新潟戦の勝利を目指し、フットボールに集中するのみ！！

連日に渡り好天気に恵まれた練習場は、いつも変わらない時間が過ぎていた。浦和の親会社である三菱自動車の燃費不正問題から、三菱自動車が日産自動車の傘下になることが５月13日決定した。だが、選手たちは動揺することなく、新潟戦の勝利向けてひたすら汗をかいていた。

アップ後、阿部勇樹選手と森脇良太選手は別メニューでコンディション調整となった。

恒例のミニゲームは、両サイドの横幅を５ｍほど短くして行われた。ビブ組は、GK西川　DF槙野、遠藤、宇賀神、MF関根、青木、柏木、梅崎、武藤、李、FW興梠。新潟の布陣を意識したビブなし組は、GK大谷・岩舘・福島、DF橋本、永田、イリッチ、加賀、MF駒野、那須、伊藤、平川、FWズラタン、石原だった。

ビブ組は、森脇選手が別メニューとなったため、宇賀神友弥選手が右のストッパーに入り、右のワイドを梅崎司選手、左のワイドを関根貴大選手が任された。

１本目、立ち上がりに主導権を握ったのは、ビブなし組であった。遠藤航選手のクリアボールを拾ったズラタン選手が強烈なシュートを放って来た。だが、西川周作選手が冷静に対処した。

楔のパスを受けた石原直樹選手が、左の２列目に入った駒野善成選手へと横パスを出すと、駒井選手がカットインして放ったシュートはクロスバー直撃！！昨日のミニゲームと同じ様にビブなし組が良いゲームの入りから流れを作っていった。

ミシャ監督から「逆を見ろ！」とビブ組に対して、サイドチェンジを要求する声が飛んだ。

前線から激しいプレスを掛けて、ボールサイドにスライドするビブなし組の逆サイドのスペースを狙いであった。

ビブ組は、ピッチの幅を有効に使いビブなし組のDFに揺さぶりを掛けていった。すると、流れはビブ組へと傾き出した。

関根選手から横パスが興梠選手へと出た瞬間、「慎三！」と柏木陽介選手の声がピッチに響いたのだ。柏木選手は、興梠選手を追い越す動きでDFの裏を狙い走り出すと、その動きに合わせて興梠選手が浮き球でゴール前と絶妙なパスを出し、柏木選手が綺麗に合わせてゴールを決めた。

その後、攻撃のリズムを掴んだビブ組は、宇賀神選手から大きく逆サイドの関根選手へと展開し、関根選手のクロスをニアーで李選手がゴール！！終盤は、ビブ組が主導権を握った。

１本目の終盤の流れが良かったビブ組が、そのままの流れで２本目のミニゲームに入っていった。前線の興梠選手、李選手、武藤選手のコンビネーションから崩すシーンも見られた。

また、青木拓矢選手も柏木選手と良い距離感を保ちながらプレーしたいた。更に、槙野智章選手から大きく逆サイドの梅崎選手へ、梅崎選手のクロスを武藤選手は決めきることは出来なかったが、セカンドボールやボールを失った後の攻守の切り替えも早く良い動きを見せていた。

昨日のミニゲームでは、攻撃の組み立てに苦しんだビブ組であったが見事に改善されていた。また昨日は、苦しい展開を打開しようと槙野選手が積極的にオーバーラップを掛けるシーンが目についた。しかし、今日は左のワイドに宇賀神選手ではなく、関根選手が任されていたことを考慮して、槙野選手がオーバーラップするシーンが余り見られなかった。

程良いバランスを保ったビブ組であったが、ラストゴールの声が掛かるとビブなし組が反撃を始めた。イリッチ選手がドリブルで持ち上がり、サイドに叩いてクロスに合わせるシーンや那須大亮選手がゴール前へと顔を出すシーンがあった。伊藤選手のミドルシュートのこぼれ球を石原選手が上手く合わせて、これがラストゴールとなり練習が終わった。

ペトロヴィッチ監督「三菱自動車に勝利を捧げたい」

練習後、ミシャ監督は新潟戦に向けて「新潟は、非常に良いチームだが、これまでの結果が試合内容に伴っていない。彼らはサッカーをしてくるチームだ。我々に対して高いモチベーションで、走る、闘うチームだ。我々もベースとするハードワークを強調しながら闘っていく」と話し、神妙な面持ちで「三菱自動車は、パートナー企業だけでなく、浦和レッズの親会社である。私が監督になって益子会長とも交流させて頂いた。出来事に対しては、残念でならない。彼らがどういう状況かと考えると心が痛い。三菱自動社は、長年クラブを支えてきてくれた存在だ。三菱自動車の方々に勇気と前向きな気持ちを持ってもらえる試合をみせたい。良いサッカーをして勝利を捧げたい」と勝利を誓った。

親会社の問題で、今後の浦和の行く末がどうなるか分からない。不安な状況の中でも、試合は待ってはくれない。とにかく、浦和は全力を出し切って勝利を目指すのみだ！