浦和フットボール通信

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【9/9 レッズ練習レポート】鳥栖戦に向けて激しいポジション争いに手応え。ペトロヴィッチ監督「集中力をもって闘う」

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(Report by 河合貴子)

いざ、リーグ再開!鳥栖戦で連敗を止める!

夏の終わりを感じる分厚い雲が、大原の上空を覆った9月9日。練習場に隣接する大原中学校からは、秋の運動会の練習する声が長閑に聞こえて来た。代表ウィークが終わり、リーグ再開となる鳥栖戦の前日練習が始まる前には、二日連続となる約1時間にも及ぶ念入りなミーティングが行われた。

ミーティングが終わり、最初にピッチに姿を見せたのは西川周作選手であった。そして、柏木陽介選手が「ゴール運んだ方が良くない?」と声を掛けてチームメイトを集めてゴールを設置した。

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時折、雲の切れ間から西日が差し込む中、堀コーチの合図で午後4時過ぎにアップが始まった。選手たちの笑い声が響き、リラックスした雰囲気であったが、ミニゲームが始まると様子は一変した。

ハムストリング肉離れで離脱していた槙野智章選手とチームを離脱していた代表組の復帰に伴い、カップ戦で結果を残した選手たちとの間でスターティングイレブンの座をかけて、熾烈とも言える激しいポジション争いの場となった。

ビブ組はGK西川、DF槙野、遠藤(那須)、森脇、MF宇賀神、青木、柏木、関根、高木、武藤、FWズラタン(興梠)。ビブなし組は、GK大谷・岩舘、DF永田、イリッチ、加賀、MF平川、伊藤、那須(遠藤)、駒井、石原、李、FW興梠(ズラタン)だった。ちなみに、阿部勇樹選手は、ミニゲームには参加せずに別メニューでコンディション調整をしていた。

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「モリ!航!声を出して行こうぜ!」と槙野選手が気合いを入れて、1本目がスタートした。

しかし、立ち上がりから主導権を握ったのはビブなし組であった。ビブなし組のボランチで起用された那須大亮選手が、中盤でボールを奪うと攻守の切り替え早くDFの裏を狙った興梠慎三選手へと縦パス1本でチャンスを作った。

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さらに、DFラインからサイドへと大きく展開してビブなし組が攻勢を掛けてきた。だがクロスのタイミングが合わず、逆にキャッチした西川選手が起点となって前線へとロングフェードすると前線のズラタン選手が冷静にゴールへと流し込んだ。

先制点で流れを掴みDFラインを押し上げたビブ組であったが、退き気味のポジションを取った興梠選手がビブ組のDF陣の意表を突くミドルシュートを倒れ込みながら決めた。

それでも、ビブ組のDFラインは下がらずに、高い位置を保ちセカンドボールを拾いながら攻撃を仕掛け、高木選手のシュートのこぼれ球をズラタン選手が押し込んだ。

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2本目が始まる前には、興梠選手とミシャ監督が動きの確認を行い、興梠選手とズラタン選手を入れ替えた。また、カップ戦で3DFの真ん中を務めて結果を出した那須選手と遠藤選手を入れ替え、遠藤選手が初めてビブなし組のボランチを務めることとなった。

2本目、前線から激しいプレスを掛けて主導権を握ったのは、ビブ組であった。関根貴大選手が中盤のスペースへとポジションを取り、森脇良太選手がオーバーラップするスペースを作り、逆サイドが森脇選手へ、森脇選手の落としを受けた関根選手がアーリークロスを入れると、斜めにニアへと走り込んだ武藤雄樹選手が見事なヘディングシュートを決めた。

ビブ組みの激しい前線からプレスに対してビブなし組は、思いっ切りDFラインを高く取りイリッチ選手や永田充選手、加賀健一選手が攻撃に参加して中盤で数的優位を作っていった。

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すると槙野選手から「トシ!GO!」と声が掛かるとそれがスイッチとなり、ビブ組もDFラインを押し上げていった。一進一退の攻防の中で、セカンドボールを拾った青木拓矢選手から、宇賀神友弥選手がグランダーのクロスを入れるがタイミングが合わず、柏木選手の縦パスから興梠選手がシュートを放つが大谷幸輝選手の正面。

ビブ組がチャンスを生かせない流れの中で、好調をアピールしたのは高木選手であった。左からドリブルでカットインしてシュートを撃つと見せかけフリーの武藤選手へ、武藤選手はキッチリとゴールへと叩き込んだ。

良い攻撃のリズムが生まれたビブ組であったが、ラストゴールは平川忠亮選手のクロスを李忠成選手が頭1つ競り勝ち、力強いスキルの高いヘディングシュートを魅せ付けた。

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約1時間で練習が終わり、選手たちはコンディションに合わせて居残り練習をしていた。特に目をひいたのは、興梠選手であった。

試合前日に負荷を掛ける居残り練習を槙野選手が、行うのはいつものことである。その負荷を掛ける居残り練習に、初めて興梠選手が参加したのだ。汗ビッショリになりながら、負荷を掛ける居残り練習から引き上げる興梠選手の息は荒く「ダメ~話せない・・・」と一言だけ残してロッカールームへと引き上げていった。かなり、興梠選手は身体を追い込んでいた。

試合前までに、しっかりと回復を心掛ければ、切れ味鋭い動きでゴールを決めてくれるだろう。

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ペトロヴィッチ監督「集中力をもって闘う」

練習後、ミシャ監督は「リーグ残り7試合。それぞれの試合が重要で、重みを持ってくる」と年間首位と2ndステージ優勝を視野に入れて話して「明日の鳥栖戦。目の前の相手が最も重要だ。2ndステージが始まって、鳥栖は良い成績を残している。チームとして闘い、規律をもって豊富な運動量と球際に厳しくポイントを重ねてきた。失点しない守備的な闘いから、カウンターとセットプレーで得点を挙げて勝利してきた。我々は、鳥栖に対してコンセプトを持って闘う話をして、狙いを持ってトレーニングをしてきた。勝利を目指して、集中力をもって闘う」と険しい表情で話した。

ミニゲームでは、激しいポジション争いが見えて、非常に手応えがあった。誰が、どの組み合わせで鳥栖戦をスタートするのか楽しみである。監督も悩ましいはずだ。そう思えるほど、選手たちの動きは良かった。

リーグ2連敗中の浦和だが、カップ戦の2連勝で気持ちは切り替わっている。鳥栖戦を勝利で飾り連敗を止めて、年間首位と2ndステージ優勝に向けた足がかりにしたいところだ。

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