浦和フットボール通信

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【6/9 練習レポート】攻守の切り替えを素早く!1時間半のスパルタ戦術指導

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Report by 河合貴子

攻守の切り替えを素早く!前線からのプレスと後方からの攻撃の組み立てを。

ミーティングを終えて選手が、小雨がパラつくピッチに姿を現わした。照明灯には明かりが点り、灰色の雲が上空を覆った6月9日。勝ち点3差で暫定2位の鹿島との大一番を2日後に控えて浦和の練習が始まった。

アップのボール回しを後、基本のパス練習が始まると柏木陽介選手は一人だけクラブハウスに向かうとスパイクからランニングシューズへと履き替え別メニューでコンディション調整を行っていた。また、イリッチ選手は完全別メニューでウォーキング、永田充選手はアップ後にステップワーク中心の別メニューであった。アップ時に、興梠慎三選手が「回したろかぁ~」とニヤリと笑い、森脇良太選手を挑発するシーンがあったり、アップはリラックスした雰囲気で行われていた。

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しかし、選手たちにビブが配られるとその場の空気が一変した。ゴールをペナルティーエリアのラインに合わせて作られたピッチには、DFラインの目安として赤いコーンが置かれていた。

そして、中央には大きなスペースがあり、黄色ビブが梅崎・武藤・興梠・李・駒井。青ビブが平川・伊藤・高木・ズラタン・石原の攻撃陣と白ビブが槙野・阿部・青木・遠藤・森脇。ビブなし(赤)が宇賀神・橋本・那須・加賀・関根の守備陣に分かれた。

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まずは、赤コーンとゴールのスペースを使って、GKを含めたDF陣で5本以上のパスを繋いだ後に攻撃の楔のパスを入れたり、中盤のスペースを使って攻撃の組み立てを図り、味方の攻撃陣へとパスを送りゴールを目指す。

また、相手チームのDF陣のパス回しに対して攻撃陣は、前線から激しくプレスを掛けて嵌め込む守備を行い、インターセプトが出来た場合は攻守の切り替えを素早く行いゴールを目指す。

なお、相手チームのDF陣がボールを回している時には、赤いコーンよりもDFラインが下がらないように相手チームの攻撃陣のマークを徹底して行っていた。DFラインを高く設定していたため、攻撃陣はDFの裏のスペースをかなり意識していた。

昨日もこの練習が行われていたが、昨日よりもコートを大きくしたために中盤のスペースを大きく、このスペースを上手く使うためにワントップが下がったり、シャドーの一角が下がったり、ボランチやリベロが持ち運んだりと味方の動きや相手のDFの動きによって様々な攻撃の組み立ての状況判断を求められていた。

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中盤のスペースが大きいために、選手たちの動きはぎこちなく戸惑いを見せるシーンが見られ「白!奪ったら縦を狙え!」「ウメ!武藤!パスが良くなかったと言うよりも、自分の動きが悪かったんだ!!」「縦を入れたら早く!スプリント!!」とミシャ監督が厳しく声を荒げるシーンが何度も見られた。

DF陣のボール回しから攻撃の起点となる中盤のスペースを使った組み立てで、関根貴大選手がボールを奪い素早く平川忠亮選手へ、平川選手の折り返しを伊藤涼太郎選手が豪快なシュートでゴールを決めた。

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前線から嵌め込む守備と後方からの5本以上のパスを繋ぎ中盤のオープンスペースを使った攻撃の組み立ての戦術練習は、ミシャ監督が細かく指示を出す中で約25分行われた。

そして、赤いコーンを設置したまま中盤のオープンスペースなしの通常のミニゲームが行われた。

ビブ組は、GK西川、DF槙野、遠藤、森脇、MF宇賀神、阿部、関根、武藤、李、FW興梠。ビブなし組がGK大谷・福島・岩舘、DF橋本、那須、加賀、MF梅崎、伊藤、駒井、高木、平川、FW石原、ズラタンだった。

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ゲーム形式が始まる前に「ボールを持っているチームのGKはDFラインに入る。攻撃陣は上手くDFの裏を取っていこう。DFは赤のマークより下がらないように。ボールを奪ったらスペースに出そう」などと指示が飛んだ。

相手チームのDFの裏を突く攻撃の展開が出来ないと、ミシャ監督は何度もフリーズを掛けて選手たちにスペースを作る、使う連動した動きを求めていた。

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例えば、楔の縦パスが興梠選手に入った時、興梠選手の落としを阿部選手が受ける瞬間のワイドの動き出しやシャドーが退いた時に相手DFがマークで着いて来た場合と着いて来なかった場合のスペースを確認して動き出しや攻撃の状況判断などイメージの共有と連動した動きを厳しく確認していた。

ビブ組はボールを保持するもののラストパスや楔が収まらず苦しい展開となる中、攻守の切り替えが早いビブなし組の平川選手のクロスをズラタン選手が綺麗に合わせてゴールへと叩き込んだ。槙野智章選手から「ウガ!最後のパスがズレている」と指摘された宇賀神友弥選手の攻撃のイメージは良いものの、上手くパスやクロスが通らずに「あぁ~もう」とガックリと肩を落として項垂れるシーンがあった。

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しかし、ビブ組は前線からのプレスの掛け方が良く、興梠選手がインターセプトした後に槙野選手へと落とし、槙野選手がDFの裏を狙う振りから阿部選手へと展開し、阿部選手が狙ったDF裏へ武藤選手が飛び出してラストゴールを決めた。

攻守の切り替え素早く!前線からのプレスと後方からの攻撃の組み立ての約1時間半の戦術練習では、ミシャ監督が何度も声を荒げて選手たちに身体と頭に叩き込むスパルタ指導であった。

リーグ戦の新潟、鳥栖と2試合連続で0-0で引き分けで終った反省を元に、前から嵌め込む鹿島の守備を想定した練習が終わると選手たちは、グッタリと疲れた表情をしてロッカールームへと引き上げていった。

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