【河合貴子の試合レビュー】今日のポイント「残留争いに向けて大きな連勝」吉田監督「この2戦に負けたら入れ替え戦、2部に落ちると思っていた」
今日のポイント!!
中断明けのなでしこリーグを最下位からスタートした浦和。中断期間中に開催されたカップ戦での戦いで自信を取り戻し、コノミヤ・スペランツァ大阪高槻に4-0で勝利して得失点差で8位に浮上した。最下位の10位は自動降格、9位は入れ替え戦となる。残留に向けてのボーダーラインは8位である。残留ボーダーラインの8位浦和対9位岡山湯郷Belleの対戦となった。
吉田靖監督は「直接対決で高槻(コノミヤ)に勝ちこの試合、チーム事態は良くなって来ている手応えがあったが、慎重に闘うつもりだった。この2戦に負けたら入れ替え戦、2部に落ちると思っていた。選手たちには普通のゲームのようにとやってきたが、僕自身は負けられないとやってきた」と平常心を装いながら選手たちが普段と変わらない力が出せるようにとピッチへ送り出していた。
森周三監督代行は「ストロングポイントは、前半我慢出来るところだ。前半、凌いでどう打開していくかだった。シュートを課題にあげてトレーニングを積んできた。ネガティブにプレーをさせる訳にはいかない。ポジティブが大事だった」と前半は堪え忍んで、後半に勝負を掛けるもくろみであった。
確かに前半は、浦和が圧倒的にボールを支配していた。だが、上手く守られてしまい得点はPKで獲得した1点のみであった。後半の立ち上がりからも浦和が主導権を握る中、58分に対人強いDF小林選手をFWで起用してボールキープから攻撃を仕掛けられるように4-4-2のシステム変更をしてきた。その直後の岡山のビックチャンスをしっかりと池田咲紀子選手が防いだのは大きなポイントであった。同点に追いつかれていたら、また違ったゲーム展開になっていたかも知れない。
だが、勝敗を分けた最大のポイントは、チーム事情だ。
森監督代行は「ベンチに置いておく、カードを持っていないとゲームが出来ない。台所事情で残念なところだ」と無念さを隠しきれないでいた。
岡山の主軸となる宮間あや選手やチームの守護神の福元美穂選手などベテラン4選手が退団を申し入れたことが発端であった。結局、福元選手は8月にINAC神戸へと移籍してしまった。残留争いで苦しい中で巻き起こったお家騒動。
浦和は、残留を目指しオーストラリア女子代表選手のエミリー・ギルニック選手を獲得し、補強もした。チーム一丸となって闘う準備をしっかりとして来た。宮間選手には大変申し訳ないが、残留に向けて大事な時期にお家騒動が起きるチームとは、浦和は全く違う。全てにおいて、フットボールはチームワークだ。浦和を愛する人々と共に吉田監督、選手、クラブスタッフがチーム一丸となって闘える浦和が、岡山に負ける訳がない!!
残留に向けてまだまだ厳しい試合が続くが、浦和は絶対に乗り越えていくだろう。次節は、アウェイでINAC神戸と対戦。10月2日にホームでベガルタ仙台を迎え撃つ。強い気持ちを持って、チーム一丸となり勝利を目指し闘い抜いていく。