浦和フットボール通信

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【河合貴子の大原なう】始動2日目も激しいトレーニング。啓太「完治とはいえないが、ベストを尽くすしかない」<啓太、武藤、小島、岡本コメントあり>(2015/1/15)

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始動2日目、雨の中でみっちり3時間

浦和が始動して2日目となった1月15日。気温5℃と冷たい雨が選手たちの体温を奪っていった。10時から始まった練習は、3時間に渡りハードなものであった。練習の終わりが告げられると選手たちからは「寒かったぁ」「お腹空いたぁ」「腹へったぁ」と思わず声が上がるほどであった。

ランニング、ボール回し、ストレッチ、3人目の動きを意識した縦パスなどを織り交ぜながら約1時間、念入りにアップをした後、ハーフコートにゴールが3つ置かれてゲーム形式の練習が約15分×3本行われた。

3つのゴールは、岩舘直選手と大谷幸輝選手、そして、昨シーズン夏のキャンプにも参加したことがある専修大学3年生の福島春樹選手が守った(福島選手は、今日1日だけ練習生として練習に参加)。ボールをキープしながらゴールを守る役割のグループとボールをキープしている相手からボールを奪ってゴールを決める役割のグループの変わったゲーム形式であった。3ゴール設置されているため、視野を広く取りながら味方との意思疎通が重要となり、素早い判断力が求められた。ミシャ監督からは「空いていたら中を使え!」「周りを良く見ろ!」「判断を良く!」と檄が飛んだ。

啓太、武藤、小島、岡本コメントあり


その後、ペナルティーエリアのラインにゴールが移動され(通常のピッチより約16メートル×2小さい)12対12で紅白戦が30分ほど行われた。

ビブ組はGK大谷、DF槙野、永田、加賀、MF橋本、小島、阿部、斉藤、平川、梅崎、武藤、FWズラタン。ビブなし組はGK岩舘、DF岡本、那須、森脇、MF宇賀神、茂木、鈴木、青木、関根、高木、石原、FW李。

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GKは時間で福島選手も加わり交代性で行なわれた。両チーム共に、相手に繋がせないように前からプレスを積極的にかけていた。ミシャ監督からポジションの修正を要求されてからの武藤雄樹選手の動きが良くなった。特にビブチームのズラタン選手と武藤雄樹選手、梅崎司選手の前線でのトライアングルのバランスが良く、ズラタン選手の前からの献身的な守備も光っていた。

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選手たちは、スパイクからランニングシューズに履き換えて、ステップワークを入れた約30分のランニングで練習を終えた。始動2日目にして、ハードなトレーニングとなった。自主トレで軽い肉離れを起こした柏木陽介選手と興梠慎三選手は、別メニューで調整を行なった。2人で仲良くランニングをしていた時、興梠選手が柏木選手を指さしながら「こいつ何してんの?って書いといて~」と報道陣に要請すると、思わず柏木選手も苦笑い。その後、2人とも練習が気になるようで、雨の中、練習を見学していた。

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チームは、明日16日からフィジカルトレーニングを中心とした宮崎キャンプに入る。

啓太「自分のベストを尽くす」

不整脈で体調が心配されていた鈴木啓太選手の動きは、途中で練習を抜ける様子もなく、全力で3時間に渡る練習をこなした。紅白戦では「ゴー!!」と大きな声で指示をだし、前からのプレスでボールを奪うタイミングを見逃さなかった。練習後、鈴木選手は「自分が動かなくても良いように、周りを動かす!ことは大事」と笑みが零れた。しかし、不整脈のことになると「どんな怪我をしようが、どんな病気でも、ここで完治しましたと言うのは難しい。スポーツをやっていれば、怪我もする。健康も大事。良いコンディションが維持出来るようにしないといけない。僕自身が、心配して下さるサポーターのみなさんに言えることは、自分の全力を尽くすと言うことだけ。正直なところどうなるか分からない。それは「ピッチの上で絶対に怪我をしない」と同じぐらい、誰にでも起きる可能性を秘めている。それがあったとしても自分のベストを尽くす」と神妙な面持ちで話した。そして「しっかりとキャンプ中に、身体も気持ちも試合に向けて準備したい。チームが最初から試合に入れるようにイメージしていきたい。まずは、身体と向き合って、キャンプの中で怪我せずに身体を作る。やるサッカーは、大きく変わらない。質をレベルアップしないと、アジアとリーグを勝ち残るのは、難しい。そこを追求していきたい。今シーズン、リーグの形式が変わる。昨年、成し遂げられなかったことを大会形式が変わってもそこを目指すだけ。シンプルなものだ」と優勝に向けてレベルアップを誓った。

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武藤「負けるつもりはない」

練習中にミシャ監督から檄が飛んだ武藤雄樹選手は「レベルの高い環境に来れて良かった。高いレベルの選手と争いたい(ポジション争い)と思って来た。負けるつもりは無い!早く、自分のプレーを覚えて欲しい。縦パスを入れてコンビで崩すのは、対応出来る。どんどんボールが入って来て欲しい感じだ。ウメさん(梅崎選手)が見ててくれて、ズラタンがボールをキープしてくれてやり易かった。前に行けって言われて、後ろの声を聞きながらプレスをかけた。ウメさんの動き方は、参考になった。ウメさんの動きを見て、盗めれば良いと思う。運動量とスピードは自分の売り。ただ、考えて走るのが一番、難しい。覚えないといけない。判断力と見る場所を変えていきたい」と手応えを感じながらも課題を上げた。

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小島「やるしかない」

阿部勇樹選手とボランチを組み、阿部選手からアドバイスをもらっていた小島秀人選手は「やるしかないんで」と身を引き締めた。紅白戦では、積極的にミドルシュートを狙ったシーンも見られた。「やっぱり、やったことがあるサッカーなので、戸惑い無く出来た。自分のプレーを出しつつ、チームプレーを心掛けて、自分のプレーをアピールしながらやって行く。後ろからの声掛けを大切にしていた。キャンプでは、怪我をしない身体作りをしていく。早く、浦和のスピード感に慣れて余裕をもったプレーをしたい。徳島では、リーグの前半で結果を出すことが出来ず、怪我して、補強もあって試合に後半は出られずチームを勝たすことが出来なかった。この経験を生かして、まずは信頼を勝ち得てメンバーに入る」と意気込んだ。

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岡本「自分も生き残れるよう頑張る」

初日の練習から、ひときわ嬉しそうな表情が目立っていた岡本拓也選手は「スタッフも選手もメディアもみんな知っているので居心地が良い」と笑った。だが、サッカーの話しになると急に険しい顔になり「J2と違って、レベルが違う。慣れだと思うが、パススピード、判断力が違う。早く、それに合わせられるようにしないといけない。全部をレベルアップしないといけない。キャンプでは、アピールすることはもちろんだが、怪我をしない」と話した。「オフにレッズランドでユース組みが集まって練習した。峻希(高橋選手)や水輝(濱田選手)や直輝(山田選手)たちと楽しかった。今では、みんなバラバラだけど、厳しいプロの世界だ。自分も生き残れるように頑張る!」とユース時代の思いでの地、レッズランドでの自主トレが、考え深いものとなったようだ。

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今日のイチオシ!!「ミシャ監督」

今日のイチオシは、ミシャ監督!明日からフィジカル中心のきついキャンプが始まる。しかも冷たい雨が降る中で3時間にも渡る練習をした。天候とキャンプのことを考えたら、軽めのメニューでも良かったはずであるにも拘らず、選手たちに妥協も甘えも許さなかった。練習中にフリーズを掛けて声を荒げて檄を飛ばし、良いプレーをすると選手の名前を呼んで「ブラボー」と褒める。一番きついラスト30分のランニングでは、選手ひとりひとりに声を掛けて励ましていた姿が印象的だった。宮崎キャンプでも、妥協も甘えも許さずに厳しいトレーニングで選手を闘う集団へと導くだろう。

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