浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「暑き夏こそ奮起せよ!!」

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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夏場を乗り越えるための条件とは

梅雨の時期は、じめじめとした空気が身体に纏わりつく暑さであった。今は、アスファルトを溶かすような勢いでじりじりと太陽が照りつける。本格的な夏の到来である。

都内から浦和の練習場へ向かうと、笹目橋辺りで少し涼しさを感じるが、さいたま市内に入るとモアっとした暑さが戻って来る。そして大原の練習場は、芝生に水が撒かれて一瞬気温が下がったような気がするが、温度計をみると38℃を指している。防災さいたまの熱中症注意の呼びかけアナウンスが流れる中で練習が行われ、思わず「練習止めようよ」と言いたくなってしまう。

今週から浦和は夏時間となり、朝9時から練習が行われているが、やっぱり暑い。クーラーバックに保冷剤を詰め込み、スポーツドリンクを持参して取材をしているが、滴り落ちて来る汗は止まることを知らない。

見ているだけでも辛いが、ピッチの中で走り回っている選手はもっと大変である。暑さは思考能力と体力を容赦なく奪って行く。練習が終わると選手たちは、火照った身体を重そうにロッカールームへ引き上げて行く。

那須大亮選手は「中断期間のキャンプで、練習試合を暑い中で出来たのは良かったよ」と話すように身体が動くが、一番辛そうな表情をしているのは、意外にも宮崎生まれの興梠慎三選手である。「暑いのは、苦手なんですよ」と興梠選手は、ぼやく。阪野豊史選手は「途中で頭が真っ白になりました」と苦笑い。

炎天下の中で行なわれていたファンサービスは、選手の負担だけでなく、ファン・サポーターにとっても辛いものがあった。この夏から、抽選ではあるが、冷房が効いたサポーターズカフェで行なわれることとなり安堵した。

夏場のフットボールは、どんなチームでもとても厳しいものがある。特に、ミシャ監督の目指すフットボールは、運動量が求められるだけでなく、チーム全体でパスを回しボールのポゼション率が高いためになかなかタッチを割ることがない。要するに、運動量が多いのにこまめに水分補給が出来ない状況である。浦和にとってこの夏場を乗り切るのは、容易なことではない。

他のクラブは、中断期間に補強をして後半戦の闘いに備えた。浦和は、原口元気選手がヘルタ・ベルリンへ移籍し、山岸範宏選手が山形へレンタル移籍した。以前「浦和はピッチの中に何人の外国人選手がいるんだ」とか「多国籍軍だ」などと揶揄された時代を知るものにとっては、空いている外国人選手枠やアジア枠が、少々勿体無いような気がする。しかし、大型補強はなかったものの、水戸から岩舘直選手がレンタル移籍して来たし、復帰までにはまだ時間がかかるがマルシオ・リシャルデス選手が戻って来た。ミシャ監督は「私は、代理人との関係性で選手を連れてくることはない。自分のチームに戦術的に必要な選手を連れて来る。今は、チームとして闘って結果が残せている」と大型補強をしなくてもチームとして闘える手応えを感じていたのだ。

リーグ前半戦を終えて、11勝3分け3敗で首位に立っている。まだまだ先は長いが、出来ればこのまま首位を走りたい。浦和の戦術的に厳しい夏場に失速するわけにはいかないのだ。勝利をものにするためには、集中力はもちろんコンパクトに保つなど様々な要素が上げられる。

ミシャ監督は「我々のフットボールは、運動量が求められ厳しい。いかにフレッシュな状態で試合に臨めるかにかかっている。フレッシュだけでは困る。誰が出ても同じレベルで闘えなければならない。フレッシュな選手を起用することを視野に入れて闘う」と夏場を乗り切るポイントを上げた。

考えてみれば、大型補強の外国人選手が浦和に突然加入したとしても、ミシャ監督の要求するフットボールに馴染むまでは時間がかかる。ならば、ここは浦和に所属するフレッシュな山田直輝選手や矢島慎也選手、阪野豊史選手、濱田水輝選手たちに奮起してもらうしかないのだ。

ベテランの坪井慶介選手は、いつ試合に出場しても良い状態を保っているように思える。もちろん、山田選手や矢島選手、阪野選手、濱田選手たちも練習の手を抜くことは決してない。どの選手も必死になって試合のメンバー入りを目指しているのは事実である。彼らたちにとっては、この夏場は大きなチャンスなのかも知れない。どんな大型補強よりも強いものをピッチで証明して欲しいと願う。暑き夏こそ奮起せよ!そして自らの手でチャンスを掴め!

○追記
8月3日、11時から神戸戦に出場しなかったメンバーが中心となり、青山大学と練習試合が行われます。ぜひ、暑き夏に奮起してチャンスを掴む選手たちを観に来てはいかがでしょうか?!キックオフ時間を考えるとクーラーバック、保冷剤、水筒もしくは冷たいスポーツドリンク、日焼け止め、帽子、団扇や扇子、タオルなどをご持参することをお薦めします。練習試合観戦中に少しでも気分が悪くなったら、冷房が効いているサポーターズカフェで休息しましょう。アイスクリームや飲料水の自販機はありますが、売り切れの場合もありますのでご注意ください。熱中症対策を充分にして、練習試合をお楽しみ下さい。

Q.膝に溜まった水は、抜かないといけないのですか?

A.関節の袋の中には、水を作る能力と、水を吸う能力があります。通常であれば、無理をせずに安静にして冷やしてあげると、溜まった水は退き腫れが治まります。しかし、半月板が傷んでたり、軟骨が傷んで膝の変形があったりした場合、水が濁ってしまい水が退きにくく抜かないといけません。炎症止めのステロイドの注射を打つ時もあります。酷い方では、50cc以上溜まることもあります。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科クリニック 整形外科・スポーツ整形・リュウマチ科・リハビリテーション
http://www.kawakubo-clinic.jp/

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