浦和フットボール通信

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ゴール動画付き 【河合貴子の試合レビュー】明治安田生命Jリーグ1stステージ第13節 vsFC東京<阿部、柏木、興梠、駒井、槙野、李コメントあり>

FC東京に逆転勝利。連敗を3で止める

今にも雨が降り出しそうな平日のナイトゲームに、24,368人の観客がホーム埼玉スタジアムに集結した。3連敗をして、1stステージ優勝の夢が絶たれた浦和にとって、年間首位を目指した新たな闘いの始まりであった。対戦相手のFC東京は、直近の試合は3分けと波に乗れずに11位と低迷している。両チーム共に巻き返しを図るための足がかりにしたい試合であった。

FC東京のキックオフで始まった試合は、立ち上がりから浦和が積極的に仕掛けていった。最初にチャンスを作ったのは、浦和であった。槙野智章選手から大きく逆サイドの関根貴大選手へ展開すると、関根選手のマイナスのクロスを李忠成選手が合わせていった。

FC東京は、4-4-2とDFラインを高めに設定しながらしっかりとブロックを作りカウンターを虎視眈々と狙っていた。城福監督は「カウンターをしっかりと狙うことをチームとして共有してゲームに入り、マイボールにするところと素早いカウンターのメリハリを付けていこうと、前半はプラン通りだった」と話した。

11分には、森脇良太選手のアーリークロスを興梠慎三選手がヘディングシュートを放つも秋元陽太選手の好セーブに合って決めきることが出来なかった。

主導権を握る浦和であったが、思わぬ形で失点してしまった。13分、後方からの攻撃の組み立ての中で、阿部勇樹選手がDFラインへの戻しのボールを米本拓司選手に狙われ、奪い返しに掛かるもこぼれ球がネイサン・バーンズ選手へと渡り素早くムリキ選手へ、ムリキ選手のリーグ初ゴールを決まり0-1。

阿部勇樹選手は「毎回必ず4枚だと(ボランチがDFラインに入って)プレスの掛け方を相手も練習してきてると思う。精度を上げていかないといけないし、正確に出さないと相手の1点目みたいな感じになってしまう。するからには、(パスを)通して前を向けるシーンを増やして行ければ良い」と話した。

1点を追う浦和は、堅いFC東京の守備を崩そうと猛攻を仕掛けるが、前線にワイドの選手を含めて5人が張り付く感じになってしまい、なかなか決定機を作り出せずにいた。

柏木選手は「段差を作れ!俺が、ドリブルで運んだときは、足下を狙っているから裏に走って欲しい。俺が運ばず余裕を持ってるときは足下に入れるし、運んでルックダウンした瞬間に誰かが裏に走る状況を作って欲しい。相手がきた時に裏を狙ってセカンドボールを拾ってやろうと意識していた」と試合中も前線の選手たちにジェスチャーでしきりに伝えるシーンがあった。

27分には、柏木選手とのワンツーで抜け出した関根選手のクロスを武藤選手がシュートを放つが枠を捉えることが出来ずにいた。攻め続ける浦和であったが、31分にネイサン・バーンズ選手選手がボールをキープしながら粘り、浦和は4選手がボールを奪いに行くがそのこぼれ球が、ペナルティーエリア内の橋本拳人選手に渡り0-2とされてしまった。

柏木選手は「ゴチャゴチャとして、相手にボールがこぼれてしまった」と振り返っていた。

前半、主導権を握るも崩し切れずに0-2で折り返した。ロッカールームへと向かう浦和の選手たちを鼓舞するチャントがゴール裏から流れていた。

そして、ハーフタイムに浦和のロッカールームでミシャ監督は「この試合は、絶対に勝てるぞ!」と確信を持って選手に声を掛けてピッチへと送り出していた。後半も立ち上がりから主導権を握ったのは、浦和であった。

興梠選手は「相手は足が止まってくると思う。2点獲られているし、僕らは出ていくしかない。その分、スペースは空いてくる。簡単にワンタッチで叩いたりとか、後半はボランチが自分の近くにいたから結構スムーズにパス回しが出来たと思う」と話した。

しかし、56分にはカウンターからムリキ選手がゴールを狙うも左ポスト直撃!浦和は、サイド攻撃を活性化するために58分に関根選手に代えて駒井善成選手を投入。さらに63分、武藤選手に代えて梅崎司選手を投入した。

駒井選手は「0-2だったので、やるしか無いし、出し切るしかないと割り切っていた。振り切ったと思ったら足に当たったり、タッチ割ったり、ギリギリのところを攻めているんだけど、チャンスを潰した。観ていてもボールの回しが良くなく、窮屈そうだった。う~んって思ったんだったけど、サイドに上手く航(遠藤選手)や槙野君、モリ君(森脇選手)から入っていた。相手が4DFだったのでやりやすいかなぁ~と思っていた」と積極的にサイドから崩していった。

そして、66分に遠藤選手からのロングボールに宇賀神選手が絶妙なトラップで抜け出したところを徳永悠平選手がクリア。獲得した左CKの崩れから森脇選手から右バイタルエリアの興梠選手へ、興梠選手のクロスに合わせた槙野選手のヘディングシュートが決まり1-2とした。

槙野選手は「1点獲れば大きく変わると思った。居残りでクロスの練習をしてきた。ここに上げろ!このタイミングで入って来いってやってきた。僕があの瞬間決めましたけど、僕の前に阿部選手がいて、僕の後ろに李選手がいた。僕は、阿部選手に「スルー」と声を掛けたし、後ろの李選手は僕に「スルー」と声を掛けた。誰が決めてもおかしくなかった。結果的に僕が決めた」と嬉しそうに話していた。

72分には遠藤選手のサイドチェンジを駒井選手がヘディングで折り返して興梠選手へ、興梠選手はペナルティーアーク付近に走り込んだ槙野選手へと落とし、槙野選手が右足を振り抜きゴール左隅へと叩き込んで同点に追いついた。

2ゴール目を決めた槙野選手は「前日練習で、何故か戦術僕と言うのがあった。GKが蹴って、僕がトラップしてボランチに預けて、そのままヒュルっと上がって、慎三が落としてそのままシュートすると言うのがあった。僕たちもやっていて絶対この形は無いだろうと思っていた。でもやっぱり練習でやったことが今日の試合で起きた」と試合前日練習の成果の賜物であった。

更に78分、柏木選手のFKのクリアーボールを拾った森脇選手のシュートのこぼれを阿部選手が狙うもクロスバーに直撃!跳ね返りを李選手が胸で押し込み3-2と逆転撃を決めた。

「自分のところに来ると思っていた。こういうところで決めるのは、俺にしかいない。小説に書いてあるみたいなシナリオ通りだ。決めるべきして決めた。僕のイメージ通りだ」と嬉しそうに話した。

逆転に成功した浦和は、4分のアディショナルタイムも集中を切らすことなくしっかりと試合を締めてFC東京を3-2で下した。3連敗を止めた浦和は、5月8日大宮に1-0に勝利を飾って以来の6試合ぶりの勝利となった。

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