浦和フットボール通信

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『大雨の中の肉弾戦に価値ある勝利』 Jリーグ第27節 vsヴォルティス徳島 ゴール裏からの試合レビュー(2014/10/6)

前節、敵地大阪でセレッソに1-0と敗戦したレッズは、ホーム埼スタに戻ってのヴォルティス徳島戦を迎えた。徳島は、今季3勝で、18位の最下位に沈むチームであったが、このような相手の方が難しい試合になるというのは、チームもサポーターも過去の経験から理解をしていたと思う。

加えて、この日は試合前から台風の影響から雨が本降りで降り続けて、フットボールをする環境にあるのかと思うくらいの天候だった。そんな悪環境もあって、スタジアムに集まったサポーターも23,294人。優勝争いをする環境下でも相変わらずスタジアムの光景は寂しいものがある。どんな状況でも応援に来るサポーターの数はこれだけいるのは凄いことでもあるが、一時期に比べるとその数も減っているようにも感じた。

ピッチ状態も埼スタには珍しく水溜りが各所に出来て、芝に水が溜まっている状態になっていた。この中ではボールを繋ぐという行為が難しくなることは予想が出来た。実際にミシャは、選手達に繋ぐことは諦めてボールを前に蹴り込めという指示を出したそうだ。

試合は、ボールを繋ぐことを諦めて相手のゴール前にボールを入れ込む、ミシャになってからは見ることが出来なかった『開き直った』サッカーを見ることが出来た。ボールを蹴ってもボールが転がらずに止まるなど、パスを繋ぐことも難しい環境であったので、その選択は当然のものだったと思う。こうなると球際でのバトルが問われてくる。それはそれで見応えのあるものになった。サポーターとしてはセットプレイが勝負になるので、そこで盛り上げていこうという話をしていた。

個人能力の差が出て、浦和が序盤からペースを握るが、33分に徳島の衛藤に裏に抜け出されると、そのままワンチャンスを決められて、先制点を許してしまった。この状況の中で先制点を許してしまい、非常に嫌な記憶を多くのサポーターは脳裏に思い描いたかもしれない。

しかし41分にゴール前でFKのチャンスを得ると、サポーターからも「柏木オレ!」と期待のコールを送る。その中で、柏木が左足でゴールに見事に突き刺して同点。このゴールが試合の流れを変える上でも非常に大きなものだった。同点に追いつき、1-1で前半が終了。余裕を持つことが出来てハーフタイムに入ることが出来た。

後半もお互いにボールを蹴り込んで、局面勝負というシーンが続いた。その中で63分、柏木のFKを李が落とすと、那須がゴールに蹴り込んで逆転。セットプレイから2点を決めることが出来た。苦しい試合で勝負強さを出すことが出来るのは、このセットプレイの得点能力の高さからくるものがある。

自分たちのサッカーが全くできない環境下、最下位というチームとの対戦ということで、結果だけが求められて、逆に落としてはいけないというプレッシャーがある中で、勝ち点3を積み上げて、頂点への道がまた一歩近付いた試合となった。

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