浦和フットボール通信

MENU

【河合貴子の試合レビュー】なでしこリーグ エキサイティングシリーズ上位リーグ 第2節 vs 日テレ・ベレーザ(2015/10/18)

首位の日テレ・ベレーザに我慢強く逆転勝ち!

大空にポッカリと羊雲が浮かび、穏やかな日曜日の午後となった10月18日。浦和レッズレディースは、レギュラーシリーズを首位で通過し、エキサイティングシリーズの開幕戦に勝利を収めて好調を持続している日テレ・ベレーザをホーム浦和駒場スタジアムに迎えた。

エキサイティングシリーズ6位スタートとなった浦和と日テレの勝ち点差は8と大きな開きがあり、前節のアルビレックス新潟レディースに惜敗した浦和にとって、短期決戦となるエキサイティングシリーズをこれ以上負ける訳にはいかない。浦和は、強い気持ちを持って、日テレに挑んでいった。

浦和のキックオフで始まった試合は、立ち上がりから浦和がDFラインを押し上げて前線から激しくプレスを掛けていった。

吉田靖監督から「下がるなぁ!」と檄が飛び、選手の背中を押した。しかし、日テレを押し込み主導権を握るが、日テレの堅い守備をこじ開けらずにシュートまで持ち込めない展開が続いてしまった。

22分には、右のバイタルエリアで後藤三知選手が粘った折り返しを猶本光選手、柴田華絵選手と繋ぎ、相手DFがずれたところを吉良千夏選手がシュートを放つも決め切ることが出来なかった。

日テレは、ボランチの阪口夢穂選手が上手く攻守のバランスを保ち試合をコントロールし始めた。32分には、阪口選手から左の隅田凛選手へと展開し、隅田選手からオーバーラップして来た有吉佐織選手へと縦パスが入り、有吉選手のクロスに上辻佑実選手がヘッドで狙うシーンもあった。

試合は、このまま0-0で折り返すと思われた40分、隅田選手から右のスペースに走り込んだ田中美南選手へと鋭いパスが通り、田中選手がそのままドリブルで持ち込み高畑志帆選手と競りながら冷静に放ったシュートが決まり日テレに先制点を許してしまった。

その直後に、猶本選手から縦パスを上手く受けた加藤千佳選手が抜け出してフリーでシュートを放つもゴール左に僅かに逸れてしまった。浦和はが前半に放ったシュートは、吉良選手と加藤選手の2本だけ、ボールを保持しながらも日テレの厳しい守備を崩し切れずに前半を0-1で折り返した。

浦和は、1点のビハインドを跳ね返すために岸川奈津希選手に代えて長野風花選手を後半の頭から投入。日テレも追加点を狙い、隅田選手に代えて長谷川唯選手を投入してきた。

すると、後半の立ち上がりから主導権を日テレが握り、浦和は自陣に押し込まれてしまった。日テレのDFラインが高くなったのを見た吉田監督は、55分に加藤選手に代えてスピードのある清家貴子選手を起用し、吉良選手とツゥートップを組ませ、後藤選手を左の2列目へとポジションを代えて攻撃のリズムの変化を求めた。清家選手がピッチに入ると浦和の攻撃のスイッチが入り、ゴール前への推進力が出始めた。

そして、59分に左サイドの突破を試みた北川ひかる選手がCKを獲得。猶本選手の左CKをニアで清家選手が身体を張ってキープしながら相手DFを引き付け空いたスペースへとパスを送ると、走り込んだ長船加奈選手が豪快にシュートを放ち同点弾を叩き出した。

同点になり勢いづく浦和に対して、日テレも猛攻を仕掛けて来た。どちらも譲らない攻守の切り替えが早い展開の中で、77分に日テレは上辻選手に代えて鳴海由佳選手を起用してゴールを狙ってきたが、浦和は身体を投げ出し球際に厳しい守備で対応した。

逆転勝利を目指す浦和は、80分に疲れが見え始めた後藤選手に代えて臼井理恵選手を投入し、北川選手を2列目に上げて左サイドバックを臼井選手に任せて残り10分に賭けた。

81分には猶本選手のFKから清家選手が放ったシュートは惜しくもクロスバーに直撃すると熱い浦和のサポーターからも「みんなで行こう!」と声が掛かり、選手を鼓舞するチャントと手拍子が大きくスタジアムを包みこんだ。

すると、87分に乗松瑠華選手のスローインを受けた長野選手が右のバイタルエリアに上手く流れた吉良選手へとパスを送り、吉良選手がドリブルで運びながら上手くゴール前に走り込んだ清家選手に合わせ、清家選手の右足シュートがゴールネットを揺らし大きな1点が浦和に転がり込んだ。逆転に成功した浦和のベンチは、歓喜の渦の中でも冷静を保ち、直ぐに長野選手を呼び5DFで守ることを指示し手堅く日テレを突き離した。

手堅い采配とゲームプランを見事に選手がピッチで現わし、2-1と逆転勝利を収め、首位の日テレに土を付ける金星を挙げた。

ページ先頭へ