浦和フットボール通信

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遠藤航が済州戦で得た守備の手応え【河合貴子のレッズ魂ここにあり!】

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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ディフェンダーとしてのやり甲斐を感じた試合

ACLラウンド16突破を掛けた、ホーム埼玉スタジアムで行われた済州戦。アウェイゴールの重さをヒシヒシと感じながらも、冷静に済州のカウンターを潰し的確にプレーをしていたのは遠藤航選手だった。

90分で3-0と勝利を収める理想的な展開にはならなかったが、120分の死闘の中で攻守の絶妙なバランスを保ちチームを勝利へと導いた遠藤選手は、存在感をピッチの中で魅せていった。

死闘を征した済州戦から一夜明けて、遠藤選手は「昨日みたいなゲームができるのであれば、毎試合やるべきだ!それができれば、チームとしての成長に繋がる。僕も昨日改めて感じた部分がある。特に後ろは、切り替えとか守備の面でもっともっと求めていくことが必要だ!」と疲れた表情をしていたが、更なる向上心をみせていた。

そして済州戦を振返りながら「何回か、カウンターを受けるシーンはあったが、それは想定内だった。変な失い方をしなかったのは1つ大きいと思うし、前の選手の切り替えが早かったから助かった。阿部さんが前に行くときと、下がるときがハッキリできていた。モリ君(森脇)と槙野君含めて帰陣が早かった。全体的に切り替えが早かった」と笑顔を見せた。

全体的に攻守の切り替えが早かったのは事実であるが、DFラインをしっかりと押し上げてコンパクトに保ち距離感もよく絶妙なバランスを遠藤選手はとっていた。全ての試合をこの済州戦で見せたような闘いができれば、浦和は本当に強いと感じられる試合であったのだ。

守備の鉄則は、ボールを奪う、奪えなかった場合は相手のプレーを遅らす。そして相手のシュートコース、パスコースを切りながら相手を一定の方向に追い込むことである。

一番嫌なパターンは、ボールを奪いに相手に飛び込んでかわされることである。特に、相手の鋭いカウンター攻撃を受けた場合、最終のDFラインで相手にかわされてゴール前まで持ち込まれると、GKと相手の1対1のシーンに直結してしまう。

また、浦和のようにDFラインが高いとその裏のスペースを狙われることが多い。その場合は、守備範囲が広い西川周作選手が飛び出して徹底したリスク管理を見せる。だが、いくら西川選手が守備範囲が広いとは言え、そういうシーンはあまり好ましくない。DFの裏を突かれてしまったら、後追いになるがシュートコースを切りながら相手の選手にプレスを掛けるのか、ボールホルダーを味方に任せて2列目から飛び出してくる選手のケアにいくのか、セカンドディフェンスに入りサポートをするのか、状況によって判断は変わる。GKを含めた守備連携も大事になってくる。

遠藤選手は「僕、1人で守っているわけではない。キーパーの周作君(西川選手)と連携したり、DFの選手と連携しながらしっかりと守れていたと思う。凄く良かったですよね」と嬉しそうに笑い、「後ろ向きに走って帰陣したときは、シンプルにタッチラインに逃げるのもありだ。1人1人の判断も良くなってきている。守備の意識、繋ぐところとハッキリやるところの判断とか、ゲームの状況を読みながらみんなできるようになってきている」とチーム全体の守備判断が向上していることを感じていたのだ。

それでも、前に人数を掛けて攻撃的な姿勢を貫く浦和の戦術では、済州戦に限らずカウンターの餌食になる場面は避けられない。できれば、相手にカウンターをさせないようにその前で潰せるか、必ずシュートで終わりゴールキックからのリスタートで守備体制を整えることが最適である。

90分間の中で集中力を持ってリスク管理をしていてもカウンターは受けてしまう。相手にDFの裏を突かれて、戻りながらの守備で味方の帰陣が少しでも遅れたら、相手の選手と1対1になる。相手に抜かれずに、シュートを撃たさない守備をするしかない。ここは、最終DFラインの遠藤選手の見せ場となる。

「しっかり自分が守れるかだ。あのポジションだとある意味良い見せ場が来るってやり甲斐を感じながら、変にプレッシャーを感じずにできる」と遠藤選手は自信たっぷりに、しかも力強く話した。

遠藤選手は、相手選手と対峙した時のやり甲斐を感じ、しかも相手選手を止めるプレーや、遅らすプレーに自信があるから冷静に対応することができるのだ。

相手のカウンターをしっかりと止めた時の、充実感は何とも言えないものがあるのだろう。試合の展開的には、あまり遠藤選手の見せ場が来ないほうが良いに決まっている。だが、1試合で何本かカウンターに持ち込まれるシーンは必ずやってくる。

危機察知能力が高く、鋭い判断で相手を止めてピンチを救う。それが、ディフェンダーとしての務めである。遠藤選手は、ディフェンダーとしてのやり甲斐を感じながら、しっかりと役割を果たす。「来るなら、来い!俺が止める」。

心は熱く、頭は冷静に遠藤選手は果敢にカウンターに挑んでいく。

Q. 疲労を溜めないためのストレッチを教えてください。

A. ストレッチには、静的と動的があります。例えば、運動前に行うストレッチは筋肉を起こしてあげて怪我の予防になります。しかし、運動前に静的なストレッチを行うと筋肉がダランとしてパフォーマンスが上がらなくなります。運動直前のストレッチは動的ストレッチ、運動直後のストレッチは筋肉をほぐして緩める静的なストレッチで疲労を溜めないようにしましょう。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科がリニューアル開院しました。平成28年5月6日(金)より新クリニックにて診療を開始しています。MRIなど最新施設を備えて、より良い環境の下での医療とサービスをご提供していきます。http://www.kawakubo-clinic.jp/

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