浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「2年目のジンクスを打ち破れ~関根貴大選手」

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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原口がつけた”24番”を背負った想い

恐れを知らず、若獅子のごとく勇敢に攻め込む関根貴大選手。

プロ1年目となった昨シーズンは3月19日に行われたナビスコカップB組予選の柏戦で1点を追いかける展開の中で、強烈なプロデビューを飾った。たった7分間であったがゴールに突き進む姿勢を見せると、その僅か4日後に行なわれたリーグ戦第4節清水戦ではリーグ戦初のベンチ入りをし、後半開始から大抜擢されてリーグ戦デビューを果たした。

チームメイトから「仕掛けろ!」と後押ししてもらうと、持ち前のスピードを生かして縦への突破を試みた。関根選手は「スピードを生かした縦への突破が自分の持ち味」と自信たっぷりに笑うが、守備の話しになると「守備は、まだまだ・・・。課題です」と苦笑いしながら話していた。それでも昨シーズンは、リーグ戦21試合に出場し2ゴール決めた。

関根選手が決めた2ゴールは、5月17日のC大阪戦と11月3日の横浜FM戦である。いずれも1-0で浦和が勝利し、苦しい展開の中で関根選手のゴールがチームを勝利に導く値千金のゴールとなったのだ。

リーグ戦21試合中、スタメンは僅か3試合だが、関根選手の活躍を考えるとプロ1年目として順風満帆であった。

そして、プロ2年目となる今シーズン『2年目のジンクス』が、関根選手に伸し掛かる。関根選手は「2年目のジンクスがあるので、そこを失くすようにしつつ、昨年以上にしっかりと試合に絡めるようにして、スタメンで出られる機会を多くもらえるようにやっていきたい」と神妙な面持ちで抱負を語った。

『2年目のジンクス』とは、誰にでも訪れるものである。1年目は、若さで「ダメでもともと、当たって砕けろ!」のような勢いがある。それが、意外と上手くいく。ところが、2年目になると生活環境に慣れて気の緩みも出て来て根拠の無い自信と独りよがりの安心感が生まれる場合がある。

また、「2年目なんだから、出来て当然」というプレシャーもかかる。「もっと頑張らないといけない」「もっと出来るはずだ」などと自分を追い込んでしまう場合もある。様々なメンタル的な要素が絡まり、1年目よりも2年目は上手く行かなくなってしまう。

プロスポーツ選手の場合は、メンタル的なこと以外にも相手に研究されてしまい、1年目のプレーと同じでは当然、上手くいくはずがない。『2年目のジンクス』を乗り越えるには、強靭なメンタルと技術のスキルアップが必要となってくる。

今シーズンから関根選手は、浦和ユースの先輩である原口元気選手が新人のころから付けていた『背番号24番』を受け継いだ。昨シーズン、原口選手がヘルタ・ベルリンへ移籍する最後となった6月1日埼玉スタジアムで、関根選手は原口選手に選手を代表して花束を渡した。その時、原口選手から「俺の後は、頼のんだ」と浦和を託されていたのだ。

オフに原口選手に会った時に「今シーズンから24番を付けます」と報告をしたそうだ。原口選手は「他の人が付けるなら、お前に付けて欲しい」と言ってくれたと関根選手は嬉しそうに笑った。

そして関根選手は「24番をしっかりと自分の数字にするプレーをしたい」と話し、「1年目は、勢いで出来た部分がある。2年目は、その勢いが無くなったら自分の良さが無くなると思う。長所を生かしながら、コンビネーションの課題と守備の課題に取り組んでいきたい」としっかりとした口調で『2年目のジンクス』を打ち破るように話した。

今シーズンは、補強に伴い昨シーズンよりも過酷なポジション争いが待っている。関根選手は「試合に出ることが、先ずは目標!チーム内のポジション争いが熾烈になる。昨年、1年間やって来たことをしっかり生かしていけば、自分は新加入の選手よりは、プラスのところもある」と1年間、ミシャ監督の下でやって来た経験をアドバンテージにしてポジション争いを勝ち抜いていく。

浦和Jrユースから育った関根選手は、いわゆる『浦和の生え抜き』である。関根選手には、移籍組には負けられない、『浦和の生え抜き』としてのプライドがある。同じく生え抜きである原口選手から託された思いがある。関根選手は、自ら望んで『背番号24番』を付けた。それは、『2年目のジンクス』に負けない意志の表れであった。メンタル的な強さと更なるスキルアップで『2年目のジンクス』を打ち破る。若獅子のごとく、今シーズンもピッチで輝きを放つはずである。

Q. 横突起骨折以外にもどんな骨折があるのでしょうか?

A. 尻もちをついたり、高いところから落ちたりして骨折する椎体圧迫骨折があります。圧迫骨折は、治癒に2カ月以上かかることがあり、その間はコルセットをつけて安静にします。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
http://www.kawakubo-clinic.jp/

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