浦和フットボール通信

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【7/21 練習レポート】空いた3枠のポジションを奪うのは誰だ?

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Report by 河合貴子

鹿島戦に向けて、激化するポジション争い

シトシトと降り続く雨の中、涼しく感じながらも少しく動くと蒸し暑さが襲って来た7月21日。リオデジャネイロオリンピックサッカー日本代表で遠藤航選手、興梠慎三選手を欠き、平川忠亮選手は強めの左足関節捻挫(左足首)で長期戦線離脱と選手層が厚いとは言え、選手の少なさを感じるほどであった。

アップが始まると、3グループに分かれたボール回しの鳥かごでは、選手たちはリラックスした雰囲気で楽しそうであったが、どこか静かで違和感があった。チームメイトの弄られキャラの森脇良太選手が不在であった。森脇選手の身内にご不幸があり、忌引きで練習を休んでいた。ムードメイカーの森脇選手がいないだけで、チームの雰囲気は、明るさを欠くことになってしまった。

アップ後、鹿島を想定してハーフコートの両幅を5mほど短くして10対10のミニゲームが行われた。

ビブ組は、GK西川、DF槙野、那須、MF関根、阿部、柏木、駒井、武藤、梅崎、FWズラタン。ビブなし組がGK大谷・岩舘、DF宇賀神、永田、イリッチ、加賀、MF伊藤、青木、石原、高木、FW李だった。

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鹿島戦、累積で出場停止となった宇賀神友弥選手の代わりに関根貴大選手が左ワイドを務め、右のワイドを駒井善成選手が任されていた。

ビブなし組は、鹿島を想定して4-4-2を意識し、10人ではあるが高木俊幸選手と石原直樹選手がサイドハーフのポジションを取っていた。また、ビブなし組のDFラインはペナルティーアーク付近に設定されていた。

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1本目が始まる前に、阿部勇樹選手がDFラインに入り後方からの攻撃の組み立てで、少し高めのポジションを取った槙野智章選手へと展開すると、ボールサイドにスライドしたビブなし組の逆サイドのスペースの駒井選手へとロングフィードし、それに合わせて前線と柏木陽介選手の動きの確認を行った。

いざミニゲームが始まると、お互い前からのプレスが激しく一進一退の攻防戦となった。最初に決定的なチャンスを作ったのは、ビブなし組であった。

右サイドバックの加賀健一選手から大きく逆サイドの高木選手へとパスが通り、高木選手がシュートを狙っていった。ビブなし組のセンターバックを任せれたイリッチ選手と永田充選手の2人がゴール前で高さと対人の強さを見せ付け、徐々にビブなし組が主導権を握っていった。

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高木選手が放ったシュートのこぼれ球を青木拓矢選手が強烈なミドルシュートを狙ったり、良い守備から攻守の切り替えが早く、DFラインを押し上げてコンパクトにして攻撃のリズムを作り厚みのある攻撃を見せた。

押し込まれて前線のズラタン選手へを狙うロングボールが多くなったビブ組は、柏木選手から「繋げるところは繋いで行こう!」と声が掛かると、楔のパスを退き気味に受けた梅崎司選手からエリア中央のズラタン選手へ、ズラタン選手の落としを走り込んだ柏木選手がシュートを放つも大谷幸輝選手のスーパーセーブで決めることが出来ずにいた。

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ミシャ監督からも「パス!パス!パス!」とポゼッションしながら攻撃を組み立てる要求が飛んでいた。1本目が終了すると、柏木選手は納得が出来ない表情を浮かべて首を傾げて1人考え込んでいた。

2本目が始まる前に、ビブ組の選手たちは「ウメちゃん、切り替えのところね」などとそれぞれが声を掛け合い修正を図っていた。すると、立ち上がりから主導権を握ったのはビブ組であった。

ズラタン選手のポストプレーから、阿部勇樹選手がオーバラップを見せてDFの裏を狙う動きを魅せた。だが、固いビブなし組のDFラインの中央をこじ開けることは出来なかった。

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運動量があり攻守の切り替えが早いビブなし組は、伊藤涼太郎選手からの横パスを受けた高木選手のシュートはクロスバー直撃するなどチャンスを作っていった。

また、前線からのプレスで高い位置でボールを奪い、西川周作選手の動きをしかりと見た李忠成選手の華麗なループシュートが決まった。

何とか打開したいビブ組は、梅崎選手がドリブル突破を試みたり、槙野選手がミドルシュートを狙ったりしていったが、いずれも単発で終わり厚みのある攻撃を仕掛けることが出来なかった。

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ミニゲームは、段々とヒートアップしていき、石原選手と関根選手、宇賀神選手と駒井選手のサイドのバトルが見応えがあった。激しいバトルの中でラストゴールは、高木選手のシュートがクロスバーに直撃したこぼれを豪快なダイビングヘッドを叩き込んだ石原選手のゴールであった。

鹿島戦では、遠藤選手、興梠選手、出場停止の宇賀神選手を含めるとレギュラーポジションは3枠空く。空いた3枠を巡り、譲れない気持ちがミニゲームをより一層熱くさせていた。特に、ビブ組なし組となった選手たちの動きは、研ぎ澄まされていた。

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