浦和フットボール通信

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<ハイライト動画付>【河合貴子の試合レビュー】明治安田生命Jリーグ2ndステージ第11節 vsサガン鳥栖<柏木、西川、宇賀神、武藤、李コメントあり >

リーグ再開となった鳥栖戦、カップ戦連勝の流れで連敗を止める

夕方になると、風が涼しく感じられる9月10日。それでも、ピッチの湿度は73%とかなり蒸し暑い状態であった。YBCルヴァンカップ準々決勝を2連勝し波に乗る浦和は、その勢いでリーグ2連敗を止め年間首位と2ndステージ優勝に向けて弾みを付けたい。

ハムストリングの肉離れで代表を辞退し、鳥栖戦復帰を目指して調整してきた槙野智章選手が、スターティングイレブンに名前を連ねる中、カップ戦で好調だった那須大亮選手を3DFの真ん中に起用し、さらにカップ戦と同じくズラタン選手のワントップに武藤雄樹選手と高木俊幸選手をシャドーで起用してきた。

浦和のキックオフで始まった試合は、開始早々にこぼれ球を拾った森脇良太選手がミドルシュートを放ち攻撃的な姿勢を見せていった。

鳥栖は、豊田陽平選手とムスタファ・エル・カビル選手のツートップとして4-3-1-2の布陣で挑んで来た。鳥栖は、浦和の攻撃に対して高橋義希選手がDFラインに入り5DFを形成し、縦に早い攻撃を仕掛けて来た。

柏木陽介選手は「ゲームの入りが良くなかった。相手の回しのところに行けてなかった」と話した。西川周作選手も「15分ぐらい、バタバタした。ゼロで行ければ良いと余裕があったが、芝生がねちっこくて繋ぐのが難しかった」と浦和らしい後方からの攻撃の組み立てが出来ずにいた。

すると、那須大亮選手がDFラインを上手くコントロールしながら押し上げていくと浦和らしい攻撃のリズムが生まれ始めた。そして、柏木選手が「相手が前から来ていたから、良いタイミングで下がって行けたらもう少し(パスが)回るかなと思った。両サイドが空いていなかったから、難しかった。モリとマキのところを使いながら攻撃を組み立てて行ければ良いと思った。俺が、落ちなかったら上手くプレスを嵌められるシーンが多かった」と攻撃を組み立てていった。

19分、相手のクリアーミスを狙ったズラタン選手が、GKと1対1になるビックチャンスが訪れるも決めきれず。さらに、24分にも宇賀神友弥選手のクロスをズラタン選手がヘディングシュートを放つも決定機を逃してしまった。しかし、鳥栖には決定的なチャンスを与えることなくゲームをコントロールしていった。

そして、前半終了間際の41分に柏木選手から右バイタルエリアの関根選手へと展開し、クロスを入れることが出来ない関根選手が森脇選手へと一端下げると、森脇選手、武藤選手、ズラタン選手とテンポ良くパスが通り、ズラタン選手の落としをしっかりと宇賀神選手が右足を振り抜き豪快なミドルシュートを決めた。

宇賀神選手は「相手が前からプレスに来ていたので、後ろからしっかり繋ぐ展開にはなかなか持って行けなかった。相手のロングボールに対して後ろで跳ね返してくれていたので、セカンドボールもしっかり拾えていた。関根が深い位置に行った中で、森脇君に落とした時点でクロスはないかなとイメージした。しかも金民友選手がボランチに落ちていたので、そこのカウンターを止める意味でセカンドボール拾えるポジショニングだった。意識している中で、ズラにボールが入った。攻撃も守備も出来る絶妙なポジションだった」と攻守のイメージ下で生まれた先制点であった。

だが、その直後に藤田優人選手のアーリークロスをムスタファ選手が上手く合わせてシュートを放つも西川選手がファインセーブ!

このまま1-0で前半が終わると思った44分、阿部選手がピッチ中央をドリブルで持ち上がり、関根選手へと縦パスが入ると関根選手のスルーパスに走り込んだ武藤選手がゴール左隅へと流し込み2-0。

武藤選手は「本当に良いタイミングで関根がボールを出してくれた。相手のGKを感じながらファーに決めることが出来た。凄く落ち着いていた。相手がしっかりと守って来ることは分かっていたので、止まらずに裏を狙って行こうと思っていた。ミシャ監督からもずっと言われていた。」と嬉しそうに話した。そして、ベンチ前では左膝前十字靱帯損傷で手術をした梅崎司選手のユニホームを掲げて、一緒に闘っている思いを伝えるシーンもあった。

2点を追う鳥栖は、福田晃斗選手を右ワイドへと代え3-4-1-2と浦和のサイドをケアしながら中盤を厚くしてきた。しかし、浦和の勢いは止まらない。56分には、高木選手がカットインからシュート、58分には鳥栖のDF陣のミスを突いた武藤選手が抜け出しGKと1対1を迎えるが、決めきることが出来ずにいた。

2をリードしている浦和であったが、さらなる追加点を求め62分にはズラタン選手と高木選手に代えて、興梠慎三選手と李忠成選手を投入して圧力を掛けていった。

78分、関根選手から逆サイドの宇賀神選手へ、DFの裏を抜けた宇賀神選手はGKを引きつけてプレゼントパスを李選手へと送りビックチャンスを演出するが、李選手のシュートは僅かにゴール左へと逸れてしまった。

李選手は「個人的にチャンスがあったのに、決めきれなかった。GKの動きを見て飛んで来ると思ったから、右隅をギリギリ狙った。今日は、入らない日だ」と悔しそうに話し「次は、3点獲る!」とゴールを誓った。

浦和は、カウンターのチャンスをうかがいながら、しっかりとブロックを作り鳥栖の攻撃の芽を摘んでいった。アディショナルタイムには、途中出場した富山貴光選手のクロスをファーサイドで谷口博之選手にヘディングで合わせられるが、ここは西川選手が落ち着いてゴールを死守。

試合を決定づける3点目を決めきることができなかったが、試合全体を上手くコントロールした2-0と鳥栖を下し完封勝利を飾った。

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