浦和フットボール通信

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<ハイライト動画付>【河合貴子の試合レビュー】ルヴァンカップ準決勝第1戦はFC東京に2-1で勝利。高木「自分は、あのようなゴールを獲りたいとイメージが強い。」<興梠、大谷、高木、平川、堀コーチコメントあり>

YBCルヴァンカップ準決勝第1戦アウェイで2-1でFC東京を下す。

大型台風18号の影響で、試合開始前から小雨がポツリポツリと降り出した10月5日。浦和は、3年ぶりYBCルヴァンカップ決勝の舞台を目指し、味の素スタジアムに乗り込みFC東京戦に挑んだ。準々決勝の神戸戦で退席処分となったためにミシャ監督はベンチ外、堀コーチが監督代行を務めた。

試合前日練習では左のストッパーを務めていた宇賀神友弥選手が、コンディションの問題でベンチ外となり左ストッパーを森脇良太選手が務めた。また、前日のミニゲームで青木拓矢選手と遠藤航選手のボランチを試していたが、右ストッパーに遠藤選手とし、青木選手と阿部勇樹選手のボランチとなった。

FC東京のキックオフで始まった試合は、開始早々からFC東京がハイプレスを掛けて主導権を握って来た。

堀コーチは「立ち上がりからFC東京が、アグレッシブに来るだろうから、最初は厳しい闘いになると話していた中、思った以上にボールを保持される時間が長くなった」と振り返った。

立ち上がり浦和が押し込まれる展開中、最初にチャンスを作ったのは浦和であった。前半6分、遠藤選手からクロスをゴール前で李忠成選手が潰されながらも粘りフリーで走り込んだ関根貴大選手へ。関根選手のシュートはGKに阻まれてしまった。

主導権を握られながらも浦和は、虎視眈々と先制点を狙って行った。15分には、武藤選手のポストプレーからズラタン選手が、18分には武藤選手がシュートを放つもいずれも枠を捉えることが出来なかった。

興梠慎三選手は「やられる感じは無かった。うちの方が決定的なチャンスがあった。それが決まらなかったから、ちょっと嫌な展開になるのかな」とベンチから試合の流れを見守っていた。

FC東京は、DFラインを押し上げてボールを繋ぎ攻撃を仕掛けてきた。19分には、室屋選手のクロスをファーサイドで前田選手がヘディングシュートを狙って来た。

大谷幸輝選手は「もっとプレスが来ると思っていたので、慌てずに出来た。押し込まれて回されて、DFラインがズルズルと下がってしまったが、みんなで我慢しようと声を掛けていた。危ないのは中なので、危ないところをみんなでカバーし合っていた」と話した。

押し込まれる展開でも、浦和は中を絞りFC東京に主導権を握られながらも粘り強い守備でFC東京に決定的なチャンスを作らせなかった。前半、FC東京に撃たれたシュートは、たったの2本であった。堪える前半であったが、決定的なチャンスを作っていた浦和が放ったシュートは5本であった。結局、スコアレスで前半が終了。

ハーフタイムに堀コーチからは「後半、立ち上がり集中すること。我慢しながら続けていくこと。慌てないでプレーすること」と指示が出ていた。

だが、後半の立ち上がり47分、いきなりFKのチャンスを当て得てしまった。東選手に直接FKをゴール左上を狙われるも大谷選手が左手1本で見事に止めた。大谷選手は「止められて良かった。距離もあったから」と笑顔を見せた。

好セーブを魅せた大谷選手であったが、49分に室屋選手のアリークロスをニアで羽生選手がヘッドで逸らしたところを東選手にヘディングで流し込まれて先制点を奪われてしまった。

大谷選手は「ボールホルダーに行けなくてクロスを上げられてしまった。全部が全部後手でやられちゃった。時間帯も早くて、良くなかった」と悔しそうに話した。

先制点を奪われると浦和は目覚めたように一気に猛攻を仕掛け行ったが、シュートまで持ち込めない展開になってしまった。そこで、李選手に代えて高木俊幸選手を投入し、関根選手と駒井善成選手のポジションを左右入れ替え、攻撃に変化を付けた。

高木選手は「前線の3枚が張り気味だったので、(ボールを)引き出せてなかった。出る寸前に指示をもらい、少し退いて受ける動きを意識して、良い形で間でボールを狙ってそこから空いたコースへ展開したりして、それが少し試合を変える展開となった」と笑った。

浦和が主導権を握る中、浦和のDF陣の意表を突く早いリスタートのFKを羽生選手が狙い、見事に中島選手がDFの裏に抜け出し大谷選手の1対1となったが、大谷選手は「角度がなかったから、自分から動いてコースを空けちゃうのダメだし、普段から練習しているのでそれがしっかりと出来た」と落ち着いて対応し追加点を許さなかった。

70分、関根選手に代わり、3月2日ACL浦項戦以来の出場となる平川忠亮選手を投入。堀コーチは「関根が足を痛めたところがあって、本人もちょっとキツいと言うことで、平川を入れました」と話した。

更に、72分には最後の切り札として、ズラタン選手に代えて興梠選手を投入。前線から圧力を掛けて行った。主導権を握られたFC東京は、DFラインを押し上げることが出来ずDFラインにボランチが吸収されるようになっていった。

そして77分、ついに浦和に同点ゴールが生まれた!!興梠選手がドリブルで運びながら高木選手へとスイッチしたところで、高木選手が自分の間合いで放った豪快なミドルシュートが弧を描くようにゴールへと吸い込まれていった。

興梠選手は「アシストじゃね~よ」と苦笑いしながらも嬉しそうに話し「前でキープ出来れば良いかな。トシとかロングシュート打てる選手もいるのでその一発に掛けてみた」と笑った。

後方から見ていた大谷選手は「最初、高いかなと思ったら途中で落ち始めたので、上手い。入ったなあ」と感じていた。

同点ゴールを決めた高木選手は「蹴る前から慎三君が(DFを)引きつけてくれていた。狙っていた。自分は、あのようなゴールを獲りたいとイメージが強い。遠い距離からのシュートは得意にしていた。それが結果に結びついた。落差があるシュートだった。上から外れたところから落ちたと思う。ボールを横の運んで、身体を流しながらボールをこすり上げる感じで蹴った」と見事なテクニックの技ありゴールであった。

そして、その3分後に追加点が生まれた。80分、高木選手から逆サイドの平川選手へと展開すると、平川選手は相手DFと駆け引きをしながらグランダーのクロスを入れ、武藤選手がゴール左隅へと流し込み2-1と逆転に成功!!

堀コーチは「経験のある選手ですし、ゲームの状況を踏まえて実際に良い仕事をしてくれた」と話した。

平川選手は「チームとしてアウェイゴールが欲しかった。堀さんからもスペースが空いていると言われた。得点に繋がって良かった。怪我する前よりも良いプレーをしようと思っていた。スペースが縦も内側もあった。縦の方をDFが意識している形だったので、行ってからシュート撃とうか悩んでいる時に、武藤が非常に良い動き出しでDFが着き辛いスペースに下りてきたのがキッチリ見えたので、あとは転がすだけだった」と満面な笑みを浮かべた。
追加点を決めた武藤選手は「平さんに入った時に、中で良い準備をしようと思っていた。自分の中でタイミングを見て、スペースを見つけ出せて、本当に撃って下さいという優しいボールが来たのでゴールに繋げて本当に良かった」と安堵の表情を浮かべた。

逆転されたFC東京は、平山選手やネイサン・バーンズ選手を投入して反撃を試みたが、力及ばずタイムアップ。リーグ戦同様に浦和がFC東京に2-1とYBCルヴァンカップ準決勝第1戦を逆転勝利を飾った。

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