いレッズに、やっぱりタイトルが一番合っていると分かって頂けたらなぁと思う。久しぶりにヤマに檄を飛ばした。いつもボーっとしているからね。今日もシュート邪魔してくれたし、ヤマらしい。それがヤマ!それが20年間ずっと続いたヤマですし、誇りに思う。一緒にやれたことを感謝している。レッズのサポーターからブーイングじゃなかったのは、久々だった。最終節が楽しみ、天国と地獄。今日は、味方でいてくれて良かった」と楽しそうに笑った。

小野伸二「埼スタは、特別な空間だった」

札幌の小野伸二選手は「僕自身、身体を動かし始めて3週間ぐらいしか経ってないんで、まだまだ完全フィットではないが、素晴らしい仲間たちとプレー出来てよかった。埼スタは、やっぱり特別な空間だった。楽しかった。ヤマさんには、まだまだ現役を続けて欲しいと思った」と満面の笑みを浮かべて話した。

長谷部「浦和レッズは常に心の中にあるクラブ」

試合には出場出来なかった長谷部誠選手は「今日は、出たくてウズウズしていたが、チームからストップがかかったので出来なかった」と凄く残念そうに悔しがった。それでも「浦和のユニホームを来て、久しぶりで、スタジアムに多くの17番のユニホームを着て来て下さり感慨深いものがある。スタジアムの雰囲気も特殊な感じがして、ヤマさんを気持ち良く送り出すサポーターの雰囲気も素晴らしかった。Jリーグに入る前に、ヤマさんとは恩師が一緒で恩師の方が「長谷部が浦和に行くけど出来ると思うか?」とヤマさんに聞いた時に「出来るでしょ~」と軽いノリが最初から最後まで一緒だった。そういうところが、ヤマさんが愛されるところだと思う。ヤマさんには、普通の人には出来ない、彼にしか出来ない仕事があると思う。浦和を、日本サッカーを盛り上げて欲しい。もちろん、浦和レッズは常に自分の心の中にあるクラブなので、ずっと観てます」と浦和が心の中にあることを話した。

引退試合を終えた山田暢久氏は、脱いだスパイクを振り返り「このピッチでやるのは最後だと思って置いた。寂しいが、自分の中で考えながら、また違う形でピッチに立てたら良いなぁと思いながら置いた」と少し寂しそうにそして安堵の表情を浮かべ、第二の人生を歩みだした。

夢のようなひと時の中で、色々な思い出を馳せながら、山田暢久氏を送り出した。

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