浦和フットボール通信

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池髙暢希がTMで久しぶりの90分間を戦って感じたこと【河合貴子のレッズ魂ここにあり!】

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

浦和の未来をまぶしく照らす輝き

ACLに出場していなければ、ひょっとしたらプロデビューをYBCルヴァンカップで果たしていただろう。今シーズン、ユースからトップ昇格した池髙暢希選手である。昨シーズンのYBCルヴァンカップで輝いた荻原拓也選手や橋岡大樹選手のように、間違いなくピッチで結果を出したはずだ。

池髙選手は「ベンチにも入れず、試合にも絡めない。大輝君(橋岡選手)も拓也君(荻原選手)も19歳で活躍していた。追い越せるように頑張りたい」とユース出身の先輩2人を目標にしていた。

4月1日に行われた早稲田大学ア式蹴部との練習試合では、左のインサイドハーフを任された。試合に飢えていたのか、右のインサイドハーフの山田直輝選手が外に開くと、中に絞るポジションを取りながらゴール前へと勢い良く走り込んでくる。果敢にチャレンジする姿は、ものすごく好印象であった。

池髙選手は、試合後に「ユースの時から右も多かったけど、どちらかというと左からカットインしてシュートしたりする方が自分のドリブルが生かしやすい。使われた意図は、いろいろとあると思うが、今日はそこに人がいなかったから。4バックの方がやりやすいって言う選手が多い。自分は、両方ずっとやってきた。やりやすさは、どっちもどっち。試合に出られる方が良い。攻撃は4-4-2の方がやりやすい。4バックの時の方が、中にポジションがとれる。FWの選手もボールを受けたがる。縦にランニングしたり、そこでクロスを入れたりすることができる。今までだと張っていることが多いから」とうれしそうに笑った。

先制点を決めたのは、山田選手のアーリークロスに杉本健勇選手が競り合ったこぼれ球を拾った池髙選手であった。

「イメージとしては、健勇君がシュートだったと思うけど、こぼれ球に対しての準備ができていた」とイメージどおりのゴールであった。攻撃面は、本当に申し分のない活躍をみせた。だが、守備面ではまだまだであった。流動的にうごく早大に手こずるシーンも多く、対峙する田中雄大選手のテクニックとスピードにやられた。

「個人でうまい選手がいて、早い選手もいた。このレベルで勝てないと試合に出られない」と下唇を悔しそうに噛み締めた。そして「少しプレスの掛けたを迷っていたので「健勇君が『前から迷わずにハメに行け!』と指示を待って動いていた部分が多い。それも大事だが、自分から判断していけるようになりたい。守備のハメにいくプレス、相手が後ろを向いている時の寄せ、強度についていけない。皆のレベルに達していない。獲ったらチャンスになるのに、チャレンジしないと・・・」と自分自身のプレーを振り返りながら話した。

池髙選手にとって、練習試合とはいえ久しぶりに90分間ピッチで闘った収穫は大きい。自分の課題も浮き彫りになった。

「スタメン組じゃないメンバーで練習試合をしても、他のチームではスタメンだったり、代表の経験がある選手と一緒にできるのは、このチームの良さだ」と笑った。

ベテランの阿部勇樹選手や山田選手、杉本選手たちから練習試合を通して学ぶことは、池髙選手の成長に繋がる。ただ単に、コンディション調整や試合勘を取り戻すための練習試合ではないのだ。その意識の高さが、池髙選手にはあった。池髙選手が持っている意識の高さは、ユースに所属したときから育んできたものであった。池髙選手は、ユース出身といっても中学生までは北海道で育った。親元を15歳で離れる決意は、相当な覚悟が必要だ。

「中学の時に、『浦和のユースの練習に参加しないか?』って言ってもらえたのが、キッカケだった。ユースの練習が、刺激になった。そこでトップチームもすごい強いクラブだったし、そこに繋がっているのが大きかった。中学生の時は、プロサッカー選手になる目標はあった。浦和に行くからには、必ずトップに上がりたい気持ちだった。北海道から出て行くのに、迷いはあった。親元を離れて寮生活はするというのはあったけど・・・。道外って結構違いがあるから、正直(北海道から)出る選択肢はなかった。提示されてから、考えた。札幌は、当時J2だったし・・・。浦和が、声を掛けてくれてなかったら、どうなっていたかな」と話した。

最初の頃は、ホームシックになって親へ電話したこともあったし、先輩に怒られて泣いたこともあった。それでも「帰りたいと思わなかった」と凜とした態度で話した。

「代表経験をさせてもらえたのは、浦和に入ったからだ。今は、トップに上がれたけど試合に絡めない状況で、足りないからだ。もっともっと変っていかないと。練習も入ったり、出たりで固定してメンバーに入れてもらえない。インパクトを残さないと。常にチャレンジしていく!」と気合いをいれた。

今は試合出場のレベルに達していないが、本当にこれから輝く選手の1人であることは間違いない。強いメンタルで課題に取り組みながら、先輩たちを追い越して必ず這い上がってくるはずだ。浦和の未来をまぶしく照らす輝きが、池髙選手にあった。

Q. 「反復性脱臼」になった場合、どうすれば良いのでしょうか?

A. 「反復性脱臼」で剥がれてしまった関節唇は、内視鏡で手術します。昔の手術では、骨を埋めて壁を作ったり前に肩が脱臼しないようにしていました。今は、剥がれた軟骨や骨を内視鏡で戻してあげて縫い合わせるバンカート法という手術です。あとは、自分の関節の袋を少し縮めたりする方法もあります。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科
http://www.kawakubo-clinic.jp/

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