浦和フットボール通信

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【河合貴子の試合レビュー】明治安田生命J1リーグ2ndステージ第2節 vs柏レイソル<柏木、李、阿部、興梠コメントあり>

Report by 河合貴子

リーグ戦、2ヶ月ぶりに完封勝利!

梅雨前線の影響で心配されていた天気であったが、試合開始前には雨が上がり茜色の夕焼けが埼玉スタジアムを包み込んだ。2ndステージ開幕戦をアウェイの福岡で一人少ない過酷な状況で逆転勝利を収めた浦和は、ホームに2ndステージ起死回生を狙う柏を迎えた。

柏の先発平均年齢は、23.73歳と若手中心のメンバー構成であった。ちなみに浦和は、28.55歳であった。また、福岡戦で一発退場処分となった槙野智章選手は出場停止。浦和のDFラインは、左ストッパーを森脇良太選手、右ストッパーを遠藤航選手、リベロに那須大亮選手に任せる布陣となった。

柏のキックオフで開始した試合は、最初にチャンスを作ったのは柏であった。クリスティアーノ選手が大きく逆サイドの伊東純也選手へと展開し、伊東選手の落としを湯澤聖人選手がアーリークロスを入れて、クリスティアーノ選手がヘディングシュートを放っていった。

柏は、前からプレスを掛けながらブロックを形成した守備を見せ、攻守の切り替え早くボールポゼッションしながら攻撃を組み立て主導権を握っていった。

ミシャ監督は「前半、チームの強さである後ろからの攻撃の組み立てが出来なかった。繋ぐことを恐れ長いボールを多用していた」と不満を口にした。

決定機を最初に迎えたもの柏であった。16分、伊東選手がDFの裏に抜け出しシュートを放つもゴールの枠をギリギリ掠めるように逸れていった。

浦和も楔の縦パスが入らない中、19分には柏木選手の左CKをファーサイドで遠藤航選手がハーフバウンドに合わせてシュート。

22分にも柏木選手の横パスを阿部勇樹選手がミドルシュート!しかし、身体を張った柏のDF陣やオリンピックメンバーに選ばれたGK中村航輔選手の好セーブに阻まれてしまった。

柏木陽介選手は「最初にやられるのが嫌だった。監督は繋げと言っていたけど、チュン君(李忠成選手)競った裏がチャンスだと思った。もう少し繋ぎたかった意識はあった」と話していた。

なかなか自分たちの攻撃のリズムが作れない中、29分に李選手がカウンターの起点となり関根貴大選手へ、関根選手から興梠慎三選手へと繋ぎ、興梠選手がDFを釣ってゴール前に走り込んできたフリーの李選手へ、しかし決定的なチャンスに李選手は決めきることが出来なかった。

李選手は「いやぁ~やってしまいました。1対1になるとGKが出て来るのは知っていた。得意な出方のビデオを見ていたので、出て来たなぁ~と思った。余りにもGKの動きが見えすぎて、嬉しすぎて外れてしまった」と逃したビックチャンスを振り返った。

苦しい展開を強いられた浦和であったが、31分に伊東選手に武藤選手が倒されてFKを獲得。そして、FKのボールサイドに阿部選手と柏木選手が立ち、柏木選手が蹴ると見せかけボールをまたぎ、阿部選手が右足で直接狙ったFKが中村選手の手を掠めてゴールネットへと吸い込まれていった。

柏木選手は「阿部ちゃんが良いキックを蹴れるのを俺は知っていた。マキ(槙野智章選手)より阿部ちゃんだろう?!とずっと思っていた」と自慢げに話し「良い位置だし、壁の位置見て阿部ちゃん蹴ってとセットした。そしたら、阿部ちゃんが全然行かへんからどうした?と言ったら、またいでと言われた」と嬉しそうに話した。

阿部選手は「ファーサイドに蹴ることが多かったけど、近すぎず、遠すぎずだったのでしっかりボールミート出来れば良いかなぁという気持ちで、本当に丁度乗っかった感じだった。入って良かったと思う。僕が蹴ると相手も思っていなかっただろうし、走り抜けて欲しいと伝えて、その方が自分もタイミング的に蹴りやすかった。結果、入ってくれたし、自分のリズムで蹴れた。いろんなことが出来る場所だった」と照れながら話した。

32分の阿部選手の直接FKで先制した浦和は、少し落ち着きを取り戻していった。しかし37分、秋野央樹選手の思い切りの良いミドルシュートはクロスバーに直撃!浦和は、柏の攻撃を凌いで1-0で前半を折り返した。

なかなかボールをポゼッションした後方からの攻撃の組み立てが出来ず、攻撃のリズムが生まれない中で、ミシャ監督は「もう少しボールを動かして、縦パスを狙っていこう。2点目を取りに行こう」と前半の修正を図っていった。

一方、1点を追う柏の下平隆宏監督は「前半は、自分たちのやりたいことがやれている。自信を持って、後半も続けよう」と選手をピッチへと送り出した。

後半、立ち上がりから主導権を握ったのは浦和であった。50分、宇賀神選手のパスを興梠選手がポストプレーで落とし、李選手がワンツーで抜け出して興梠選手からの浮き球をダイレクトボレーで放ったループシュートは、中村選手の頭上を越えてゴールへ綺麗な弧を描いて2点目が決まった。

興梠選手は「自分は体勢が悪かったので、後ろにチュンがいるのが見えたので落として、また自分がもらおうと思った。チュンから来て、自分のタッチが足下に入り過ぎたのでどうしようかと思ったら、チュンが走り出したのが見えた。チュンしか見えてなかった。難しいパスになったが、チュンが冷静に決めてくれた。あそこしかコース無かったし、見事なゴールだった」と話した。

難易度の高いゴールを決めた李選手は「2点目獲れて、ほぼ勝利が近づいたゴールが獲れたので今日は良しとします」と前半の決定機を外したことを反省しつつ帳尻を合わせた。

2点を追う柏を攻撃的な姿勢を貫き、浦和は主導権を握っていた。しかし、柏は71分にディエゴ・オリヴェイラ選手に代えてドゥドゥ選手を投入し攻撃を活性化して圧力を掛けてきた。徐々に押し込まれた浦和であったが集中を切らさずに、柏の攻撃を押えて無失点で2-0と勝利を飾った。

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