【5/19練習試合レポート】流通経済大学に5-0の快勝。
Report by 河合貴子
最後まで攻撃的な姿勢を貫く
ACLラウンド16第1戦、FCソウルを1-0で完封した余韻は残っていなかった。FCソウル戦のスターティングメンバーは、リラックスした表情を浮かべてクールダウンを念入りに行っていた。FCソウル戦で決定弾を決めた宇賀神友弥選手は「昨日で終わりじゃないですから」と一言残して足早にロッカールームへと姿を消した。
スタメン出場したメンバー以外は、12時キックオフで行われる流通経済大学との練習試合に備えた。
戦線離脱している高木俊幸選手と一緒にリハビリメニューに取り組み加賀健一選手がいた。加賀選手は右足の太ももの付け根を気にしながら「ちょっと切れているかも知れないけど、大したことはない。違和感程度だ。今日は無理せずにね」と笑顔を見せた。
平日のために、ユースメンバーが参加出来ず、高木選手も加賀選手も離脱しているため交代メンバーがいないことを考慮して、30分×2本で練習試合が行われた。
流経は、4-3-3のシステムで中盤の構成は23番のワンボランチにシャドーとボランチの役割をする16番と6番がいて、ソウルと似ているところがあった。
流経のキックオフで始まった試合は、立ち上がりから流経が果敢に前線からプレスを掛けてきた。
しかし、先手を取ったのは浦和であった。2分、駒井善成選手の折り返しを那須大亮選手が思いきり右足を振り抜きミドルシュートを決めた。
12分には流経の鋭いカウンターから飛び出した16番がシュート!大学生らしい勢いのあるプレーを魅せていた。
浦和は、両ストッパーが高いポジションを取っていたために、ボランチの青木拓矢選手と那須大亮選手がDFラインに下がってしまい、流経の中盤にスペースを与えてしまった。
そのため、楔となる縦パスが入らずに、ピッチの幅を生かしてサイドから揺さぶりをかけていった。だが、揺さぶるだけで攻撃にリズムが生まれなかった。
流経の選手から「嵌まってる!嵌まっている!このまま~」と自分たちの守備が上手く浦和に嵌まっている自信に溢れる声が飛んでいた。
浦和もDFラインを押し上げて、空いた中盤のスペースを那須選手や青木選手がドリブルからサイドに展開を試みるシーンもあったが、苦しい展開となった。
すると、流経の10番がDFラインの裏を突く動きを見せたり、試合終了間際には浦和の右サイドを突かれ10番にクロスを入れられ、11番が飛び込むもわずかに合わなかったり、24番がカットインからシュートを放ったりと流経が攻撃的な姿勢を見せた。
前半は、浦和がボールを保持していたが効果的な攻撃の組み立てが出来ず1-0で折り返した。
後半、浦和はGKを大谷幸輝選手から福島春樹選手へと代え、更に前半をシャドーでプレーしていた梅崎選手と左ワイドでプレーしていた駒井選手のポジションを入れ替えて臨んだ。
後半も立ち上がりから積極的に流経は前プレスを掛けて嵌め込む守備で主導権を握っていった。
だが、前半と同じように後半の立ち上がりの35分に、ズラタン選手がDFに競り勝ちGKと1対1のシーンを冷静に決めて浦和が2点目を決めた。
そこから、少しずつ浦和の前線からプレスが掛かり出すと、42分押し込まれた流経のクリアーボールを拾ったイリッチ選手が素早くゴール前へと入れたクロスを、梅崎司選手が上手く合わせたダイレクトシュートがゴールネットに突き刺さった。
43分には、梅崎選手のクロスに逆サイドからゴール前に平川忠亮選手が飛び込みゴール。浦和は、攻撃の手を緩めること無く立て続けにゴールを奪い4-0と流経を突き放した。
攻撃のリズムが生まれた浦和は、梅崎選手と橋本和選手のコンビネーションから、橋本選手のクロスに駒井選手が飛び込みシュートを放つもGKに阻まれてしまい決めきることが出来ずにいた。
そして50分にはズラタン選手が好調さをアピールするかのように強烈なシュートをゴール向かって右から切れ込み決めて5-0とプロのテクニックを見せつけた。
流経は、流れを変えようと6番の選手に代えて32番を投入してきた。すると、すぐにカウンターから11番の選手がシュートを放ってきた。
また55分には、浦和の一瞬の隙を突く早いリスタートから、23番がシュートを放ったが福島選手のファインセーブでゴールを死守した。
試合終了間際には、梅崎選手の左CKをゴール中央で橋本選手が合わせるも決めきることが出来なかったが、最後まで攻撃的な姿勢を貫き5-0で快勝した。