浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「PLAYER’S First~ ブランコ・イリッチ選手」

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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PLAYER’S Firstとは、浦和を愛する人々の「URAWA First」があってこそ成り立つものだ

突然の移籍であった。ブランコ・イリッチ選手は「今までのことを含めてすべてに心から感謝しています。残念ながら、来日してから怪我をしてしまい、なかなかうまくいかず、みなさんにもご迷惑をかけてしまいました。ファン・サポーターのみなさんにも残念な気持ちにさせてしまい、チームにもなかなか貢献できなかったことを申し訳なく思っています。これからの新シーズン、浦和レッズに本当によい結果が出ることを願っていますし、この先、僕は新たな地でプレーし、活躍したいと思っています。もし、僕を見かけることがあったら、声援していただければうれしいです。浦和レッズの一員ではなくなったからといって、このチームへの愛が消えることはないですし、選手、コーチングスタッフ、ファン・サポーターのみなさんにタイトルを一つでも多く獲ってほしいと願っています。本当にありがとうございました」と書面で言葉だけを残して浦和を去ってしまった。

書面を受け取った時、イリッチ選手が、どれだけ浦和を愛していたか、どれだけ無念だったか・・・。そして、なぜに突然の移籍の道を選ばなければならなかったのか・・・。イリッチ選手の胸中を思うと涙がこぼれた。

今シーズンが始まり、チームは開幕戦に向けて沖縄でキャンプを行い、しっかりとした準備をしている最中だった。浦和にやってきたスロベニア代表歴もあるイリッチ選手は、カザフスタンのFCアスタナから移籍して今年で2シーズン目を迎えようとしていた矢先であった。

ミシャ監督が求める攻撃的なDFも理解を深めた今シーズンこそは、イリッチ選手の経験を生かした鋭い読みで球際に厳しく相手の攻撃の芽を摘み、188㎝の大きな身体でゴール前に立ちはだかる壁となり、攻守の切り替え早く歩幅が広く懐の深い独特なドリブルから持ち上がり、逆サイドへと展開する姿がピッチで見られると思っていた。

確かに、昨シーズンの始めの頃は怪我もあったり、ミシャサッカーを理解するのに時間が掛かってしまったのは否めない。だが練習を取材していて、昨シーズンの夏場ごろから少しずつチームにフィットして来ているように感じていた。

イリッチ選手本人も「チャンスを待っている。公式戦で魅せるために今、闘っている段階だ。最初、監督が何を求めているのか理解するのに時間が掛かった。やって行くうちに少しずつ慣れて来て、今では全く問題がないと思う。ボールを奪った後の動きも日に日によくなって来ていると思う」と日々の練習の中で手応えを感じていた。

そして「選手にとって一番良いことは、試合に出ることだ。僕は、本当に試合に出たい。そういった気持ちが、自分の中で一番強い。僕の仕事は、ピッチの中で100%練習して、いつかチャンスをもらったときに監督が求めていることがピッチの中で出来るかがキーだと思う。自分が色んなことを理解して準備が出来た上で、しっかりっとチャンスを物に出来るかと言うところだと思う」と来るべきチャンスを掴むためにしっかりとした準備をして日々の努力を怠らずに過ごしていたのだ。

しかし、怪我が完治しても戦術を理解しても努力を重ねても、イリッチ選手にチャンスが訪れることはなかった。

34歳のベテランプレーヤーにとって公式戦のピッチに立つことが出来ない現状を考えると、いくら浦和に愛があったとしても試合に出場出来る可能性があるクラブに移籍するのは当然のことである。

フットボールプレーヤーの選手生命が短い中で選手にとって何が一番良いことなのかと考えると、「PLAYER’S First(プレーヤーズ ファースト)」であった。そう思うとこの移籍は、納得が出来る。

だが、本当に「PLAYER’S First」と思うのであれば、今の時期ではないと思ってしまう。移籍先の都合もあると思うが、今シーズンが始まる前に移籍が決まっていればと感じる。

どこか浦和を愛する人々の期待や思いが置き去りになっている。「PLAYER’S First」とは、浦和を愛する人々の「URAWA First」があってこそ成り立つものだ。

イリッチ選手が書面で残した言葉をもう一度、読み直す。

「みなさんにもご迷惑をおかけしてしまいました」「このチームへの愛が消えることはない」この言葉は、イリッチ選手の本心だ。たった1年ではあったが、本当に浦和を愛していた。

そして、ピッチで活躍して浦和を愛する人々と共に栄光を掴み獲りたかったのだ。何ともやりきれない思いが募る。ただ、浦和を去ったからには、イリッチ選手が故郷でもあるスロベニアのNKオリンピア・リュブリャナで試合に出場して活躍してくれることを願うばかりだ。

Q. 寒いと肉離れになったり筋肉系の怪我が多くなると聞きましたが本当ですか?

A. 本当かどうかは分かりませんが、寒いと身体は縮こまります。物流特性でどんな物でも冷えれば固くなる。水だって氷になる。冷えれば物は固くなるのはしょうがないことです。筋肉も冷えれば固くなる状態になります。いつも以上にほぐさないといけません。でも実際に冬場に筋肉系の怪我が多いかどうかは、統計をとってみないと分かりません。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科がリニューアル開院しました。平成28年5月6日(金)より新クリニックにて診療を開始しています。MRIなど最新施設を備えて、より良い環境の下での医療とサービスをご提供していきます。http://www.kawakubo-clinic.jp/

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