浦和フットボール通信

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【河合貴子の試合レビュー】西川「やられたと思った。神が見えた。」西川選手の見た神は、阿部選手であった。Jリーグ1stステージ第6節 vs横浜Fマリノス<那須、西川、柏木、武藤、梅崎、阿部コメントあり>(2015/4/19)

今日のポイント「試合の流れを変えたスーパーディフェンス」

今日の勝利のポイントは、同点ゴールも逆転ゴールも貪欲にゴールに向かう姿勢は素晴らしかった。だが、後半のアデミウソンのシュートを防いだ阿部勇樹選手だ。 「引き出されてしまって、シュートコースを空けてしまった。やられたと思った。神が見えた。あれが決まっていたら・・・。試合の流れは変わっていた」と西川選手は話した。 西川選手の見た神は、阿部選手であった。 阿部選手は「後半、次の1点をどちらが取るかで変わると思っていた。みんなで頑張って、失点せずに最後勝てて良かった」と笑顔になった。試合の流れを引き寄せる神となった阿部選手が、神々しく輝いていた。

横浜FMに逆転勝利でがっちり首位キープ

逆転劇で埼玉スタジアムに歓喜の渦が湧き起こった。4月18日、17時キックオフ。ホーム埼玉スタジアムで行なわれた浦和vs横浜FM戦の終了時は、すっかり夜の帳も下り冷え込んで来たが、浦和を愛する人々の心は温かかった。 浦和は、川崎戦で同点ゴールを決めた好調のズラタン選手のワントップに、前日練習でゴールに貪欲な動きを見せていた武藤雄樹選手と攻守の切り替えが鋭くドリブルでも勝負出来る梅崎司選手のシャドーで起用した。 横浜FMのキックオフで始まった前半戦。開始早々、ズラタン選手がいきなりDFの裏を突く動きを見せるがオフサイドの判定。横浜FMのDF陣が自信を付けたのか、ラインをコントロールしながら前線からプレスをかけて主導権を握り始めた。 10分、関根貴大選手が果敢なドリブルでエリア内に進入して、マイナスのパスを森脇良太選手に送るも、森脇選手のシュートは大きく枠を外れてしまい決定機を逃がしてしまった。その直後の12分、三門雄大選手のスルーパスを斜めから走り込んだアデミウソン選手が狙うも、西川周作選手の好セーブでゴールを許さなかった。

自分たちのミスから失点を許す

那須大亮選手は「前半、ボールを持てるかと思っていたが、ミスからのカウンターを相手は狙っていた。良い形でビルドアップが出来れば良かった」と話すように横浜FMは、鋭いショートカウンターを狙っていた。再び三門選手が伊藤翔選手に真ん中から狙いすましたパスを入れると、伊藤選手はワントラップでDFの裏に抜け出しシュート!西川選手が身体を張って防ぐも、ボールは転々とゴールに転がり込んでしまった。 西川選手は「自分たちのミスからだった。両ワイドが開いてしまい、真ん中でカウンターが目立った。何とか止めたかった。しっかりと止めないといけなかった。マキの足に当りコースが変わった」と悔しがった。 先制点を許した浦和だったが、選手たちには焦りはなかった。 柏木陽介選手は「マリノスの前からのプレスは、想定していた。ただ、ボールの奪われ方が悪くて失点した。チームは焦ること無くゲームを進められた。タッチ数を少なく、横パスを入れながら、縦パスを狙い、阿部さんと那須さんのどちらかが前目に行けて、前に進入出来た。2つ目に人数を掛けることで何かが起きるし、早いクロスを入れるイメージだった。縦パスを入れる位置が高ければ、失点に結びつかず守りの戻りが早くなると思った。俺とウガと武藤のイメージが合って得点が生まれた。武藤のトラップも良かったよね」と嬉しそうに話した。

武藤の同点ゴール「埼スタでゴールを決めるのが目標の一つだった」

同点ゴールが決まったのは、42分のことだった。柏木選手が攻撃の起点となり、左ワイドの宇賀神選手にパスを送り、宇賀神選手のクロスを武藤選手が右足でシュート!しかし、武藤選手のシュートは右ポストに直撃。ポストの跳ね返りのボールを、武藤選手が今度は冷静に左足で流し込み同点とした。 武藤選手は「先制されて苦しかったが、チャンスは作れていたので焦りは無かった。パスを繋いで、良い崩しでウガから良いパスが来た。撃った瞬間、ポストに当たると思った。俺の所に帰って来い!って心の中で思っていました。こぼれて来て良かった。浦和に入団して、埼スタでゴールを決めるのは目標の1つだった。みんなが(ファン・サポーター)名前を呼んでくれて嬉しかった」と安堵の表情を浮かべてゴールシーンを振り返った。 浦和の勢いは止まらなかった。武藤選手の同点ゴールで波に乗った浦和は、前半終了間際、宇賀神選手の早いクロスをズラタン選手がシュートを放つも、榎本哲也選手に止められたが、シュートの勢いが強く大きくクリアー出来ず、そのこぼれ球を関根選手が拾って角度の無い所からクロスを入れると、走り込んだ梅崎選手の叩きつけたヘディングシュートが決まり、2-1と逆転に成功した。

梅崎「プロ初のヘディングゴール」

梅崎選手は「ヘディングシュートは、プロ生活初めてだ。良いボールが来たから、緊張しました。中澤がいたんで、思い切って叩き込んだ。中澤さんの股を抜けて良かった」とこちらも安堵の表情を浮かべた。アシストした関根選手は「ズラタン選手がシュートを撃った瞬間、ゴールライン際にまわった。優しいクロスを出せたけど、中澤さんがいてヤバいって・・・。ウメさんのヘディングはヒヤリとした」と決めて当然の自信たっぷりのクロスだったようだ。そして関根選手は「嬉しいけど、アシストだけじゃ満足出来ない。得点を取れるような自分の良さを出していきたい」と不満げに話した。

那須「横浜のパワープレーもやられる気はしなかった」

後半、浦和は1点のリードを守り切る闘いではなく、積極的に3点目を狙っていった。しかし53分、エリア内でパスを受けた伊藤選手が、浦和のDFとGKを釣り出し、ヒールでアデミウソン選手へパスを通すと、アデミウソン選手は無人のゴールへとシュート!危機察知能力が高い阿部選手が間一髪で戻りゴールを許さなかった。一瞬、冷や汗をかいた浦和であったが、しっかりとゲームをコントロールしながら追加点を狙い続けた。 60分にはオーバーラップした槙野選手がシュートを放つも相手DFがブロック、そのセカンドボールを拾った森脇選手のシュートも枠を捉えることが出来ず、66分の阿部選手のミドルシュートも外れてしまった。 劣勢に廻った横浜FMは、ゲームの流れを変えようと67分、ファビオ選手に代えて冨澤選手を、76分には小林選手に代えて兵藤選手を投入。浦和も77分に梅崎選手に代えて、高木選手を、82分にはズラタン選手に代えて李選手を投入し攻撃を活性化した。 84分には、宇賀神選手のシュートのこぼれ球を李選手が狙うも榎本選手にガッチリと押さえられてしまった。85分、横浜FMは最後の切り札として、DFの栗原選手に代わり長身の矢島選手を入れてパワープレーに出て来た。浦和は、パワープレーに対抗出来る加賀選手を入れて守備を固めた。 那須選手は「空中戦に強い矢島選手が入って来たが、やられる感じがしなかった。加賀がしっかりと寄せてくれていた。バランスを崩してでも点を取りに行かなかったし、チームとしても1人々が大人になり我慢出来た」と話した。 最後の横浜FMのパワープレーもしっかり押さえて、浦和は逆転勝利を収めた。

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