浦和フットボール通信

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<ハイライト動画付き>【河合貴子の試合レビュー】明治安田生命Jリーグ2ndステージ第9節 vs川崎フロンターレ<武藤、興梠、森脇、那須コメントあり>

首位攻防戦、川崎に1-2で惜敗

台風11号の影響で大気が不安定となり大荒れとなった8月20日。試合開始前に激しく降り続いていた雨も止んだが、蒸し暑さだけがピッチに残っていた。
年間首位と2ndステージ優勝の鍵を握る首位攻防戦となった川崎戦には、悪天候にもかかわらず「PRIDE OF URAWA」の横断幕と共に旗の波で選手バスを出迎え、4万4176人の人々が試合の行方を見守った。

名古屋戦以降、体調不良で練習を休んでいた関根貴大選手に代え、駒井善成選手をスタメンで起用。また、リオデジャネイロオリンピックから帰国した遠藤航選手と興梠慎三選手はベンチに控えた。

一方川崎は、大島僚太選手をスタメンで起用し、風間八宏監督は「自分たちが、ボールをしっかり持って崩すという課題で、レッズに対してどれだけボールを持てるかで、ボールを取らせない」と3-4-3のシステムで挑んで来た。

川崎キックオフで始まった試合は、立ち上がりから浦和が主導権を握っていった。駒井善成選手のクロスをゴール前で李忠成選手が身体を張って高木俊幸選手へ、高木選手のシュートはゴールわずか左へと逸れていってしまった。

川崎は両ワイドが下がり5バックを形成する中で、浦和はピッチの幅を使いサイドから揺さぶりを掛けてゴールを狙っていった。

しかし、左の2列目のポジションである中村憲剛選手が自由にポジションを代えて動き回り、徐々に試合の流れが川崎へと傾きかけると、15分に大久保嘉人選手がルーズボールを拾って小林悠選手へ、小林選手がドリブルで仕掛けて切り替えたところに中村憲剛選手が走り込みゴールを決めて川崎が先制。

「最初は、前でボールを獲ってチャンスを作ったが、川崎はゲームを落ち着かせるのが上手かった。失点は、僕のパスミス。獲られたあとにやられた。悔しい」と武藤雄樹選手は話した。

1点を追う浦和は、森脇良太選手のアーリークロスをファーで高木選手が狙ったり、駒井選手がドリブルの仕掛けで崩したりと厚みのある攻撃を見せていった。そして28分、森脇選手からDFの裏を狙う縦パスのクリアーをボールを森脇選手自ら走り込んで拾いゴール前へ、GKチュン・ソンリョン選手と武岡優斗選手がクリアーを試みるものの李選手が執念でゴールへと押し込み1-1と同点とした。

森脇選手は「セカンドボールを僕らが全部拾う狙いで、自分もそこに加わりたいと思っていた。セカンドボールを予測して、奪って行こうと思ったら、インターセプト出来るところに落ちて来て奪ったらチュン君(李選手)が見えていた」とセカンドボールを狙い走り続けた結果であった。

同点ゴールを決めた李選手は「森脇が上手くボールを奪取してくれて、中で詰めるだけだった。1点獲られても焦らずに自分たちを信じて遣った結果、試合を振り出しに戻せた」と話した。

その後、お互い攻守の切り替えが早い展開を見せたが、効果的な崩しを見せることが出来なかった。柏木陽介選手は「モリ(森脇選手)もフリー過ぎて全部入れるし、トシ(高木選手)も持ちすぎて捏ねて捏ねて、簡単にやれば良いのに」と攻撃の組み立てが上手く噛み合っていなかった。

39分には小林選手が意表を突くオーバーヘッドシュートを狙うも決まらず、41分には柏木選手のFKを李選手がヘディングシュートを放つもオフサイドの判定。両チーム共に決定的なチャンスを作れずに1-1で前半を折り返した。

後半になって最初にチャンスを作ったのは、浦和であった。48分、李選手からのパスを武藤選手がゴール左へと狙ったシュートは、チュン・ソンリョン選手の好セーブに阻まれてしまった。

54分、森脇選手のスルーパスに抜け出した駒井選手から折り返しを宇賀神友弥選手が狙うも決まらず、56分には高木選手がドリブル仕掛けたマイナスのクロスに武藤選手が合わすもまたもやチュン・ソンリョ選手に阻止されてしまった。

追加点を狙って猛攻を仕掛ける浦和であったが、60分に高木選手に代えて興梠選手を投入。

興梠選手は「前半、観ていて結構いけると思った。相手も攻撃に人数を掛けていたし、獲ったらカウンターもいけると思った。チャンスが有って、外したら向こうに試合の流れはいくと思った」と話し、交代直後はワントップでプレーをしていた興梠選手は、右のシャドウへとポジションを代えてチームに流れを引き寄せようとしていた。

「前で動いてもボールが入って来ないので、チュンとポジションを代わった。そしたら、相手も着いて来ないから攻撃を組み立ててやろうと思った。自分はフレッシュだし、ボールを触ればどうにかなるだろうと思っていた」と攻撃の組み立てを試みていた。

しかし、足が攣った中野嘉大選手に代わって森谷賢太郎選手がピッチへと送り込まれたその直後、74分に大島選手からエリア内のエウシーニョ選手へとパスが渡り、エウシーニョ選手が浦和のDF陣の間を通す低めのパスをDFの裏へと狭いところを抜け出した森谷選手に決められてしまい1-2とリードを許した。

那須大亮選手は「ファール覚悟で行けば良かった。パスを選択されて不運だった。獲りきるところで獲りきれなかった」と起点を作った大島選手に対するプレスを悔やんでいた。

失点直後の75分、「自分が言いました。プレー出来ないのに、ピッチに立っていてもチームの力になれない」と森脇選手は話して遠藤航選手と交代した。更に78分には、宇賀神選手に代えて青木拓矢選手を投入。槙野選手を左のワイド、阿部選手を左のストッパーにポジションを代えて反撃体勢を整えていった。

しかし、82分に阿部選手が小林選手にボールを奪われてしまい、ショートカウンターで中村選手がシュートを放つも西川周作選手が阻止。84分には、大久保選手がゴールへと押し込み決まったかと思いきやハンドの判定。決定的なピンチを何とか乗り切った88分、遠藤選手、興梠選手、駒井選手と右サイドで早い縦パスで崩し、駒井選手のマイナスのクロスにフリーで武藤選手がシュートを放つも枠を捉えることが出来ず、思わず武藤選手は両手で顔を覆ってピッチに崩れ落ちてしまった。

決定機を生かせなかった武藤選手は「必ず1本は決められると思っていた。確実に1点獲れると思った。自分が決める自信があった。決めきれなかったことが敗因だ」とガックリと肩を落としていた。

最後まで諦めずに攻め続けた浦和であったが、追いつくことが出来ずに1-2で首位攻防戦となった川崎に敗戦を喫してしまった。

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