浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「邪念を払い、気合を入れる」

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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今シーズンの日程に憤りを感じてしまう

冬の到来を告げるようにシトシトと冷たい雨が降り続き、落ち葉を濡らす山茶花梅雨となった。もうすぐ、今シーズンも終わると思うと少し感傷的になってしまう。だが、世界を見ればフットボールシーズンは、秋春制のためにリーグ戦が真っ只中であり、クラブワールドカップなどこれからである。春に開幕する日本は、リーグ戦残り1試合の時点でワールドカップ予選のために2週間の中断となった。

リーグ戦も佳境と言うのに中断とは、いかがなものなのか?と思いながら、少々拍子抜けしながらワールドカップロシア大会予選で自分の心を誤魔化して注目して観る。ワールドカップロシア大会を「ワールドカップ出場のラストチャンス」と位置付けたのは、柏木陽介選手であった。その気迫から日本代表のユニホームを身に纏い躍動する柏木選手が、輝いて頼もしく感じられた。

ハリルホジッチ日本代表監督も「左足の精度、アイディア、技術、他になかなかない長所を持つ選手だ」と柏木選手のことを大絶賛していた。11月12日に行われたシンガポール戦では、長谷部誠選手とダブルボランチを組み、絶妙な2人のバランスから繰り出す攻撃の組み立てに心を奪われた。もっとこの2人が、コンビを組む試合が観たいと思った。近い将来、柏木選手と長谷部選手のコンビで浦和を牽引するダブルボランチになってくれれば・・・。そう思ったのは、私だけだろうか?!

そんなことを考えながらも、やはり今シーズンの日程に憤りを感じる。夏場の体力を消耗する時期に、中3日の連戦となる試合スケジュールが続いた。1試合で体重が3キロ以上も減少する選手もいる過酷な日程である。選手の身体は、疲労で重く感じるほどベストパフォーマンスが出せない。それでも、何とか夏場の過密日程を乗り切ってきた。

そして、リーグ終盤の残り5試合となり、リーグ戦が優勝争いで一番で盛り上がる時期に水を差す形で中断されてしまった。残り5試合となった鳥栖戦は、今から1カ月以上も前である。残り5試合を優勝争いも残留争いも無いクラブにとってみれば、来シーズンを見据えて若手に経験を積ます良い機会なのかも知れない。

また、天皇杯を敗退しているクラブは、11月22日の最終戦でオフシーズンを迎え、2016年2月27・28日開幕戦に向け早々に準備が出来る。充分に選手たちには、オフが与えられ、1月の初めには新たなチーム作りに取り組むことが出来る。

天皇杯に勝ち残っている8クラブは12月26日の準々決勝があり、チャンピオンシップ出場権を持たないクラブは、1カ月も公式戦が行われないこととなる。チャンピオンシップで勝ち進み、栄光を手に入れれば、クラブワールドカップの出場できて天皇杯の準々決勝までの間に、公式戦がある。試合があることは、本当に栄誉なことで喜ばしい。しかし、1月1日の決勝まで駒を進めた2クラブの選手たちは、本当に短いオフとなってしまう。

リオオリンピック出場を掛けたU-23日本代表の試合は、カタールで1月13日から開催される。U-23日本代表に選出されたら、オフは皆無となる。若い内は、苦労を買ってでもしろと言われているが、本当にこの日程で良いのだろうか? いつか、選手の身体が悲鳴をあげて壊れてしまうのではないかと心配をしてしまう。

これが、秋春制であればなんの問題も無いように思う。特定強化指定選手の制度で学校側の理解が深まっている中で、新卒のルーキーについても、卒業前の半年間を学校側に更なる協力を求めれば良いと思う。豪雪の地域を考えれば、強引な意見に思えるかも知れないが、ヨーロッパのウインターブレイクを採用すれば問題は解決できる。

ドーム型のスタジアムや観客席のヒーターなど設置に巨額な費用が掛かるが、出来ない訳ではない。日程を決めるために、Jリーグがアドバイザー契約を結んだ有識者の中に各クラブを代表するファン・サポーターの存在があっても良いのではないか。

誰の為の、何のための試合なのだろうか?!大切なのは、応援する人々であり、選手たちなのだ。様々なことが、頭の中を駆け巡る。

年間首位と天皇杯優勝を狙う浦和にとって、相次ぐ中断は本当に厄介なものとなった。ミシャ監督は「終わりが近い闘いの中で難しくしているのは、日程だ。間隔が、空いてしまうと緊張感を保つが難しい。各週で試合がある状況であれば、リズムを取りやすい。夏場の中2日、3日と同じぐらい難しさがある。終盤に来て、選手の状態をどのように維持していくのかは、非常に難しい。どのぐらいの強度でトレーニングをしていくのか、どれくらいの休みを与えるのか、選手を良い状態に保ちながら試合に臨んでいくのは、非常に難しい作業だ」と嘆くほどである。

とは言え、決められた日程でやって行くしかないのだ。ミシャ監督は、選手やメディカルスタッフとコミュニケーションを取りながら、試合で闘えるベストな状態に選手たちのコンディションを整える。さぁ~残り1試合!広島対湘南の結果次第であるが、神戸戦の勝利に向けて集中力を高めて行くために、横道に逸れた邪念を吹き払い気合を入れる。共に闘い、共に頂点へ行こうじゃないか!!

Q.「超回復」について教えて下さい。

A.筋肉を使い過ぎると、乳酸が溜まり疲労します。休むことにより筋肉の疲労が回復します。さらに、運動するとまた疲労します。この繰り返しを行なうことで、超回復が起きます。超回復は、最初の頃よりもトレーニング効果によってパフォーマンスがあがることです。筋肉は、鍛えて疲労ささせないと身体についてきません。超回復を上手くさせないと、疲労が溜まった状態になります。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
http://www.kawakubo-clinic.jp/

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