浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「行く人、来る人」

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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浦和から行く人、浦和へ来る人、それぞれの立場は違うが、彼らたちの来シーズンの活躍が楽しみだ

オフシーズンに入り各クラブは、補強して来シーズンに向けての準備が整いつつある。Jリーグバブルと言われた当時のようなワールドクラスの選手の名前が、移籍リストに上がらない寂しさを感じる。しかし、これも時代の流れと共に致し方ない。

また、凄く高い移籍金を支払ったとしても、その選手が日本の環境に馴染み活躍する保証はどこにもない。

かつて浦和に所属していたオーストリア代表歴のあるバウアー選手は、ホームシックにかかりリーグ戦2試合のみで退団してしまった。ブラジル代表歴もあるエジムンド選手は、リーグ戦開幕前に開催されたナビスコカップの磐田戦と東京ヴェルディ戦に出場したものの当時のオフト監督と確執もあり急遽帰国して退団してしまった。もっと浦和の歴史をさかのぼれば、1993年にはフェレイラ選手とモラレス選手を補強してアルゼンチン路線でスタートとしたが、全く結果が出せずに路線変更を余儀なくされたこともあった。

結果が全てのプロの世界は、選手ひとり獲得するのも本当に難しいものだとつくづく感じる。またプロ選手である以上は、試合に出場して結果を当然残したい。しかし、試合に出場する能力はあるものの監督の求めるプレーと選手が得意とするプレーが噛み合わなかったり、選手層の厚さで試合出場の機会を失うこともある。そうなると、試合出場出来る機会を求めて移籍を選択することになる。

浦和の場合は、試合出場機会を求めて今シーズンの途中で神戸へレンタル移籍していた橋本和選手が神戸へ完全移籍となった。今シーズンACL3試合とリーグ戦1試合出場した永田充選手が東京ヴェルディへ。リーグ戦1試合とルヴァンカップ2試合出場した加賀健一選手は山形で来シーズンからプレーをすることを決めた。大谷幸輝選手は、来シーズン新潟でプレーする。絶対的守護神の西川周作選手が浦和にいる限り、大谷選手の試合出場機会は回って来ない現実を考えると致し方ない。浦和ユース出身でU-20やU-21日本代表で将来は浦和のファン・デル・サールになる選手だと期待をしていた。そんな大谷選手もいつの間にか27歳になっていた。このまま西川選手の背中を見続けていても先は無い。浦和を去る選手たちは、ある程度年齢を積み重ね経験がある選手か試合出場のチャンスが無い若手の選手だ。

武者修行中とも言えるレンタル移籍中の茂木力也選手は愛媛から山形へと闘いの場を変えた。水戸にレンタル移籍中の斉藤翔太選手は、今シーズン水戸でも出場機会が無かったが引き続き水戸へのレンタルを延長することになった。鳥取にレンタル移籍していた福島春樹選手の復帰も決まっているが、右膝前十字靱帯断裂と半月板損傷の大怪我をしてリハビリのために浦和に戻って来た。若手のレンタル移籍は、浦和に戻って来られる保証はどこにも無い。レンタル先でしっかりと試合に出場して結果を出さないと、存在する忘れられてしまう。

2年前に試合経験を求めて岡山にレンタル移籍した矢島慎也選手は、しっかりと岡山で活躍し結果を出しただけで無く、リオデジャネイロオリンピックでも存在感を魅せた。そして、来シーズンから浦和に復帰することが決まったのだ。矢島選手が、この2年間で成長した証しを浦和のピッチで魅せてくれることが楽しみでならない。

湘南にレンタル中の山田直輝選手と岡本拓也選手の来シーズンの動向が気になる。しかし、現時点は分からない。浦和に復帰して欲しい思いもあるが、試合出場のことを考えると複雑な思いも正直ある。何とも言えないもどかしさがある。

さらに、今シーズン浦和に1FCケルンから移籍してそのまま千葉へレンタル移籍した長澤和輝選手も千葉で中心選手として41試合出場を果たし、来シーズンからは浦和への復帰が決まっている。しかし長澤選手の場合は、浦和の練習にすら参加して居ないのだから新加入選手と言っても良いだろう。

浦和に移籍して来る選手は、試合出場機会を求めてやって来る選手と言うよりも、スキルアップを求めてより高いレベルでプレーをすることを臨む。来シーズンに向けて補強は、新潟からラファエル・シルバ選手と千葉からオナイウ・阿道選手が決まっている。

現時点で決まっていることを整理して考えると、浦和から他クラブに行く選手と来る選手のポジションのバランスが取れていない。ペトロビッチ監督は、常に練習をゲーム形式で行う。となると、DF陣が足りないような気がする。補強のポイントは、これで良いのだろうか?

遠藤航選手を除くDF陣の年齢も上がってきている。槙野智章選手は29歳、森脇良太選手は30歳、イリッチ選手は33歳、那須大亮選手と阿部勇樹選手は35歳だ。そう考えると学ぶ意欲がある若いDFが欲しいと思ってしまう。

浦和の来シーズンのことを思うと、まだまだこのオフに動きがありそうだ。ただ、ひとつ言えるのは、浦和から他のクラブへ行く選手も他のクラブから浦和に来る選手も、浦和の一員としてのプライドをしっかりと胸に刻んでいることだ。

浦和というクラブは、誰でも試合に出て活躍出来る甘いクラブでは無いからだ。浦和を去る加賀選手、永田選手、大谷選手たちは、浦和で過ごした貴重な経験をこれから生かして行くだろう。浦和に新たにやって来る選手たちは、相当な覚悟でやって来るだろう。浦和から行く人、浦和へ来る人、それぞれの立場は違うが、彼らたちの来シーズンの活躍が楽しみだ。

Q. 疲労性の筋肉の炎症について教えてください。

A. 疲労骨折があるように、疲労性の肉離れがあります。また、筋肉の損傷ではないですが、疲労からくる炎症でMRIを撮影すると真っ白になっていることもあります。肉離れではないですが、症状として肉離れに近いです。また、こむら返りを起こし、疲労が取れてない時に肉離れになりやすいです。疲労を溜めないために、適切なクールダウンと休養が大事です。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科がリニューアル開院しました。平成28年5月6日(金)より新クリニックにて診療を開始しています。MRIなど最新施設を備えて、より良い環境の下での医療とサービスをご提供していきます。http://www.kawakubo-clinic.jp/

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