浦和フットボール通信

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【河合貴子の試合レビュー】今日のポイント「監督退席処分もゲームプランを完遂」

今日のポイント!!

神戸の攻撃の起点となるペトロジュニオール選手がいくら出場停止とはいえ「何で、大事なリーグ戦を神戸に負けたのだろう?」と疑問に思うほど浦和は強かった。

立ち上がりから、アウェイゴールを求めて神戸は勢い良く仕掛けてくると予想していた。だが、神戸は意外と冷静に90分のゲームプランの中でしっかりと意思疎通を図り、虎視眈々とカウンターを狙っていた。ただし、それは浦和が先制するまでの話であった。失点をすると神戸のゲームプランは見事に壊れた。

ネルシーニョ監督は「敵陣でのロングスローのチャンスを生かし切れず、カウンター1本で決められてしまった。今日の試合は、1点が大事だった。彼らにとって楽になる得点を与えてしまった。そこから、無理せずオーガナイズした組織で闘うプランを続行したが、要所要所で例えばズラタン選手が前線で収めるところとか、我々のDFが弾き返すことが出来なかった。浦和の選手たちのクオリティーのところで、我々が後手を踏んでいた。後半の最後の方は、浦和の選手、チームを見ていると彼らのいつもの練習を終えたような内容だ。相手にとって、脅威を与えるようなプレーが我々は出来なかった」と悔しさ噛み締めながら話していた。ダメ押しとなった李忠成選手が決めた4点目などは、正に攻撃の組み立てパターンからのシュート練習で見たような見事なゴールであった。

浦和を襲ったハプニングは、29分にミシャ監督が退席処分となったことであった。浦和が先制点を叩きだし追加点を重ねて行ったのは、監督が不在になってからのことであった。

大谷幸輝選手「監督が居なくなったのは、ハーフタイムに気が付いた」と監督が退席処分となったことを気が付かないぐらい試合に集中していた。

関根貴大選手は「何が起きたか分からなかった。そういう状況でも今までやってきたことを続けるだけだ」と動揺することも無かった。

また、ズラタン選手は「監督が常に求めているものは、しっかりと僕らの頭の中に入っている。監督が居なくなっても、それが消える訳ではない。刻まれている。後半もチームとしてブレなかった。監督の指示をしっかりと一人一人が理解しているからこそ問題なくやれた」と自信を持ってプレーしていた。

高木俊幸選手は「間違いなく、監督が言い続けていることが選手に染み付いている。監督が居なくても、あれだけサッカーが続けて出来るのは、普段からの監督の指導のお陰だと思う」と身体に染み付いたことを実践していた。

ミシャ監督が不在の中でも、冷静さを失わずにいつも通りに攻撃的な姿勢で、DFラインを高く保ちコンパクトにして攻守の切り替えを早く大量得点で神戸を下すことが出来たのだ。

ただ、60分に3点目が決まり(神戸が4点を決めない限り浦和の敗退ない)準々決勝突破が見えた段階で、イリッチ選手や加賀健一選手、永田充選手をピッチへと送り込む余裕があったはずだ。決められた采配ではなく、この先の闘いを考えて選手を試す采配をしても良かったのではないかと考えてしまう。

梅崎司選手が、左膝前十字靱帯損傷で長期離脱を余儀なくされてしまったように、何が起こるか分からない。退場や累積によるハプニングもある。試せる試合で試してこそ、選手層の厚さに重みが加わるのではないだろうか・・・。快勝した試合だけにケチは付けたくないが、その点だけが唯一残念でならない。

また、退席処分を受けたペトロヴィッチ監督は、ルヴァンカップ準決勝第1戦のFC東京戦にベンチ入りが出来ないこととなった。

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