浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「空白の1週間」

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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昨シーズンの教訓を生かし、空白の1週間を有意義に過ごしたい。

ファーストステージ優勝は、あくまでもチャンピオンシップへの出場権に他ならない。だが、15戦無敗で来ると、このまま無敗で優勝を飾りたくなる。あと1勝、もしくは引き分け以上で浦和のファーストステージ優勝が決まるところまでやって来た。

6月7日、第15節の清水戦で浦和が勝利して、G大阪が神戸に敗戦を喫すれば浦和の優勝が決まっていた。G大阪の結果が気になるところであったが、選手もサポーターも過去の優勝を逃した経験から目の前の清水戦に集中していた。

試合開始前にサポーター有志がスタジアムの入り口に集まり、スタジアム内では禁止されている大旗で選手バスを出迎えた。スタジアム内で許可されている旗とは違い、大旗が禁止になる以前から浦和の勝利を願って自分たちが作成し、思いが籠った大切な大旗であった。今は、スタジアム内で見ることの出来ない26本の大旗がはためく、赤い花道は選手を鼓舞するためであった。赤い選手バスが、悠然と大旗で飾れた道を走りぬけて行く。その光景はどこか頼もしく、そして誇らしかった。

また、あるサポーター有志は、白い無地の横断幕に文字を一生懸命に作成していた。もちろん、あらかじめ文章をクラブ側に届け出て、許可をもらっていたのだ。スプレー缶を振りながら、若いサポーターがベテランサポーターに「横棒が太い方が、文字の座りが良いんですよね」と言いながら慎重にスプレーを吹きかける。その姿を見ていると、やはり嬉しくなって来た。浦和を愛する人々は、試合に勝つために自分たちが出来ることを考え、そしてそれを行動出来るのだ。

浦和は、清水を興梠慎三選手の値千金のゴールで1-0と下した。しかし、G大阪はしぶとかった。ホーム埼玉スタジアムで優勝を決めたいところであったが、G大阪が神戸に引き分けたために、次節以降の持ち越しとなってしまった。ホームで優勝を決めるには、浦和が神戸に負けなければならない。それは、絶対に嫌だ。

次節、浦和が神戸に敗戦し、G大阪が仙台に勝ち、6月23日に開催されるACL出場のため未消化試合でG大阪が柏に敗戦して優勝が決まるのは、もっと嫌だ。「試合が無くって優勝が決まるなんて、ある意味浦和らしいからそれもありかなぁ」などと冗談を耳にした。残り2試合を引き分け以上なら優勝が決まる心のゆとりなのだろうか?いつかは、負ける時は来るだろうが、正直なところ浦和が負けることを考えたくないのが本音である。

G大阪との得失点差や浦和の勝負強さを考えると、ファーストステージ優勝は目前である。だが、残り2試合で何が起こるか分からない。それが、フットボールの恐さなのだ。清水戦が終わり、日本代表戦のために次節の神戸戦まで2週間の時間が出来た。対戦モードだった緊張感が緩む。忘れもしない昨シーズン、11月3日に横浜FMに関根貴大選手の劇的なゴールで1-0と勝利した。残り3試合でG大阪に勝利すれば優勝の栄光に輝いたはずだった。G大阪に引き分けでも浦和は優位な状態だった。横浜FM戦後、ナビスコ杯決勝や日本代表戦のために19日間も空いたのだ。この時は、緊張感が緩んでいたとは思わない。

むしろ逆で、優勝目前のこの時間を選手もサポーターもG大阪戦で優勝を決めるべく準備に余念はなかった。だが、この空白の時間が「絶対にG大阪に勝利し優勝する」というプレッシャーをもたらせたのだ。中断無く試合が行われる日程であったら・・・。無理して興梠選手をG大阪戦で起用することも無かっただろうし、勝者のメンタリティーで勢いに乗ったまま優勝出来ていたかも知れない。G大阪に敗戦し、続く鳥栖戦では試合終了間際に決められて引き分け、最後の望みを掛けた名古屋戦にも敗れて、掴みかけた栄光が、手のひらから零れ落ちたのだ。

だからこそ、この空白の1週間が恐い。緊張感が緩んでもダメだし、緊張感が張り詰めていてもダメだ。本当に難しい2週間となった。忘れてならないのは、昨シーズン終盤の追い詰められた優勝争いとは、状況が明らかに違うことだ。浦和の目標は『真の日本一』である。その目標に向かって、先ずはファーストステージを制覇するだけだ。プレッシャーに押しつぶされそうな浦和の男は、ひとりもいないはずだ。ほど良い緊張感が浦和を包み込んでいるように思える。昨シーズンの教訓を生かし、空白の1週間を有意義に過ごしたい。浦和を愛する人々は「PRIDE OF URAWA」を胸に刻み、試合に勝つためにそれぞれの立場で出来ることをする。ただ、それだけである。

Q. 石原選手が、前十字靱帯を手術しました。前十字靱帯損傷について教えて下さい。

A. 膝の靱帯損傷では、代表的な怪我です。スポーツをしている方にとっては、致命的な怪我のひとつです。スポーツをしていて、急な方向転換やジャンプして着地の時に膝が流れてしい怪我をすることが多いです。前十字靱帯を損傷をすると、最初は歩くことは出来まし、しばらくプレーを続けてしまうことがあります。なんとなくプレーが出来てしまいますが、時間の経過と共に、膝が痛く、腫れてしまい血が溜まってしまいます。膝の怪我の6割以上は前十字靱帯損傷です。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
http://www.kawakubo-clinic.jp/

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