浦和フットボール通信

MENU

【無料記事/選手ミニコラム】摩訶不思議体験~武藤雄樹選手

TAK_6728_R

(Report by 河合貴子)

長年、大原の練習場に通い選手たちを見つめて来たが、こんなことが実際に起こるなんて・・・。摩訶不思議と言うよりも怪奇現象とも思える出来事に初めて遭遇した。

正直、ヒッチコック監督の恐怖映画「鳥」を思い出してしまった。

アップのボール回しの通称鳥かごが終わり、3~4人1組となって行われる基本のパス練習で、武藤雄樹選手に異変が起きた。

ボールをトラップした瞬間、突然「痛ぇ~」と左目を押えたのだ。一緒にパス回しを練習していた加賀健一選手と高木俊幸選手が「どうした?!」「大丈夫?!」と心配していると、武藤選手は「目に蟻(アリ)が入った」と言い出したのだ。

加賀選手が「蟻?!そんなはずないだろう??」と疑心暗鬼。「マジ、蟻だって」と武藤選手は言い張っていた。

そんな馬鹿なことが・・・と武藤選手を見るとしきりに左目を気にしている。目にゴミが入ることは良くある話しであるが、蟻が目に入るなど聞いたこともない。まぁ、大事には至らず武藤選手は、その後は何事も無かったように練習に取り組んでいた。

だが、「蟻が目に入った」と主張していた武藤選手が気になって練習後に話しを聞いて見ることにした。

武藤選手は興奮気味に「本当に蟻でした!イヤ~ビックリしましたよ!ボールが飛んで来て、その瞬間に目にゴミかなぁって思って見たら蟻だった。何でか分からないけど・・・。本当にビックリした」と話していた。蟻と言っても羽アリではない。ごく普通の蟻だ。

想像して見て欲しい。地べたを這っている蟻が、風に乗って飛んで来るほど強風が吹いていた訳でもないし、選手が蹴ったボールに蟻がしがみついていたとも思えない。本当に不思議な話である。蟻が飛んで来て目に入るというあり得ない摩訶不思議な体験をした武藤選手であった。

以前、試合中に蝉が飛んで来て坪井慶介選手に止まったことがあった。確か、太もも辺りだったと思う。しばらくの間、蝉はおとなしく坪井選手にしがみついていたのだ。坪井選手は自分に止まった蝉を見て「どれだけ俺は、運動量が少ないんだ」と悟った。

ならば、武藤選手の目に飛び込んだ蟻は、何を啓示しているのだろうか・・・。名古屋は、蟻が這い出る隙間がないぐらい守備を固めてくる。ならば浦和は、蟻の穴から堤も崩れるで、名古屋DFを崩壊させてやる。武藤選手の摩訶不思議体験から、思わず想像の翼を広げて考えてしまった。

武藤選手が、ただひたすらに勝利を目指してゴールへと走り続ければ、蟻の思いも天へと届くはずだ。

注)蟻が這い出る隙も無い~ほんの少しの隙間がないほど警戒が厳重である
蟻の穴から堤も崩れる~小さな油断や不注意から、大きな失敗や損害を引き起こす
蟻の思いも天へに届く~一心に努力して願えば、希望を叶えることが出来る

ページ先頭へ