浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「ただひたすらに~橋本和選手」

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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試合に出られない状況でも積極的姿勢を崩さず。「このチームに来たからには、100%努力してやるのがプロだ」

フットボールにおいて、両足が正確に扱えればこんなに苦労することは無い。もちろん、身体全体を支える軸足も大切であるが、利き手と同じように利き足は正確に素早い動作に優れている。トラップ、パス、シュートなど利き足であれば、素早い動作から正確にボールを蹴ることが出来るのだ。

利き足でない足でボールを扱う場合、正確な素早い動作が出来ないだけでなく、身体全体を支える踏ん張りが利かなくなってしまう。利き手が右の人が多いように、やはり利き足が右の人が多い。調べてみると、利き足が右の人と左の人の割合は、8対2であった。利き足が左の選手は、本当に貴重な存在である。浦和では、西川周作選手や柏木陽介選手、李忠成選手、そして橋本和選手が左利きである。

今シーズンから浦和の一員になった橋本選手は「自分の武器は、高さと左利き」と新入団会見の時に話していた。宇賀神友弥選手のように右利きの選手が左サイドでプレーをすることで、右足で中に切れ込みシュートが撃てる利点あるが、左利きの選手が左サイドでプレーをすることで、左からのダイレクトクロスの精度が期待できる。

キャンプから順調な仕上がりを見せて、即戦力だと周囲からの期待が一番高かったのは橋本選手であった。しかし、今シーズンの開幕戦となった2月25日のACL水原三星でスタメン出場を果たしものの、橋本選手にとってもどかしい日々が過ぎて行った。

柏から移籍して来て、ミシャ監督が求めるフットボールに慣れる難しさを感じていた。サイドのポジションは、前線の3人の動きに合わせるだけでなく、後方からオーバーラップして来る槙野智章選手とのコンビネーションも求められる。ポジション的に、どちらかと言うと人に合わすプレーが多い分、馴染んでいくのにはかなり時間が必要である。

「自分の持ち味を出すことが、求められていることと違う」と橋本選手は模索していた。「左サイドのクロスからの崩しだったり、近い距離で崩すことをずっとやって来た。今は、逆サイドに大きく展開したり、詰まれば無理をしないで戻す。FW中心の3人に、当てるのか、戻すのか、飛び出して行くのか判断が難しい。浦和のワイドは、右利きでも相手を押し込んでボールを回す。自分の持ち味も出せないし、スペースも生かし切れていない。攻守の切り替えを早くして、もっともっと合わせていかないといけない。練習で、しっかりとダイレクトでワイドに振って、クロスで終わる拘りを持っている。何試合しか出ていないけど、もっと楽になれると思う。もう少し経って行けば、持ち味が出て来る。それには練習しかない」とひたすら練習に取り組んでいる。

日頃の練習を見ていると、橋本選手はミニゲームでもミスを恐れずに積極的なプレーが目立つ。やはり、左足のクロスは光るものがあった。最近では、味方を生かすプレーに磨きが掛かってきているし、プレーの判断も良くなっていると思う。「普段から、Jリーグの1番のチームと対戦しているんだからね。レベルアップ出来る。みんな上手い人ばかりで、誰がスタメンでも遜色ない。啓太さんやヒラさんたちベテランが、文句も言わずにやっている。不貞っている場合じゃないでしょう!那須さんも、出られない時期はあった。このチームに来たからには、100%努力してやるのがプロだ」と豪快に笑った。

試合に出場出来ずに落ち込んでいる様子が、橋本選手からは全く感じられなかった。逆に、この状況を打破する強い意志を感じた。その強い意志は、幼少の頃から橋本選手が培って来た物だと思う。橋本選手のお父様が学生時代にフットボールをやっていた影響で、4歳年上のお兄様がフットボールをやっていたそうだ。生まれた時から家にボールがある環境で育った橋本選手は、お兄様の背中を追うようにフットボールを始めたのだ。「兄貴が、凄く上手くて強くてね~」と幼少のころを振り返り橋本選手は懐かしそうに話してくれた。

そして、中学校時代に出場した関西大会で衝撃的な出会いがあった。「たまたま同じ左利きで、ドリブルやフェイント、感覚の間合いが凄かった。家長に関西大会でしばかれた!!同い年だけど、家長が憧れの選手だ」と橋本選手は言った。家長昭博選手と言えば、独特なリズムとテクニックのドリブルで突破も出来るし、高いキープ力から視野の広いパスでゲームメイクも出来る選手である。

思わず「橋本選手と家長選手では、プレースタイルが違う」と言う私に「憧れの選手は、ずっと家長だと言い続けるよ!それだけ凄いんだよ」と目を輝かせた。橋本選手は、どんな時でも現状に満足しないで常に誰かの背中を見て学び、そして追いかけているのだと思えた。幼少の頃からそれが、自分自身へのレベルアップにも繋がっていることを知っていた。だから、橋本選手は逆境に強いメンタリティーを持っているのだ。

今は、ただひたすらに練習に取り組む。そして、その先には必ず訪れる歓喜が待っている。橋本選手の持ち味である貴重な左利きが放つ放物線が、味方のゴールを演出する日がやって来る。

Q. 草サッカーで足の指を踏まれて痛みがあります。社会人で病院に行く時間がありません。おそらく、骨折していると思うのですが、このまま放置していても大丈夫でしょうか?

A. 足の指を踏まれただけでも、2週間ほど痛みが退かないことがあります。特に、足の小指の骨折は、靴に当るので痛みがなかなか取れません。腫れが酷くて内出血が見られ、1週間以上痛みが続くことがあれば、病院に行かれて調べた方が良いでしょう。そのまま放置していると、曲がって骨が付いてしまうこともあります。骨を中には、骨が付かない状況になることもあります。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
http://www.kawakubo-clinic.jp/

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