河合貴子のレッズ魂ここにあり!「届かなかった思いを胸に秘め」
J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。
目指してきた年間1位の奪還ならず。CSは新たな大会としてタイトルを目指す。
最終戦を前に、浦和へ大きく圧し掛かった『勝ち点2』。たった『勝ち点2』されど『勝ち点2』。Jリーグ年間首位を走る広島との勝ち点差を考えると最終戦となった神戸には、負ける訳にはいかない。他力本願となるが、湘南に広島が負ければ浦和の逆転年間首位座が、決まった。湘南と広島が引き分けた場合は、神戸戦で浦和は得失点差を考えると無失点で13ゴール必要であった。広島が負けて、浦和が神戸に勝つ可能性に掛けるしかない状態であった。今シーズンは、初めてのレギュレーションによりチャンピオンシップによって、Jリーグの優勝が決まる。Jリーグ年間首位になったところで、優勝の栄誉は与えられない。それでも浦和を愛する人々はJリーグ年間首位の座に拘り、僅かな可能性に掛けたのだ。最終戦となった神戸戦で選手たちを鼓舞する浦和のゴール裏のコレオグラフィーは、浦和を愛する人々の意思表示であった。
試合開始1時間半前ごろだっただろうか、コレオグラフィーのデザインが描かれた席次表を手に、必死になって説明する2人の若者と出会った。彼らは「広島の結果次第ですが、僕達は年間首位を狙います。年間首位になってもシャーレは、僕達の下には来ません。それでも、みんなで年間首位の座を勝ち獲りたい。そんな気持ちを籠めて、まずバックスタンド側のコーナー付近からシャーレの形を表現します。選手が入場して挨拶したら、みなさんが掲げて浦和のエンブレムを作ります。ご協力をお願いします」と頭を下げた。10代後半だろうか、コレオグラフィーの説明はお世辞にも決して流暢な口調とは言えず、たどたどしく説得力があるものでは無かった。だが、浦和のJリーグ年間首位の座を獲得する熱意と気持ちが伝わって来た。最後に彼らが凛とした口調で「可能性がある限り、最後まで一緒に闘って下さい」と叫んだと同時に、彼らを包む温かい拍手が巻き起こったのだ。その場に偶然にも居合わせた幸せを感じ、思わず心が熱くなってしまった。
Jリーグ年間首位の座は、優勝と言う記録にも歴史にも残らないが、浦和を愛する人々の記憶に残る誇りなのだ。浦和を愛する人々たちにとっては、Jリーグ年間首位の座の奪還は悲願だ。
しかし、僅かな可能性も願いも届かぬままに、今シーズンも終わった。「あと1歩」「もう少し」ミシャ監督体制になり4年の月日の中で、今年も掴みかけた栄光が届かなかった。21勝9分け4敗の勝ち点72は、浦和をリーグ優勝に導いた2006年に並ぶものであった。確かに、今シーズン獲得した勝ち点72は素晴らしいと思うが・・・。年間首位にならなくては、勝ち点72に何の魅力も感じない。
首位の座を手に入れた広島は、23勝5分け6敗の勝ち点74で年間最多勝ち点を更新した。広島の方が、浦和よりも敗戦数が2試合多い。だが、引き分け数が4試合も少ない。試合を勝ち切る力の差が、勝ち点の差となってしまったのだ。
ホームの川崎戦や鳥栖戦が、引き分けで終わらずに勝っていたらと悔やまれる。いや、撃ち合いとなった1stのアウェー仙台戦で勝っていたら・・・などと戻らぬ過去の試合を思い浮かべては、心が痛くなってしまった。
リーグ年間首位の座を手に入れた広島は、決して豊富な資金力を持っているクラブではない。毎年恒例のように、チームの柱となっている選手を浦和に引き抜かれている。それでも森保一監督は「成長しながら結果をだそう」を合言葉にチーム作りに取り組み、監督就任4年で3度目の年間首位の座にチームを導いた。広島から主軸の選手を毎年獲得して来た浦和にとって、広島に首位の座を奪われる屈辱は図り知れないものがある。
広島ユース出身の槙野智章選手は「自分たちは、2nd優勝。年間1位を目指してやって来た。自分たちの思いは、叶わなかった」と唇を噛みしめて悔しさをグッと飲み込んだ。
広島に縁があるミシャ監督はじめ、西川周作選手、森脇良太選手、石原直樹選手、李忠成選手、柏木陽介選手たちは、相当な屈辱を感じているのだろう。以前から「俺は、広島組と違う。浦和の方が長いんだし、ミシャが浦和に来る前から俺はここにいるんだ」と話していた柏木選手の場合は、少し屈辱の感じ方が違うのかも知れない。だが、みんな心に大きな屈辱を抱えているのは事実である。
レギュレーションでは、チャンピオンシップを含めて今シーズンのJリーグである。だが、浦和を愛する人々にとっては、年間2位で今シーズンのリーグ戦は終わった。ならば、チャンピオンシップは、トーナメントの新たな大会と位置づけて気持ちを切り替えてタイトルを獲りに行く。
G大阪には、昨シーズンの借りがある。勝てば優勝が決まったG大阪戦の昨シーズンのことを忘れている選手は1人もいない。あの悔しさを1年間ずっと心の奥に秘めて来た。選手だけではない、浦和を愛する人々の思いはみんな一緒である。先ずは、G大阪に借りを返し、そして広島に浦和のプライドを見せ付けたい。届かなかった思いを胸に秘めて、タイトルを獲りに行く!
Q.上手く超回復をするには、どうすれば良いのでしょうか?
A.乳酸が溜まった時に、回復をさせないといけません。まずは休息をとること、そして食事、入浴です。トレーニングが終わったあとに、クールダウンでストレッチをしてアイシングをして筋肉の疲労をとります。最近、糖質減と良く言われていますが、炭水化物をとらないと筋肉は働きません。慢性的ゆっくりと働くのは、脂肪の燃焼ですが、サッカーなど急激な運動は、炭水化物がエネルギー源なので運動する前にうどんやパスタなどを選手たちは、食べています。若いスポーツ選手が、ダイエットのために糖質制限したらエネルギーがなくなり疲労が取れません。頭の神経のエネルギーは糖質です。糖質制限は大切ですが、スポーツをしているアスリートにとって糖質制限は、お薦め出来ません。
川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
http://www.kawakubo-clinic.jp/