浦和レッズの株主構成の変更について淵田代表が語る「『赤のまま』と言ったことが実現出来て良かった」
(Report by 河合貴子)
浦和レッズの株主構成の変更について
三菱自動車工業(株)の燃費不正問題から揺れ動いた三菱自動車保有の浦和レッズ株50.6%は、新会社「ダイヤモンズFCパートナーズ株式会社」(仮称)が引き受けることで決着がついた。
新会社「ダイヤモンズFCパートナーズ株式会社」(仮称)は、三菱重工業(株)と三菱自動工業(株)が共同して立ち上げたホールディングスの会社である。持ち株の比率は、三菱重工が30.8% 三菱自動車は19.8%となった。
これにより、日産自動車(株)から三菱自動車への34%の出資に伴い、Jリーグクラブライセンス交付規則「他クラブの経営等への関与の禁止」の違反の恐れは無くなり、Jリーグからも11月1日付けで書面決議により承認を得た。
取締役会を終えた浦和レッズ淵田代表は、株主構成の変更についてのプレスリリースを読み上げて安堵の表情を浮かべて「20数年に渡り、三菱自動車が筆頭株主として支えてくれて有り難い」と三菱自動車への感謝の気持ちを口にした。そして「母体が三菱重工に変わるのは、心強い。親会社の管理下だが、自分たちで経営が出来るクラブだ。問題が起きたときに『赤のまま』と言ったことが実現出来て良かった。ご安心下さい。更なる発展の体制が出来た」と笑顔を浮かべた。
新会社「ダイヤモンズFCパートナーズ株式会社」(仮称)設立により、浦和の経営が一層盤石な体制となり、選手や練習環境の整備の投資を含むチーム強化、自己資本の充実、基幹システム構築など経営基盤の強化を図っていく。
そのため第三者割当方式による増資も視野に入れて、淵田代表は「第三者割当の決議はした。最終的には、株主総会で決議したあとに新たな会社への配分など考える。現在、地元企業パートナーの皆様27社企業がある。新規の方の参加もしたい。現在3200株なので、発行可能な4000株を考えると最大800株を増やすことが出来る。練習場の環境整備など第三者割当で投資がしやすくなる」と話した。
だが、第三者割当の比率については「経営を考えていくと比率は、変わらず。ホールディング会社(新会社「ダイヤモンズFCパートナーズ株式会社」(仮称))のグループ比率は維持することとなる」と話した。
せめて1%でも浦和を愛する人々が、クラブの株を持てるような比率にはならなかった。だが、新会社「ダイヤモンズFCパートナーズ株式会社」(仮称)は、浦和が日本だけでなくアジア、世界の強豪クラブとして成長・発展していくことを支援してくれる。
1964年に「三菱重工サッカー部」となり1969年に日本リーグ初優勝をして「三菱重工サッカー部」の黄金期を迎えて赤いダイヤは輝いた。そして、Jリーグ参戦を見据えて1990年に「三菱自動車サッカー部」へと移行し、1992年に「三菱浦和フットボールクラブ」となった。1996年には、企業色が強いクラブイメージから三菱の名前が消えて「浦和レッドダイヤモンズ」となり、2012年には法人名もJリーグの理念に基づき、より地域に愛され地域と共に発展することを目指して「(株)三菱自動車フットボールクラブ」から「浦和レッドダイヤモンズ(株)」へと変わった。
新会社「ダイヤモンズFCパートナーズ株式会社」(仮称)の出資比率は、三菱重工が60.8%となっている。つまり、浦和の大元となる新会社「ダイヤモンズFCパートナーズ株式会社」(仮称)は、三菱重工(株)が経営権を握る。そして新会社は、傘下となる浦和の経営や管理を行っていく。日本サッカー界に黄金期を築いた「三菱重工サッカー部」のように、浦和は株主構成の変更に伴い新たな黄金期を築きたいものである。