浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「共に刻んだ100ゴール~興梠慎三選手」

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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通算100ゴールを達成した興梠は、シュートを撃つ瞬間に何を考えているのか。

記念すべき興梠慎三選手の100ゴールは、浦和を勝利に導き、年間首位の座を守る力強いゴールであった。

10月22日、アウェイでの新潟戦。1-1で迎えた90分に関根貴大選手仕掛けから李忠成選手がスルーしたところを左足ダイレクトで合わせたゴールであった。

ゴールを決めた瞬間、興梠選手は拳にグッと力を入れてJリーグ史上12人目となった自身の100ゴールよりも勝利を確信したことを喜んでいた。

阿部勇樹選手は「最後まで諦めずに獲りに行った結果、慎三が100ゴールを達成して良かった。やって来た成果が表われていると思うし、慎三も100ゴールがもうすぐだって思って来た中で、簡単に到達出来ない。今日の試合で2点を獲ってピッタリ100行ったのは素晴らしい」と嬉しそうに興梠選手の100ゴールを話していた。

興梠選手は「関根が良いボールを入れてくれて、ニアでチュンが潰れてくれて、フリーになれた。みんなで決めたゴールだ」と話していた。「みんなで決めたゴール」と興梠選手が話すのは、新潟戦のゴールに限ったことではない。

ゴールを決めた試合後にゴールシーンを振り返りながら「みんなで決めたゴール」と口癖の良く言うのだ。「みんなで決めたゴール」とは、何も息の合ったコンビネーションを指しているだけではない。

ボールを奪い、自分を信じてシュートが撃てる形まで運んでくれた仲間、自分のゴールを期待して後押ししてくれた仲間の存在があってゴールを決めることが出来た感謝の気持ちをしっかりと心に刻んでいる。如何にも興梠選手らしい。

そんな興梠選手にシュートを撃つ瞬間、どう思っているのかを尋ねてみた。すると「『来た~!』って感じかなぁ?」と嬉しそうに笑い、一瞬考えて「いや、何も考えてない。考えたことがない」と難し表情を浮かべた。そして「う~ん。入れて!願う」と話すとまた「う~ん」と唸り考え込んでしまった。

その様子を見ていた石原直樹選手が「コイツがシュートの時に考えていると思う?何も考えていないよ」と笑いながら同じストライカーとして助け船を出した。

興梠選手に「福田さん(福田正博氏)はゴールへのパスって言って、エメルソン選手は何もかもゴールネットを突き破るくらい叩き込むって言っていたよ」と過去の取材した時の話しをすると「えぇ?!」と驚き「ゴールへのパスは冷静だね。何もかも叩き込むのは気持ちだね。本当に?ねぇ~逆じゃない?フクさんの方が強引なイメージがある。エメはテクニックがあったなぁ」と二人のストライカーのゴールシーンを思い描いて話した。

「俺は、簡単って感じのゴールは技術がなくて決まらない。逆に難しいって思われるゴールが決まる。俺の場合は、ゴールは運を味方につけるかな」と恥ずかしそうに笑った。

興梠選手は運に恵まれているわけでは決してないと思う。ボディーバランスに優れ身体能力が高い選手である。仲間が繋いでくれたボール、仲間が鼓舞してくれた気持ちに応えたいから難しいと思われるゴールを身体能力を生かして飛び込み決めることが出来るのだ。

阿部選手は「次は200だ!111でも良いな~ぞろ目で(笑)。やっぱり浦和のために、まだまだ点を獲ってもらいたいし、獲らなきゃいけない男だ。チームに勢いを与えてくれるしね。若い頃から知っているが、若かった頃はヤンチャな部分があった。でも、いろんなことを経験して今の慎三があると思う。余り多くは語らない男だけど、プレーでしっかり魅せて引っ張ってくれていることもやってくれている。みなさんも感じていると思うけど、結構、熱い男だら!」と興梠選手にエールを送りながら話していた。

確かに、鹿島時代の興梠選手はヤンチャなイメージはあった。でも、浦和では仲間も思いで何よりも浦和を愛する人々を本当に大切にしている純粋な心優しい持ち主である。

興梠選手は、個人の目標として「今年は100ゴールを達成する」と掲げて来た。達成出来て「あとは、チームの目標である年間1位とチャンピオンシップを獲ることが達成出来たら今年は凄くハッピーだ」と笑った。

「1試合に1点」も目標の1つであった。だが、一番大切にして来たことは「大事な試合でゴールを決めることがFWの役目だ」とずっと言って来た。

鹿島の8年で決めたゴールは、49ゴール。2013シーズンから浦和で在籍4年目にして51ゴール。だが、やっぱり忘れられないゴールは鹿島を3連覇に導いた2009年埼玉スタジアムで決めたダイビングヘッドであった。

本当に申し訳なさそうに興梠選手はこのゴールを忘れられないゴールとしてあげたのだ。

浦和を愛する人々にとっては、そぼ降る雨の中で屈辱に打ちのめされたゴールであった。

新潟戦で決めた100ゴールで終わりでは無い。興梠選手はまだまだゴールを決める。浦和を愛する人々と共に刻んだ100ゴールが、鹿島時代に決めた「忘れられないゴール」を越える「絶対に忘れないゴール」を浦和でこの先に決めることを物語っていた。

だって、興梠選手は獲らなきゃいけない男だし、熱い男だから!

Q. レッドコードについて教えて下さい。

A. レッドコードは、リオデジャネイロオリンピックに出場した陸上の福島千里選手が体幹トレーニングでも使用しているものです。またスポーツの現場でも肺疾患のCOPDや臨床の現場でも使われるものです。人間は、年と共に筋力が衰えて重力に負けてしまいます。天井から釣り下げられているレッドコードで身体の様々な部分を吊しながら行います。寝た状態でも椅子に座ってでも出来ます。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。http://www.kawakubo-clinic.jp/

川久保整形外科がリニューアル開院しました。平成28年5月6日(金)より新クリニックにて診療を開始しています。MRIなど最新施設を備えて、より良い環境の下での医療とサービスをご提供していきます。http://www.kawakubo-clinic.jp/

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